腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

超加工食品の大量摂取でがんサバイバーの死亡リスクが上昇か

 がんを克服することは容易ではないが、超加工食品を多く含む食事は、がんサバイバーの将来的な健康を損なう可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。超加工食品の摂取量が最も多いがんサバイバーは、最も少ないがんサバイバーに比べて、がんによる死亡リスクが57%高いことが示されたという。IRCCS Neuromed(イタリア)の疫学・予防研究者であるMarialaura Bonaccio氏らによるこの研究結果は、「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」に2月4日掲載された。  Bonaccio氏は、「がんと診断された後に何を食べるかは生存に影響を与える可能性があるが、これまでの研究は主に栄養素に焦点を当てており、食品の加工度には注目していなかった。食品の工業的加工に関わる物質は代謝プロセスに干渉し、腸内細菌叢を乱し、炎症を促進する可能性がある。

乳がん検診、超音波併用で長期罹患率低下(J-START)/Lancet

 日本人女性における乳がん罹患率は40歳以降に著しく増加する。マンモグラフィは死亡率の低下が証明されている唯一の乳がん検診の方法だが、高濃度乳房の女性では、病変が乳腺に隠れマンモグラフィの感度が低下するとされ、40~49歳の日本人女性の約60~70%が高濃度乳房組織を有するという。一方、補助的超音波検査は高濃度乳房でも病変を描出する可能性があり、検診の感度とがん検出率を向上させることが示されている。

アミバンタマブ・ラゼルチニブ併用時のアピキサバン、使用上の注意改訂/厚労省

 厚生労働省は2026年3月6日、アミバンタマブ、アミバンタマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ、ラゼルチニブメシル酸塩水和物、アピキサバンの添付文書について、改訂を指示した。改訂内容は、アミバンタマブとラゼルチニブの併用投与時において、静脈血栓塞栓症の発症抑制を目的としてアピキサバンを投与する場合の腎機能障害患者に対する注意喚起の追加である。アピキサバンは、腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者には禁忌であることから、使用上の注意の改訂が適切と判断された。

胃がんリスク因子の年齢別解析、ピロリ感染と喫煙が高齢で増加

胃がんは依然として世界的ながん死亡の主要な原因の1つであり、その発症には感染、生活習慣、遺伝など複数の要因が関与する。中国の病院を対象とした後ろ向き研究により、胃がん患者におけるリスク因子の分布が年齢層によって異なる可能性が示された。Frontiers in Oncology誌オンライン版2026年1月22日号掲載の報告。 本研究では、中国南部の複数の3次医療機関で診断された胃がん患者903例を対象とし、アンケート調査により生活習慣や臨床背景に関する情報を収集した。解析対象は、18~30歳(50例)、31~55歳(163例)、56歳以上(690例)の3つの年齢群に分類された。評価項目には、Helicobacter pylori(H. pylori)感染、喫煙歴、肥満、萎縮性胃炎、食習慣、既往歴、胃がん家族歴などが含まれた。

定位放射線、5個以上の脳転移で症状負担・日常生活機能を改善/JAMA

 米国・ダナファーバーがん研究所のAyal A. Aizer氏らは、5~20個の脳転移を有するがん患者において、定位放射線照射(stereotactic radiation:STR)が海馬回避全脳照射(hippocampal-avoidance whole brain radiation:HA-WBR)と比較して、生活の質の重要な要件である症状負担と日常生活機能への支障を有意に改善することを示した。がん患者では脳転移が高頻度にみられるが、血液脳関門が薬剤の通過を阻害するため一般に放射線治療が行われる。脳転移が4個以下の患者では腫瘍に限定して集中照射するSTRが標準とされるが、5個以上の場合の標準治療は確立されていない。もう1つの選択肢である全脳照射は、認知機能障害を来すリスクがあるが、記憶に重要な海馬領域への照射を控えたHA-WBRが開発されていた。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年2月19日号に掲載された。

若年成人のがん、唯一死亡率が増えているのは?

 若年成人におけるがん罹患率の増加を報告する研究は多数存在するが、検出バイアスの影響を受けにくい死亡率ではどうか。50歳未満の人々における主要5大がんの死亡率の変化を検証した研究結果が、JAMA誌オンライン版2026年1月22日号 「Research Letter」に掲載された。  米国がん協会(アトランタ)のRebecca L. Siegel氏らは、米国健康統計センター(NCHS)の死亡証明データから、1990〜2023年に50歳未満でがん死に至った約127万件を解析した。主要5大がん(大腸がん、肺がん、乳がん、白血病、脳腫瘍)を中心に、年間死亡数および10万人当たりの年齢調整死亡率の推移を評価した。

全国データで見えた舌がんの実像

 舌がんは、舌に発生する口腔がんの一つで、進行すると発話や嚥下に大きな影響を及ぼす。日本では舌がんの全国的な動向は十分に把握されてこなかったが、今回、全国レセプトデータを用いた解析により、舌がんが女性の特定年齢層で増加している可能性が示された。研究は、稲毛病院整形外科の城戸優充氏、京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室の辻川敬裕氏らによるもので、詳細は1月18日付で「Cancer Medicine」に掲載された。

4価HPVワクチン、浸潤性子宮頸がんリスクを長期抑制/BMJ

 4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種により浸潤性子宮頸がんリスクは有意に低下し、その予防効果は長期追跡期間を通じて持続しており減衰の兆候は認められなかった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のShiqiang Wu氏らが、同国の全国的な登録データを用いて最長18年間追跡したコホート研究の結果を報告した。本研究では、出生コホート別の評価において、最も若い学校ベースコホート(1999~2001年生まれ)が最も年長の機会的コホート(1985~88年生まれ)と比べて発生率が低かったことも示された。2006年に4価HPVワクチンが導入されているが、HPVワクチン接種後の浸潤性子宮頸がんの長期リスクに関するデータは依然として限られており、HPVワクチン効果の持続性を評価するための長期追跡研究が求められていた。BMJ誌2026年2月25日号掲載の報告。

第23回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2026

 日本臨床腫瘍学会は、2026年2月28日にプレスセミナーを開催し、3月26~28日に横浜で開催される第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)の注目演題などを紹介した。  今回のテーマは「Medical Oncologists for Cancer Patients」。これは、2025年9月19日に「がん薬物療法」領域が日本専門医機構によりサブスペシャルティ領域として正式に承認されたことを受けて、もう一度学会としてどのようにメディカルオンコロジスト(腫瘍内科医)を育成すべきかを考えるという意図が込められている。なお、がん薬物療法専門医は2025年4月1日時点で1,825人が認定されている。

大腸がん術後の運動プログラム、初のガイドライン推奨に/ESMO

 欧州臨床腫瘍学会(ESMO)は、2026年1月27日付で、術後の局所進行大腸がん患者に対し、術後の「構造化された身体的運動プログラム」を臨床的介入として正式に推奨するガイドライン更新を発表した。従来から、がん患者の生存改善に運動が寄与するとの報告はあったものの、明確なエビデンスを基に治療ガイドラインにおける正式な推奨となったのは初めて。  今回のガイドライン更新の根拠となったのは、カナダの治験グループが実施したCHALLENGE試験。StageⅢおよび高リスクStageⅡ大腸がんに対する構造化された運動プログラムが無病生存期間(DFS)を有意に改善し、全生存期間(OS)の有意な延長をもたらすことを示した。この結果は2025年の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2025)で発表されると同時にNEJM誌に掲載され1)、話題を集めた。