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感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

緑膿菌肺炎、CFPM vs.TAZ/PIPC

緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)による肺炎では、タゾバクタム・ピペラシリン(TAZ/PIPC)とセフェピム(CFPM)が広く用いられているが、両薬を直接比較したデータは限られている。そこで、米国・University of Utah HealthのRaneem H. Pallotta氏らは、緑膿菌肺炎患者を対象に、TAZ/PIPCとCFPMの臨床アウトカムを比較した。その結果、TAZ/PIPCはCFPMと比較して30日死亡率の上昇と関連していた。本研究結果は、Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2026年9月2日号に掲載された。

感染性心内膜炎の治療期間は治療反応性により短縮できるか(解説:寺田教彦氏)

感染性心内膜炎(IE)では、原因微生物や弁の種類(自己弁・人工弁)などに応じて、培養陰性を確認後4~6週間を目安に抗菌薬治療が行われてきた1)。この左心系IEの治療期間に関する従来の推奨は、歴史的データや専門家の意見に依存する部分が大きく2)、ペニシリン感受性streptococcal IEなど限定された患者群では短期治療を検討したRCTが存在するものの、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、streptococciという主要な原因菌による安定化した左心系IEを対象に、治療反応に応じた短縮戦略と従来の標準治療期間を比較した大規模RCTは本研究以前になかった。

単純性膀胱炎へのセフェム、第3世代vs.第1/2世代~日本の4万例を解析

セフェム系薬は単純性膀胱炎に対して用いられるが、第3世代は第1/2世代と比べて経口バイオアベイラビリティが低く、臨床効果に差が生じる可能性がある。そこで、谷口 順平氏(東京大学)らは、日本のレセプトデータベースを用いて、女性の急性単純性膀胱炎に対する経口の第3世代セフェム系薬と第1/2世代セフェム系薬(セファレキシンまたはセファクロル)の有効性を比較した。その結果、経口の第3世代セフェム系薬は、セファレキシンやセファクロルと比較して、腎盂腎炎診断または抗菌薬の追加使用の複合アウトカムが多かった。ただし、この差は主に抗菌薬の追加使用によるもので、腎盂腎炎診断には差がなかった。本研究結果は、European Journal of Clinical Microbiology & Infectious Diseases誌オンライン版2026年8月7日号に掲載された。

今年も「ワクチン虎の穴セミナー」を開催/プライマリ・ケア連合学会

 日本では、今年も麻しん流行や肺炎球菌ワクチンのPCV20への変更など、感染症やワクチンに関係する話題が多い。また、海外ではハンタウイルス、エボラ出血熱などの再興感染症の流行も危惧されている。  こうした環境の中、「こどもとおとなのワクチンサイト」を運営する日本プライマリ・ケア連合学会 感染症委員会 ワクチンチームは、10月に医師・医療従事者向けに「ワクチン虎の穴セミナー」を開催する。

インフルで入院しやすい人、死亡リスクが高い人の特徴~メタ解析

 インフルエンザ患者における入院および死亡に関連するリスク因子を特定することは、臨床管理および公衆衛生戦略を策定するうえで重要である。今回、中国・Shandong University School of Public HealthのYa Gao氏らは、WHOインフルエンザ臨床ガイドラインの更新を支援する目的で、季節性インフルエンザ患者における入院および全死因死亡のリスク因子を系統的レビューおよびメタ解析で検討した。その結果、非重症例の入院の主要リスク因子として、65歳以上、免疫不全、心血管疾患、神経疾患、慢性呼吸器疾患が、重症例の全死因死亡の主要リスク因子として、2次細菌感染、栄養不良、敗血症、急性腎障害、65歳以上、慢性心血管疾患、悪性腫瘍、慢性神経疾患が示唆された。Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2026年9月8日号に掲載。

感染性心内膜炎、治療反応に基づく抗菌薬短縮は可能か/NEJM

 左心系の感染性心内膜炎に対し、臨床反応に基づく個別化抗菌薬治療(抗菌薬の早期中止が可能)は標準的な投与期間の抗菌薬治療と比較して、抗菌薬を必要としない生存期間を有意に延長させ、安全性は非劣性の基準を満たしたが、感染性心内膜炎または菌血症の再発率は高かった。デンマーク・コペンハーゲン大学のHenning Bundgaard氏らPOET II Investigatorsが「POET II試験」の結果を報告した。同疾患に対し、現在欧米で推奨されている最長6週間の抗菌薬治療は、無作為化試験というよりは、主に専門家の見解や過去の観察結果に基づいており、臨床反応に応じた戦略によって、安全性を損なわずに治療期間を短縮できるかは不明だという。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年8月28日号で発表された。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。

11月まで要警戒!「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」改訂

人類の多くが不快に感じる蚊。刺されれば、かゆみや腫れに悩まされる身近な存在である。一方で、蚊はデング熱やチクングニア熱などの感染症を媒介することがあり、ときに人の健康を脅かす「危険な存在」でもある。蚊は15~20℃で活動を始め、25~30℃で最も活発に行動するといわれている。近年は、気候変動などに伴う地球温暖化や残暑の長期化の影響を受け、国内におけるヒトスジシマカなどの生息域や活動期間も拡大しつつある。さらに、訪日外国人の増加などを背景に、海外から持ち込まれた蚊媒介感染症が国内で広がるリスクにも注意が必要である。

ピロリ菌感染、胆道がんや膵がんリスクとの関連は/愛知県がんセンターほか

胃がんの確立したリスク因子であるHelicobacter pylori(H. pylori)感染は、胆道がん(BTC)や膵がん(PC)にも関与する可能性が指摘されているが、これまでのエビデンスは一貫していない。また、生殖細胞系列病的バリアントがH. pylori感染と胃がんリスクとの関連を修飾する可能性がある一方、BTCやPCでの役割は明らかではない。そこで、愛知県がんセンター研究所の山本 清花氏らは、日本人集団を対象に、遺伝的感受性や生活習慣因子を考慮してH. pylori感染とBTCおよびPCリスクとの関連を検討した。その結果、BTCリスクとの有意な関連は認められなかったが、PCではH. pylori感染指標とリスクの関連が、発生部位によって異なる可能性が示された。本研究結果は、International Journal of Cancer誌オンライン版2026年7月14日号に掲載された。

手足口病の現状を解説/感染症クォータリーレポート

 ケアネットライブにて四半期に1回実施している感染症クォータリーレポート。9月9日に配信された2026年第3四半期の報告を期間限定で無料公開する。  感染症クォータリーレポートでは感染症専門医である国立国際医療センター・国際感染症センターの石金 正裕氏が、世界の病原微生物の流行状況を四半期ごとにレポートしている。  第3四半期では手足口病を取り上げる。  例年夏季にピークを迎える手足口病。2025年は低調だったが、今年は秋口にかけても発生が続く兆しがある。

インフルエンザで入院の小児、オセルタミビルはICU入室減と関連

 インフルエンザで入院した小児では、オセルタミビル(商品名:タミフル)の投与が集中治療室(ICU)入室リスクの低下と関連することが、新たな研究で明らかになった。米コロラド大学医学部およびコロラド小児病院のSuchitra Rao氏らによるこの研究結果は、8月10日付で「JAMA Pediatrics」に掲載された。  Rao氏は、「過去20年間で最も厳しいインフルエンザシーズンの1つを経験した後だけに、今回の結果は、インフルエンザで入院した小児を治療することの重要性を改めて強調している。われわれの研究結果から、オセルタミビルによる治療は、発症から2日を過ぎて開始してもクリティカルケアが必要となるリスクを低下させる可能性があることが分かった」と述べている。