内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:168

4回目接種・ノババックスなど追記、接種実施の手引き8版/厚生労働省

 厚生労働省は、5月25日に全国の市町村に「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(8版)」を発出するとともに、同省のホームページでも公開した。本手引きは2020年12月17日の初版以来、十数回の更新を行い、その時どきの臨床知見、行政施策を反映した内容に改訂されている。 〔第2章 接種類型等〕 第2章3、第3章3(12)、第5章、第7章3 ・4回目接種について追記 第2章4(2)ク ・各ワクチンの接種機会の確保について更新 第2章5 ・ワクチンの契約状況について更新 ・ワクチンの有効期限について事務連絡の日付を更新し、記載を一部追記 第2章5 ・図3 新型コロナワクチンの各社情報を更新

エスプレッソコーヒー、男性が飲むとコレステロール値が上がる?

 「コーヒーは身体に良い」という論文報告が散見されるも、コーヒー豆に含まれるジテルペン(とくにカフェストール、カーウェオール)が血清コレステロールを上昇させてしまうという報告1)もある。だが、このジテルペンの影響はコーヒーの抽出方法によって異なるようだ。そこで今回、ノルウェー・トロムソ大学のAsne Lirhus Svatun氏らがコーヒーの抽出方法、なかでも研究数の少ないエスプレッソコーヒー(短時間で高圧抽出)と血清総コレステロール(S-TC:serum cholesterol)との関連性を調査した。その結果、エスプレッソコーヒーの消費量は、血清総コレステロールの増加と関連しており、女性と比較して男性のほうが有意に強い関連が示された。また、ボイルド(サイフォン式など)/プランジャーコーヒー(フレンチプレスなど)を摂取したの場合は男女ともに血清総コレステロールが増加し以前の研究で示された結果と同様だったが、フィルターろ過コーヒーに至っては女性で血清総コレステロールがわずかに増加したことが示された。Open Heart誌4月号掲載の報告。

片頭痛患者の最も厄介な症状

 片頭痛の急性期治療の臨床試験において、最近、最も厄介な症状が主要なエンドポイントとして推奨されるようになっている。ほとんどの臨床試験や観察研究は欧米で実施されているが、最も厄介な症状として挙げられているのは羞明である。台湾・国立成功大学のYi-Hsien Tu氏らは、台湾の片頭痛患者の大規模サンプルにおける最も厄介な症状の分布、臨床的関連、治療反応について調査を行った。その結果、台湾の片頭痛患者における最も厄介な症状は、悪心、音声恐怖、羞明の順であったが、最も厄介な症状と片頭痛の治療反応率は類似しており、片頭痛の急性期治療のアウトカム指標と最も厄介な症状が関連していることが報告された。Headache誌オンライン版2022年4月25日号の報告。

世界の成人の4人に1人はNAFLD―AHAが心疾患リスクとして注意喚起

 飲酒が肝臓に良くないことは、広く知られている。しかし、世界中の成人の4人に1人は、飲酒と関係のない肝臓病を患っているという。そして、そのような肝臓病を持つ人は、心臓病のハイリスク状態でもあるとのことだ。この実態に注意を促す、米国心臓協会(AHA)による科学的声明が、「Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology」に4月14日掲載された。  飲酒とは関係のない肝臓病とは、「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」と呼ばれるもの。NAFLDは、肝臓に脂肪が大量に沈着することで発症し、肝臓の繊維化や炎症を引き起こすことがある。ただし、大半のNAFLD患者は診断されずにいる。

虚弱高齢者への運動+栄養介入、運動障害の発生を約2割減/BMJ

 身体的フレイルおよびサルコペニアが認められるShort Physical Performance Battery(SPPB)スコアが3~9の70歳以上に対し、中等度身体的アクティビティ指導(対面週2回、家庭で週4回以下)と個別栄養カウンセリングを実施することで、運動障害の発生が減少したことが示された。イタリア・Fondazione Policlinico Universitario Agostino Gemelli IRCCSのRoberto Bernabei氏らが、技術的サポートと栄養カウンセリングによる身体活動ベースの多面的介入が、身体的フレイルとサルコペニアが認められる高齢者の運動障害を予防するかを確認するため検討した無作為化試験「SPRINTT project」の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「身体的フレイルとサルコペニアは、虚弱高齢者の可動性を維持するターゲットになりうることが示された」とまとめている。BMJ誌2022年5月11日号掲載の報告。

新型コロナ感染者、糖尿病リスクが高まる

 COVID-19罹患後にさまざまな疾患にかかりやすくなる可能性が示唆されているが、それに糖尿病が加わる可能性がある。米国・VAセントルイス・ヘルスケアシステムのYan Xie氏らによるコホート研究の結果が、The Lancet Diabetes & Endocrinology誌2022年5月号に掲載された。  本研究では、米国退役軍人省の全国データベースを用いて、2020年3月1日~2021年9月30日にCOVID-19検査で陽性となり、その後30日間生存した群(COVID-19群)18万1,280例、同じ期間に登録した対照群(411万8,441例)、2018年3月1日~2019年9月30日に登録した過去対照群(428万6,911例)からコホートを構成した。どちらの対照群も、SARS-CoV-2感染は認められなかった。

抗原検査、感度のピークはいつ?再検査のタイミングは?

 抗原検査の感度は発症4日後にピークを迎え、陰性の場合は1~2日後の再検査で感度が向上することが、米国疾病予防管理センター(CDC)のVictoria T. Chu氏らによる前向きコホート研究で示唆された。新型コロナウイルス感染症の感染経過における家庭での抗原検査とRT-PCRおよびウイルス培養の比較検討結果が、JAMA Internal Medicine誌オンライン版2022年4月29日号に報告された。  本研究は、2021年1~5月にカリフォルニア州とコロラド州で実施された。RT-PCRで感染が確認された成人と小児のうち、自己採取の家庭用抗原検査および、RT-PCR、ウイルス培養検査のための鼻咽頭スワブを少なくとも1回提供した人が対象。家庭用抗原検査は2021年3月31日に米国食品医薬品局から緊急使用許可を取得したラテラルフロー検査キット(QuickVue At-Home OTC COVID-19 Test)を使用した。

アルツハイマー病に対する抗認知症薬の安全性・有効性の比較~ネットワークメタ解析

 カナダ・トロント大学のAreti Angeliki Veroniki氏らは、アルツハイマー病(AD)のマネジメントにおいて、患者の特徴による抗認知症薬の有効性および安全性について、比較検討を行った。その結果、抗認知症薬の治療選択において、患者の特徴を十分に考慮する必要があることを報告した。BMJ Open誌2022年4月26日号の報告。  システマティックレビューおよび患者個々のデータ(IPD)を集めたネットワークメタ解析(NMA)を実施した。MEDLINE、Embase、Cochrane Methodology Register、CINAHL、AgeLine、Cochrane Central Register of Controlled Trialsより検索した(~2016年3月)。成人AD患者2万1,138例を含む80件のRCTおよび6,906例のIPDを含む12件のRCTが抽出された。治療内容は、抗認知症薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン)の単独または他の抗認知症薬やプラセボとの併用であった。著者、スポンサー、データ提供プラットフォームにIPDの提供を依頼した。IPDが利用できない場合には、集計データを用いた。研究の質の評価には、Cochraneのバイアスリスクツールを用いた。2段階ランダム効果IPD-NMAを実施し、結果の評価にはCINeMA(Confidence in Network Meta-Analysis)を用いた。主要アウトカムおよび副次アウトカムは、ミニメンタルステート検査(MMSE)による認知機能の評価および有害事象とした。

コロナ治療薬の効果、観察研究とRCTで一致するか/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬(ヒドロキシクロロキン、ロピナビル-リトナビル、デキサメタゾン)を評価した観察研究のメタ解析と無作為化臨床試験(RCT)のメタ解析を比較すると、4分の3以上で治療効果の要約が一致していることが、米国・イェール大学のOsman Moneer氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月10日号で報告された。  研究グループは、COVID-19の同じ治療薬や対照薬、アウトカムを評価した個別の観察研究とRCTまたはこれらの研究のメタ解析から、治療効果と人口統計学的データを系統的に同定し、これらをマッチさせて比較することで、観察研究とRCTの治療効果が一致するかを評価する目的で、メタ疫学研究を行った(著者の1人であるJoshua D. Wallach氏は、米国国立アルコール摂取障害・依存症研究所[NIAAA]の助成を受けた)。

公園の運動ではマスクは不要、電車内は必要/厚生労働省アドバイザリーボード

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、5月19日に第84回の会議を開催し、その中で和田 耕治氏(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学 教授)より「日常生活における屋外と、小児のマスク着用について」の資料が説明された。  不織布製マスクの着用は呼吸器感染症対策として、咳・くしゃみなどの症状のある人や会話の際に飛沫やエアロゾルの発散を低減させることを目的に推奨され、ある程度の飛沫やエアロゾルを吸い込むことを予防する効果もある。