再発前立腺がん、放射線+抗アンドロゲン療法で全生存率上昇/NEJM

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再発前立腺がん、放射線+抗アンドロゲン療法で全生存率上昇/NEJMのイメージ

 救済放射線療法にビカルタミド150mg/日経口投与を24ヵ月間併用することにより、放射線療法+プラセボと比較し、12年全生存率が有意に上昇するとともに、転移性前立腺がん発生率や前立腺がん死亡率が有意に低下した。米国・マサチューセッツ総合病院のWilliam U Shipley氏らが、前立腺摘除術後再発に対する抗アンドロゲン療法長期併用の有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(RTOG 9601試験)の結果を報告した。根治的前立腺摘除術後の前立腺特異抗原(PSA)再発には救済放射線療法が行われるが、約半数は後に疾患進行を認める。ビカルタミド150mg/日経口投与は前立腺がんに有効であることが知られているが、放射線療法との併用が、がんのコントロールをさらに改善し、長期的に全生存期間を延長するかどうかは明らかにされていなかった。NEJM誌2017年2月2日号掲載の報告。

前立腺摘除術後PSA再発患者760例を無作為化し、全生存率を評価
 研究グループは、1998~2003年の間に、初期治療としてリンパ節郭清を伴う前立腺全摘除術(病理検査はステージT2:腫瘍が前立腺内に限局しているが切徐断端陽性、T3:腫瘍が前立腺被膜の外へ進展)を受け、術後8週以降にPSA値が0.2~4.0ng/mLかつリンパ節転移陰性であった患者760例を、放射線療法+抗アンドロゲン療法(ビカルタミド150mg/日経口投与、24ヵ月間)を行う群(ビカルタミド併用群)と、放射線療法+プラセボ併用投与を行う群(対照群)に1対1の割合で無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、全生存率とした。

放射線療法+ビカルタミド2年間併用で、全生存率が上昇
 患者の年齢中央値は65歳、試験登録時のPSA中央値は0.6ng/mL、生存患者における追跡期間の中央値は13年であった。

 追跡期間12年時点の生命表法による全生存率は、ビカルタミド併用群76.3%に対し、対照群71.3%であった(死亡に関するハザード比:0.77、95%信頼区間[CI]:0.59~0.99、p=0.04)。中央評価による12年時点の前立腺がん死亡率はビカルタミド併用群5.8%、対照群13.4%(p<0.001)、転移性前立腺がん累積発生率はそれぞれ14.5%、23.0%であった(p=0.005)。

 放射線療法関連晩期有害事象の発現率は、両群で同程度であった。女性化乳房は、ビカルタミド群で69.7%にみられたのに対し、対照群では10.9%であった(p<0.001)。

 本試験が開始されてから20年が経過した現在、ビカルタミドに替わりゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストが放射線療法と併用する内分泌療法の第1選択となっており、ビカルタミドの150mg/日経口投与はこの治療目的に関して承認されていないが、「本試験は、救済放射線療法と抗アンドロゲン療法の併用が、前立腺がんの転移率や死亡率の有意かつ臨床的に重要な低下と関連していることを証明するものである」と著者は述べている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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