感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

結核治療へのデジタル服薬支援の導入、治療成功率・脱落率を改善/BMJ

 薬剤感受性結核患者の治療において、多面的双方向性のデジタル服薬支援ツール「結核治療支援ツール(TB-TST)」は治療成功率および脱落率を改善させ、とくに若年層や女性でその効果が大きく、資源の限られた環境下での結核治療の服薬順守支援における実現可能性と有効性が示された。アルゼンチン・Instituto de Efectividad Clinica y SanitariaのFernando Rubinstein氏らが、ブエノスアイレスにある公立基幹病院4施設において実施したプラグマティックな無作為化比較試験の結果を報告した。著者は、「今後の研究では、アプリの利用状況、新型コロナウイルス感染症の流行などの状況的要因、費用対効果、および結核以外の慢性疾患の管理における本ツールの活用について評価すべきである」とまとめている。BMJ誌2026年8月6日号掲載の報告。

エイズ治療薬の真打ち登場!(解説:岡慎一氏)

「安定期の患者に対するイスラトラビル/レナカパビルの合剤週1回1錠療法が、現在の第1選択薬である1日1回1錠療法に非劣性を示した」という内容の論文である。1997年に強力な抗レトロウイルス薬併用療法が登場して、HIV感染者の予後が劇的に改善した。しかし、当時は、1日20錠の薬剤を5回に分けて服用する必要があった。副作用も強かった。それでも患者は我慢して飲み続けた。adherenceという言葉がはやったが、当然脱落者も少なくなかった。その後、抗HIV薬の改良は進み、2013年には1日1回1錠で治療できるようになった。1日1回服用のことをQDというが、さらに強調したSingle tablet regimen(STR)という造語が使われた。

HIV-1感染者、1日1回の標準治療から週1回配合剤への切り替えは?/Lancet

 ウイルス学的抑制を維持しているHIV-1感染者において、週1回投与の配合錠イスラトラビル/レナカパビル(ISL/LEN)は1日1回経口投与の標準治療に対して、有効性に関して非劣性であり、忍容性はおおむね良好であることが示された。米国・Cambridge Health AllianceのAmy E. Colson氏らISLEND-2 Study Teamが、日本を含む14ヵ国100施設で実施した第III相の非盲検無作為化実薬対照非劣性試験「ISLEND-2試験」の48週時点の主要解析の結果を報告した。著者は、「本試験の結果と、ISLEND-1試験(1日1回投与の配合錠ビクテグラビル/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド[B/F/TAF]と比較)の結果(ジャーナル四天王「HIV-1感染者への週1回配合剤、1日1回薬に非劣性/NEJM」2026年8月6日公開https://www.carenet.com/news/journal/carenet/63367)を併せたデータは、ISL/LENがHIV-1感染者への初となる週1回経口治療薬となりうることを示唆するものであった」と述べている。Lancet誌オンライン版2026年8月12日号掲載の報告。

インフルエンザワクチンの有効性、前シーズンの感染・接種歴で変動―17シーズン解析

 前シーズンのインフルエンザ感染歴は今シーズンのワクチン有効性(VE)を高め、前シーズンの接種歴はVEを減弱させることが、日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班の河合 直樹氏らによる日本での17シーズンにわたる前向きコミュニティベースコホート研究の解析で示された。今シーズン未接種者における罹患率(AR)は、前シーズン接種歴のある小児で14.0%、接種歴のない小児で8.6%と有意差が認められた(p<0.001)。研究成果はThe Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2026年7月11日付で発表された。 本研究は、日本で2002~03年シーズンから2018~19年シーズンにかけて実施された17シーズンにわたる前向きコミュニティベースコホート研究のデータを用いた解析である。

HIVの1次治療、ドラビリン含有レジメンの有効性と体重への影響/JAMA

 主にアフリカ系黒人成人に対する初回抗レトロウイルス療法(ART)として、ドラビリン(DOR)/ラミブジン(3TC)/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)は、ドルテグラビル(DTG)/エムトリシタビン(FTC)/テノホビル アラフェナミド(TAF)と比較し、48週時点のウイルス抑制効果に関して非劣性を示し、かつ体重増加がより少ないことが認められた。南アフリカ共和国・ウィットウォーターズランド大学のJoana Woods氏らが、研究者主導の無作為化非盲検非劣性試験「Opti-DOR試験」の結果を報告した。ARTの開始後、とくにTAF/DTGまたはビクテグラビルを含むレジメンにおいて著しい体重増加を伴うことがあり、HIV感染者の心代謝リスクを増大させる可能性がある。JAMA誌オンライン版2026年7月31日号掲載の報告。

SNAP試験:MSSA菌血症に対するセファゾリンの位置付けを変えるエビデンス(解説:小金丸博氏)

MSSA(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus)菌血症に対する治療では、長年、欧米を中心にflucloxacillin、クロキサシリン、nafcillinなどの抗ブドウ球菌用ペニシリン(antistaphylococcal penicillin:ASP)が標準治療として位置付けられてきた。一方、セファゾリンは広く使用されているものの、とくに重症感染症における有効性については、ASPと比較した質の高いエビデンスが十分ではなかった。この長年の臨床的疑問に対して、大規模ランダム化比較試験で答えを示したのがNEJM誌2026年6月18日号に報告された「SNAP試験」である。 本試験はMSSA菌血症患者を対象とした国際共同ランダム化比較試験であり、セファゾリン群671例とflucloxacillinまたはクロキサシリン群670例を比較した。

HIV-1感染者への週1回配合剤、1日1回薬に非劣性/NEJM

 ウイルス学的抑制を維持しているHIV-1感染者において、週1回投与の配合錠イスラトラビル/レナカパビル(ISL/LEN)は1日1回投与の配合錠ビクテグラビル/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド(B/F/TAF)に対して、HIVウイルス量の抑制維持に関して非劣性であることが示された。ドイツ・ボン大学病院のJurgen K. Rockstroh氏らISLEND-1 Study Teamが日本を含む12ヵ国106施設で実施した第III相の二重盲検無作為化実薬対照非劣性試験「ISLEND-1試験」の結果を報告した。1日1回投与の配合錠はHIV-1感染者の治療を一変させたが、服薬アドヒアランスに関する課題が効果を限定的なものとしていることから、研究グループは長期作用型経口薬との組み合わせが投与頻度を抑えた新たな治療選択肢となりうるかを検証した。NEJM誌オンライン版2026年7月29日号掲載の報告。

日本におけるVZV髄膜炎発生率、12年で3倍超に

 日本における水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)髄膜炎の発生率は、過去12年間で3倍超に増加していることが、東京大学の山形 直毅氏らによる研究で明らかになった。一方で、大多数の患者はアシクロビルの長期静注療法により治療され、退院時には転帰が良好であったことも示されている。Journal of the Neurological Sciences誌2026年9月15日号掲載の報告より。  本研究では、2011年4月~2023年3月にVZV髄膜炎と診断された1,680例を、日本の全国入院患者データベースであるDPCデータを用いて特定した。

新型コロナ・インフルワクチンの同時接種で有害事象は増えず

 この秋は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザの対策が一度で済むかもしれない。新たな研究で、新型コロナウイルスワクチン(以下、新型コロナワクチン)とインフルエンザワクチンを同時接種しても、インフルエンザワクチンのみを接種した場合と比べて安全上のリスクは増加しないことが示された。米ワシントン大学医学部および米VA St. Louis Health Care SystemのYan Xie氏らによるこの研究は、「Annals of Internal Medicine」に6月30日掲載された。  この研究では、米国の退役軍人(VA)約250万人の電子医療記録データを用いて、新型コロナワクチン(二価ワクチン、XBB対応ワクチン、およびKP対応ワクチン)とインフルエンザワクチンを同時接種した場合とインフルエンザワクチンを単独接種した場合とで、接種後90日以内の有害事象の発生について比較・評価した。

重症外傷患者へのビタミンC投与は死亡や敗血症リスクの低下と関連

 重症外傷患者に高用量のビタミンCを静脈内(IV)投与することで、死亡リスクや敗血症リスクが低下する可能性がある――新たなエビデンスレビューでこのような結果が示された。さらに、ビタミンCのIV投与によって集中治療室(ICU)在室日数や入院日数が短縮する可能性も示唆されたという。英NHS Academic Department of Military Trauma & OrthopedicsのNandesh Patel氏らによるこの研究結果は、6月30日付で「BMJ Military Health」に掲載された。研究グループは、「今回のレビューは、外傷患者の治療においてビタミンCのIV投与が果たす潜在的な役割を支持する、限定的ではあるが肯定的なエビデンスを示している」と記している。