内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:167

ワクチン4回目接種スタート、医師は接種したい?したくない?/1,000人アンケート

 2022年5月25日に新型コロナワクチンの4回目接種がスタートした。今回は接種の対象者が、1)60歳以上、2)18~60歳未満で基礎疾患がある人・重症化リスクが高いと医師が認めた人、に限定されている。医師はこの方針についてどう捉え、自身の接種についてはどう考えているのだろうか? ケアネットでは、6月7日(火)に60歳未満の会員医師1,000人を対象に、インターネットで「4回目接種」について希望や考えを問うアンケートを行った。  「現在の自身のワクチンの接種状況」を聞いた設問では、92%が「3回接種済み」と回答した。1回または2回接種済み(計5.4%)、未接種(3%)との回答者もいたものの、医療者として感染リスクの高い場所で勤務している場合が多いことに加え、勤務先からも接種指示が出されるケースも多いと予想され、3回接種を終えている人が大半だった。  一方、「自身は4回目接種を受けたいか」との設問への回答は、意見が分かれた。「対象となったら、すぐに接種したい」が33%、「対象となったら、時期を見て接種したい」が36%と計7割を占めたものの、「対象となっても、接種したくない」「どちらともいえない」も各15%、13%を占めた。

PC使用や自動車運転と認知症リスク~プロスペクティブ研究

 座りがちな行動は、高齢者の認知症リスクと関連しているといわれている。東北大学の竹内 光氏らは、自動車運転やコンピューターの使用が、高齢者の認知症リスクと関連しているかを調査した。その結果、座りがちな行動の種類により将来の認知症リスクは異なり、単純に座っている時間のみで評価するのではなく、さまざまな要因を考慮する必要があることを報告した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2022年5月16日号の報告。  対象は欧州の中高年成人を含む縦断的コホート研究の参加者のうち、ベースライン(2006~10年)より5年前に認知症と診断されておらず、ベースラインから5年以内に死亡していなかった人で、2018年までフォローアップし分析した。交絡因子で補正した後、ベースラインで質問票より得られた自動車運転時間および非職業的コンピューター使用時間と、5年後の認知症発症との関連を分析した。自動車運転およびコンピューター使用の時間により、4群(A群:0時間/日、B群:1時間未満/日、1時間/日、C群:2時間/日、3時間/日、D群:4時間以上/日)に分類した。分析にはCox比例ハザードモデルを用いた。

食料不安と糖尿病リスクの関連が縦断研究で示される

 日々の食料の購入に苦労している若い成人は、後年の糖尿病の発症リスクが高いことが明らかになった。米ワシントン州立大学のCassandra J Nikolaus氏らの研究結果であり、詳細は「The Journal of Nutrition」に3月14日掲載された。  Nikolaus氏らは、米国で行われている青年期から若年成人期の健康に関する縦断研究の参加者3,992人のデータを用いて、食料不安を抱えていることと、その約10年後の糖尿病発症リスクとの関連を検討した。その結果、24~32歳の時点で食料不安を感じていると回答した人は、その不安がないと答えた人に比べて、32~42歳になった時点で、血液検査による診断または自己申告による糖尿病の有病率が高いことが明らかになった。  論文の筆頭著者であるNikolaus氏は、「食料不安の有無により、10年後の糖尿病の有病率に乖離が発生していた。つまり、若年成人期に食料不安を経験した人は、中年期に糖尿病になる確率が高くなるということだ」と解説。同氏によると、これまでにも食料不安と糖尿病、肥満、高血圧などの多くの健康問題との関連が示されていたが、それらは横断研究からのエビデンスであって、因果関係の有無については不明だったという。それに対して今回の研究は同一対象を継続的に追跡した縦断研究であるため、因果関係の存在を示唆しているとのことだ。

米国でのサル痘の現状とは―CDCの報告

 サル痘ウイルスへの感染で生じる急性発疹性疾患であるサル痘の感染者が、5月以降、欧米諸国を中心に増加しており、WHO(世界保健機関)も警戒を強めている。そんな中、「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」6月3日号に発表された報告によると、米国でのサル痘の感染症例は、ゲイやバイセクシュアルの男性、または男性とセックスする男性(MSM)に集中しており、皮膚と皮膚の密接な接触によりウイルスが伝播した可能性が示唆されたという。

12~18歳の新型コロナワクチン有害事象、女子に高リスク傾向/日本化学療法学会

 現在、12~18歳の約75%が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えているという。この年齢層での新型コロナウイルスワクチンの有害事象の調査結果について、大阪医科薬科大学の小川 拓氏が、2022年6月3日~5日に開催された第70回日本化学療法学会総会にて発表した。  ワクチン接種による有害事象は12~18歳も成人データと大きく変わらない 本研究では、中学校・高等学校の生徒のうち、新型コロナウイルスワクチンの接種を、希望者469人に対して、2021年9月25日~10月28日に職域接種として行った。1回目はすべてモデルナ製ワクチン(0.1mg)であったが、若年男性に心筋炎・心膜炎のリスクがあることが厚生労働省から発表されたことを受け、2回目は男子に限りモデルナ製に加え、ファイザー製ワクチン(0.225mg)も選択可能とした。男子108人(うち2回目ファイザー製72人)、女子44人の計152人が研究に参加した。被験者に、新型コロナウイルスワクチンの有害事象でよく見られる症状を記載したアンケート形式の健康観察票に、2週間分を記録してもらった。

イソフラボンの摂取量が多い女性は頭痛が少ない―東京医科歯科大学

 イソフラボンの摂取量が多い閉経期以降の女性は、頭痛が少ないことが明らかになった。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座の寺内公一氏らの研究によるもので、詳細は「Nutrients」に3月14日掲載された。  イソフラボンは大豆などのマメ科の植物に多く含まれている栄養素であり、抗酸化作用に加えて女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用を持つことから、“植物性エストロゲン”と言われることもある。これまでの研究から、女性の健康を保護するように働く可能性が示唆されている。

子ども時代の被虐体験が成人後の糖尿病などと関連

 子どものころの被虐体験と、成人後の高コレステロール血症や2型糖尿病の発症リスクとの関連を示した論文が4月27日、「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に掲載された。筆頭著者である米エモリー大学のLiliana Aguayo氏は、「われわれの研究結果は子ども時代の被虐体験が、成人後の疾患リスクに影響を及ぼす可能性を示しており、その影響は性別や人種により異なるようだ」と述べている。  Aguayo氏らは、冠動脈疾患リスク因子に関する長期コホート研究である「CARDIA研究」のデータをこの研究に用いた。CARDIA研究では、1985~1986年に米国内4都市で登録された5,115人(年齢18~30歳、平均25歳)を2015~2016年まで追跡。30年間にわたり数年おきに心血管疾患リスクを評価した。また、研究参加者が33~45歳の時点で、子どものころの被虐体験(身体的または精神的な虐待)の有無、および養育環境(周囲の大人から愛情を受けていたか、家庭内の秩序が保たれていたか)に関する質問を行った。

コロナワクチンの副反応疑い、長期観察での発生率は?ファイザーvs.モデルナ

 RCTではBNT162b2(ファイザー製)ワクチンおよびmRNA-1273(モデルナ製)ワクチンを接種した人の副反応の発生率が低いことはわかっている。しかし、より長期フォローアップかつ大規模で多様な集団での、より広範囲の潜在的な副反応に対する安全性は明らかになっていない。そこで、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のBarbra A Dickerman氏らは、上記2剤のワクチン接種による副反応リスクに関して直接の安全性を比較するための調査を実施。

高血圧患者数約2,700万人の9割に治療薬が処方/日本高血圧学会

 日本高血圧学会、医療経済研究機構、東京大学は共同研究として、全国民のレセプトデータであるNDB(national database)の分析により、わが国の医療機関における高血圧性疾患受療者数と治療薬処方数を初めて明らかにし、その内容をHypertension Research誌オンライン版2022年6月10日号に公開した。  解析の結果、高血圧性疾患に罹患しているが実際に未受診の患者が多いこと、高血圧性疾患の受療者の多くは小規模な医療機関を受診していること、都道府県別での高血圧受療率の差などが本研究で明らかとなった。

RBDダイマー由来のCovid-19ワクチンZF2001の成人における有効性と安全性(解説:寺田教彦氏)

ZF2001ワクチンは、組み換えタンパクCOVID-19ワクチンの1つで、SARS-CoV-2の受容体結合ドメイン(RBD)をベースにしたワクチンである。組み換えタンパクワクチンは抗原以外の物質で免疫の獲得を助ける物質であるアジュバントが添加されるが、ZF2001はアジュバントとして水酸化アルミニウムが含有されている。組み換えタンパクワクチンの技術はCOVID-19ワクチン以前からも用いられており、1986年にB型肝炎が承認されるなど、他のワクチンでも使用実績がある。本邦で薬事承認され、予防接種法に基づいて接種されているCOVID-19ワクチンは、ファイザー社のmRNAワクチン(商品名:コミナティ)、武田/モデルナ社のmRNAワクチン(同:スパイクバックス)、アストラゼネカ社のウイルスベクターワクチン(同:バキスゼブリア)、武田社の組み換えタンパクワクチン(同:ヌバキソビッド)があるが、このうち、ZF2001と同様の組み換えタンパクワクチンは武田社のヌバキソビッドである。