小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:11

抗インフル薬、国内で最も処方頻度が高いのは?/NCGM国府台病院

 国立国際医療研究センター(NCGM)国府台病院総合内科の酒匂 赤人氏らの研究グループと国立国際医療研究センター病院は共同でわが国の全国規模のインフルエンザ診療の実態を調べ、その結果を報告した。  研究報告によると2017年度の抗インフルエンザ治療薬処方人数は1,339万例で、薬剤費は480億円。2018年度では処方患者数の約38%を20歳未満が占め、5~9歳では4例に1例が処方された計算だった。PLoS One誌2023年10月4日号の報告。

医師が不足を痛感している医薬品は?緊急アンケート結果/日本医師会

 医薬品不足が止まらない。厚生労働省は9月29日に『鎮咳薬(咳止め)・去痰薬の在庫逼迫に伴う協力依頼』の事務連絡を出し、各医療機関、薬局および医薬品卸売販売業者に対して現況の周知を依頼する事態が起きている。医療ジャーナリストの村上 和巳氏もこの医薬品不足が処方医においても他人事ではないことを訴え、CareNet.comの連載『第182回:鎮咳薬・去痰薬不足、医師が知っておきたい“患者対応Q&A”』で取り上げて、昨今の医薬品不足の背景や今後の見込みなど、患者が処方医に尋ねそうな質問と模範回答を10項目列挙している。

牛乳を飲むほど骨折が増える?ヨーグルトやチーズは?

 乳製品摂取量と大腿骨近位部骨折の発生リスクとの関連を調べた用量反応メタ解析の結果、牛乳摂取量の増加は骨折リスクの増大と関連するものの、ヨーグルトとチーズは摂取量が多いほど骨折リスクが低減したことを、米国・メリーランド大学のSuruchi Mishra氏らが報告した。Journal of Nutritional Science誌2023年9月11日号の報告。  これまで、牛乳摂取は骨折の頻度を減少させ、死亡リスクも低下させるという報告がある一方で、牛乳摂取量が多い人ほど骨折率や死亡率が高いという報告もあり、一貫性はない。そこで研究グループは、乳製品の摂取と大腿骨近位部骨折の発生リスクを評価するために用量反応メタ解析を実施した。

有病率の高い欧州で小児1型糖尿病発症とコロナ感染の関連を調査(解説:栗原宏氏)

本研究で対象となっている小児1型糖尿病は、発症率に人種差があり白人に非常に多い。欧州全般に発症者は多く、とくに多い北欧諸国、カナダ、イタリアのサルディニアでは年間約30/10万人と日本(1.4~2.2/10万人)に比して10倍以上の違いがある。1歳ごろに膵島細胞への自己抗体が発生するピークがあり、10年以内に臨床的な糖尿病を発症する。自己抗体の発生原因は不明ながら、呼吸器系ウイルス感染が関与している可能性があるとされている。

アトピー性皮膚炎の成人・小児はIBD高リスク

 アトピー性皮膚炎(AD)の小児および成人は、炎症性腸疾患(IBD)のリスクが高く、そのリスクは年齢、AD重症度、IBDの種類によって異なることが、米国・ペンシルベニア大学医学大学院のZelma C. Chiesa Fuxench氏らによる住民ベースのコホート研究で明らかにされた。これまで、ADとIBDの関連に関するデータは一貫性がなく、ADまたはAD重症度と潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)リスクとの関連を個別に検討した研究はほとんどなかった。著者は、「今回示された所見は、ADとIBDの関連について新たな知見を提供するものである。臨床医は、とくにADと消化器症状が合併する可能性がある患者に対してADの全身治療を行う際に、これらのリスクに留意する必要がある」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年8月30日号掲載の報告。

30年間のADHD実態調査~世界疾病負担研究の再分析

 注意欠如多動症(ADHD)の罹患率、有病率、負担に関するデータは、臨床医、患者およびステークホルダーにとって非常に重要である。英国・サウサンプトン大学のSamuele Cortese氏らは、1990~2019年の世界および各国のADHD罹患率、有病率、負担を調査した世界疾病負担研究(GBD)のデータについて、再分析を実施した。その結果、GBDはADHDの罹患率、有病率、負担に関する時間的傾向、地理的傾向、性差の最も詳細なエビデンスを示しているが、ADHDの有病率および負担については過少評価している可能性が示唆された。Molecular Psychiatry誌オンライン版2023年9月8日号の報告。

小児の急性副鼻腔炎、クラブラン酸・アモキシシリンvs.アモキシシリン/JAMA

 急性副鼻腔炎の小児患者における外来での経験的抗菌薬治療では、アモキシシリンと比較してクラブラン酸・アモキシシリンは、治療失敗の割合には差がないものの、消化器症状やイースト菌感染のリスクが高いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のTimothy J. Savage氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2023年9月19日号に掲載された。  本研究は、米国の全国的な医療データベースを用いたコホート研究であり、年齢17歳以下の急性副鼻腔炎の新規外来患者で、診断の同日にクラブラン酸・アモキシシリンまたはアモキシシリンの処方を受けた患者を対象とした(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。

XBB.1.5対応コロナワクチン、新規剤形を申請/ファイザー

 ファイザーとビオンテックは9月29日付のプレスリリースにて、オミクロン株XBB.1.5系統対応新型コロナウイルス感染症(COVID-19)1価ワクチンの新規の剤形について、厚生労働省に承認申請したことを発表した。  今回申請した新規の剤形は以下のとおり。 ・12歳以上用:プレフィルドシリンジ製剤(希釈不要) ・5~11歳用:1人用のバイアル製剤(希釈不要) ・6ヵ月~4歳用:3人用のバイアル製剤(要希釈)  また、12歳以上用の1人用バイアル製剤(希釈不要)については2023年9月1日に承認を取得している。  これらの製剤は2024年以降の接種に向けたものであり、2023年9月開始の予防接種法上の特例臨時接種において使用されることはない。

小児低悪性度神経膠腫の1次治療、ダブラフェニブ+トラメチニブが有効か/NEJM

 BRAF V600変異陽性の小児低悪性度神経膠腫患者の1次治療において、標準化学療法と比較してダブラフェニブ(BRAF V600変異を標的とする選択的阻害薬)とトラメチニブ(MEK1/2阻害薬)の併用は、奏効割合と無増悪生存期間(PFS)が有意に優れ、安全性プロファイルも良好であることが、カナダ・トロント大学のEric Bouffet氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2023年9月21日号で報告された。  本研究は、日本を含む20ヵ国58施設で実施された非盲検無作為化第II相試験であり、2018年9月~2020年12月の期間に参加者の無作為化を行った(Novartisの助成を受けた)。

ディズニープリンセスが子どものセルフイメージに与える影響は?

 ディズニープリンセスが子どものセルフイメージ(自己認識)に与える影響について心配する親は少なくないかもしれない。しかし、米カリフォルニア大学デービス校のJane Shawcroft氏らによる新たな研究で、“Let it go(何もしないでおく)”で良いとする結果が示された。この研究結果は、「Psychology of Popular Media」に8月24日掲載された。  Shawcroft氏は、「子ども向けメディアに登場するキャラクターの約60%は男性や少年だ。ディズニープリンセスは、おそらく女性や少女のキャラクターとその物語に焦点を当てた子ども向けのメディアの中で、特によく知られているものの一つだろう」と話す。そして、「ディズニープリンセスは、体型がやせ過ぎている点やジェンダー・ステレオタイプが強調され過ぎている点がしばしば批判の対象になる。しかし、われわれはメディアを取り巻く状況をより幅広く考慮した上で、そこに認められる微妙な差異や子どもたちに与える影響について考えたかった」と研究背景について説明する。