放射線科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:15

高濃度乳房における超音波検査の有効性/乳癌学会

 マンモグラフィによる乳がん検診では、高濃度乳房で診断精度が低下することが問題視されている。一方、超音波検査は乳房構成に影響されずに腫瘍を描出できるため、マンモグラフィの弱点を補完できるものとして期待される。高濃度乳房の多い若年者(40代女性)の診断性向上を目指し、J-START試験が行われている。このJ-START試験の宮城県におけるコホートを解析した結果が、第25回日本乳癌学会学術総会において、東北大学 乳腺内分泌外科・東北医科薬科大学 乳腺・内分泌外科の鈴木 昭彦氏により発表された。

短期の放射線療法+テモゾロミドは、高齢膠芽腫患者の生存を延長(解説:中川原 譲二 氏)-667

高齢者の膠芽腫は予後不良である。70歳以下の患者では、標準放射線療法(60Gy/6週間)+テモゾロミドの追加により生存期間の延長が示されていた。一方、高齢患者にはより楽な短期の放射線療法が通常用いられているが、短期の放射線療法+テモゾロミド併用の有効性は不明であった。カナダ・オデットがんセンターのJames R Perry氏らは、65歳以上の初発膠芽腫患者を対象とした第III相無作為化試験によって、高齢の膠芽腫患者に対する短期の放射線療法+テモゾロミドは、放射線療法単独と比較して生存期間を延長させることを明らかにした(NEJM誌2017年3月16日号)。

PSA監視療法は手術、放射線治療よりも短期的にはQOLで優位(解説:榎本 裕 氏)-666

限局性前立腺がんの治療は大きく変化している。手術では、より侵襲の少ないロボット支援前立腺全摘除術(RARP)が普及している。放射線治療では、強度変調放射線照射(IMRT)によってより安全に高線量照射が可能になり、有害事象を増やすことなく治療成績が向上した。一方で、PSA監視療法(AS)は低リスク症例を中心に限局性前立腺がんの管理方法としての地位を確かなものにしている。

前立腺がんの3つの治療戦略、QOLに差はあるか/JAMA

 局所前立腺がんの3つの治療戦略(根治的前立腺全摘除術、外部照射療法、小線源療法)は、有害事象の発現パターンがさまざまであり、積極的監視療法と比較して2年後のQOLにほとんど差はないことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のRonald C Chen氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年3月21日号に掲載された。前立腺がん患者の余命は延長しており、個々の治療選択肢のQOLへの影響は、患者の意思決定プロセスにおける中心的な関心事項となっている。

短期放射線+テモゾロミド、高齢膠芽腫患者の生存を延長/NEJM

 高齢の膠芽腫患者に対する短期放射線療法+テモゾロミドは、短期放射線療法単独と比較して生存期間を延長させることが、カナダ・オデットがんセンターのJames R Perry氏らによる、65歳以上の初発膠芽腫患者を対象とした第III相無作為化試験の結果、明らかになった。膠芽腫は高齢が予後不良因子となる。これまでの研究では、標準放射線療法(60Gy/6週間)+テモゾロミド追加投与により、70歳以下の患者で生存期間の延長が示されていた。一方、高齢患者には短期放射線療法が用いられることも少なくないが、短期放射線療法+テモゾロミド併用の有効性は不明であった。NEJM誌2017年3月16日号掲載の報告。

小児がんサバイバー、放射線治療減少で新生物リスク低下/JAMA

 1990年代に診断を受けた小児がんサバイバーの初回診断後15年時の悪性腫瘍のリスクは、上昇してはいるものの、1970年代に診断されたサバイバーに比べると低くなっており、その主な要因は放射線治療の照射線量の減少であることが、米国・ミネソタ大学のLucie M Turcotte氏らの調査で明らかとなった。同氏らは、「現在も続けられている長期の治療毒性の軽減に向けた取り組みが、サバイバーの新生物罹患リスクの低減をもたらしている」と指摘する。JAMA誌2017年2月28日号掲載の報告。

ペースメーカー・ICD装着患者も安全にMRI検査が可能/NEJM

 ペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)を装着した患者へのMRI検査の実施は、長らく禁忌とされてきたが、検査前後の動作確認と、検査前の適切な再プログラミングを行うことで、磁場強度1.5テスラのMRIは安全に実施可能なことが判明した。MRI検査中の死亡や心室性不整脈や装着機器の故障は、いずれも認められなかった。米国・スクリプス研究所のRobert J Russo氏らが、ペースメーカーやICDを装着する1,500例を対象に行った前向き試験で明らかにしたもので、NEJM誌2017年2月23日号で発表した。

低線量CT、放射線曝露によるがん誘発リスクは?/BMJ

 10年間にわたる低線量CT肺がんスクリーニングの、累積放射線被曝量とがん発生生涯寄与危険度との関連について調べた結果、スクリーニングで肺がんを108件検出するにつき1件の放射線被曝誘発の主要がんが発生する可能性が報告された。イタリア・European Institute of OncologyのCristiano Rampinelli氏らが、50歳超の男女5,203例を対象に行った試験の2次分析から明らかにした。低線量CT肺がんスクリーニングは、胸部X線によるスクリーニングに比べ、肺がんの検出に有効であることは知られているが、CTの電離放射線による過剰がんリスクは大きな懸念材料である。BMJ誌2017年2月8日号掲載の報告より。

再発前立腺がん、放射線+抗アンドロゲン療法で全生存率上昇/NEJM

 救済放射線療法にビカルタミド150mg/日経口投与を24ヵ月間併用することにより、放射線療法+プラセボと比較し、12年全生存率が有意に上昇するとともに、転移性前立腺がん発生率や前立腺がん死亡率が有意に低下した。米国・マサチューセッツ総合病院のWilliam U Shipley氏らが、前立腺摘除術後再発に対する抗アンドロゲン療法長期併用の有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(RTOG 9601試験)の結果を報告した。根治的前立腺摘除術後の前立腺特異抗原(PSA)再発には救済放射線療法が行われるが、約半数は後に疾患進行を認める。ビカルタミド150mg/日経口投与は前立腺がんに有効であることが知られているが、放射線療法との併用が、がんのコントロールをさらに改善し、長期的に全生存期間を延長するかどうかは明らかにされていなかった。NEJM誌2017年2月2日号掲載の報告。