腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

ロミプロスチムがCITによる化学療法の減量・延期を回避/NEJM

 化学療法を受けた患者で多くみられる化学療法誘発性血小板減少症(CIT)を有する患者に、ロミプロスチムが有効であることが示された。米国・マサチューセッツ総合病院のHanny Al-Samkari氏らが、14ヵ国で実施した多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「RECITE試験」の結果を報告した。CITは出血や相対用量強度の低下と関連し、予後の悪化につながる可能性があるが、広く利用可能な承認薬は存在していなかった。NEJM誌2026年3月12・19日合併号掲載の報告。

がん関連VTE発症予測に包括的ゲノムプロファイリングは有用か/日本循環器学会

がん患者における重要な心血管合併症の1つに静脈血栓塞栓症(VTE)があり、2023年に公開されたASCO Guidelineにおいても、このようなVTEの高リスク患者への1次予防が推奨されている。しかし、がん関連VTEの発症を正確に予測できるモデルは現段階では確立されていない。そこで今回、中村 栞奈氏(京都大学医学部附属病院 循環器内科)がVTE発症の予測として包括的ゲノムプロファイリングを用いた最新知見について、3月20~22日に開催された第90回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Cohort Studies 1において報告した。なお、本結果はJournal of thrombosis and haemostasis誌オンライン版2026年3月20日号に同時掲載された。

HR+/HER2-/PIK3CA野生型進行乳がん、gedatolisibベースの治療でPFS改善(VIKTORIA-1)/JCO

CDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬による治療後に進行したHR+/HER2-/PIK3CA野生型の進行乳がんを対象に、PI3K/AKT/mTOR(PAM)経路を包括的に阻害するgedatolisib+フルベストラント±パルボシクリブ併用療法とフルベストラント単剤療法を比較した第III相VIKTORIA-1試験の結果、gedatolisibベースの併用療法は無増悪生存期間(PFS)において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善をもたらしたことを、米国・ワシントン大学のSara A. Hurvitz氏らが明らかにした。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年3月9日号掲載の報告。

乳がん術後放射線療法におけるリンパ浮腫、3週間照射vs.5週間照射/Lancet

 早期乳がんの術後放射線療法について、3週間照射(総線量40Gyを15回に分割して照射:寡分割照射)は5週間照射(総線量50Gyを25回に分割して照射:通常分割照射)に対して、腕のリンパ浮腫リスクに関して非劣性であり、その他の晩期正常組織への影響に関する安全性は同等であることが、フランス・Institut Gustave RoussyのSofia Rivera氏らHypoG-01 trialistsによる「UNICANCER HypoG-01 試験」の、5年追跡時点の結果で示された。3週間で行う寡分割照射は全乳房放射線療法の標準となっているが、多くの国では、リンパ節照射を必要とする場合はリンパ浮腫などの合併症リスクや有効性への懸念から依然として5週間で行う通常分割照射が標準となっている。UNICANCER HypoG-01試験では、3週間照射と5週間照射を比較し、リンパ浮腫の発症率および有効性を評価した。Lancet誌2026年3月7日号掲載の報告。

子宮頸がん検診、受診率は制度で変わる? 東京都51自治体解析

 日本では子宮頸がんの罹患が増加する一方、検診受診率の低さが課題となっている。今回、東京都内の51自治体を対象とした研究で、検診受診率には大きな地域差があり、医療機関数や予約制度、HPV検査導入などの制度的要因が関連していることが示された。研究は、東京科学大学公衆衛生看護学分野の原田伊織氏、月野木ルミ氏らによるもので、詳細は1月21日付で「The Asian Pacific Journal of Cancer Prevention」に掲載された。  日本では1990年代半ば以降、子宮頸がんの罹患率・死亡率が上昇しているにもかかわらず、検診受診率は欧米に比べ低い状況が続いている。

再発・難治性の濾胞性リンパ腫治療薬タファシタマブを発売/インサイト・ジャパン

 インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンは、「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」の適応で、タファシタマブ(遺伝子組換え)(商品名:ミンジュビ)を2026年3月18日に発売したことを発表した。タファシタマブとリツキシマブおよびレナリドミドの併用療法は、再発・難治性のFLに対する日本初のCD19およびCD20の両方を標的とした免疫療法となる。

術後ホルモン療法追加で、前立腺がんの予後は改善するか/Lancet

 限局性前立腺がんの治療において、根治的放射線療法へのホルモン療法の追加は全生存期間(OS)を改善するが、根治的前立腺全摘除術後の術後放射線療法(PORT)にホルモン療法を加えた場合に、同様のOSの改善効果が得られるかは明らかでない。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAmar U. Kishan氏らは「POSEIDON試験」において、PORTにホルモン療法を追加してもOSは改善しないが、PORT前のPSA値が1.6ng/mL超の患者では、長期(24ヵ月)ホルモン療法を加えることでOSの向上が得られる可能性があることを示した。研究の成果は、Lancet誌2026年3月14日号で報告された。

乳がん周術期化学療法後に長期持続する有害事象、患者報告アウトカムで明らかに~日本の前向き研究

 乳がん周術期化学療法終了後、末梢神経障害、味覚異常、不眠、爪脱落が6ヵ月以上持続することが、患者報告アウトカム(PRO)に基づく質問票を用いた前向き観察研究で明らかになった。日本医科大学の藤井 孝明氏らがCancer Diagnosis & Prognosis誌2026年3月1日号で報告した。  本研究は、2016年1月~2023年3月に群馬大学でドセタキセル/シクロホスファミド療法(TC)またはアントラサイクリン系とタキサン系併用療法(A+T)による周術期化学療法を受けた手術可能な原発性乳がん患者を対象に、化学療法後の有害事象の長期経過を評価した。

がん患者の心血管疾患リスクに糖尿病が影響か

 がん治療の進歩により、生存期間が延びる患者が増える一方で、治療後に心血管疾患(CVD)を発症するリスクが新たな課題として注目されている。しかし、どのような患者がCVDを発症しやすいのかは、十分に明らかになっていない。今回、大阪府の大規模がん登録データを用いた解析で、がんの初回診断時に糖尿病を併存する患者では、CVDの新規発症および全死亡リスクが有意に高いことが示された。研究は、大阪国際がんセンターがん対策センターの桒原佳宏氏、宮代勲氏らによるもので、詳細は1月22日付で「PLOS One」に掲載された。