医療一般|page:301

うつ、不安、睡眠の質に対する「お笑い介入」~メタ解析

 うつ病や不安症状の治療に対し、ネガティブな感情を減少させるための介入が求められており、お笑いやユーモアを用いた介入(お笑い介入)は、安全かつ便利で、患者と医療従事者との関係を良好に保つことが期待される介入方法である。成人のうつ病、不安および睡眠の質に対するお笑い介入の効果を定量化するため、中国・吉林大学のJinping Zhao氏らが検討を行った。Journal of Advanced Nursing誌オンライン版2019年3月18日号の報告。

肺がんの予後、正常組織の肺マイクロバイオームと関連

 腸内フローラなどとともに注目されている“ヒトマイクロバイオーム”が、肺がん予後に関わるという興味深い知見が示された。ヒトマイクロバイオームは、局所の発がんまたはがん進行に寄与する可能性のある多くの機能を有しているが、これまで肺がんの予後と肺マイクロバイオームとの関連は知られていなかった。米国・ニューヨーク大学のBrandilyn A. Peters氏らは、予備研究として少数例で解析を行い、正常な肺マイクロバイオームが肺がんの予後と潜在的に関連していることを初めて明らかにした。

がんサバイバーのオピオイド使用、米国での実態/JCO

 オピオイド依存が深刻な米国では、疼痛マネジメントへの懸念も高いようだ。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのTalya Salz氏らは、「がんサバイバーは、オピオイド関連被害を受けるリスクが高い可能性がある」として、オピオイドの継続的使用と高用量使用について、大腸がん、肺がん、乳がんの高齢がんサバイバーと非がん対照集団の比較解析を行った。これまで、診断後のオピオイド使用の経時的傾向は知られていなかったという。

新たな経皮・経中隔的僧帽弁置換術による初の試験結果【Dr.河田pick up】

 重症僧帽弁逆流症は、心不全などを引き起こし、死亡とも関連する。しかしながら、開心術による弁の置換や修復の候補とならない患者も存在する。経カテーテルによる僧帽弁修復は、解剖学的に適した患者であれば安全で有効な手段であるが、多くの患者は解剖学的に適さず、修復が難しかったり、不成功や一時的なものであったりする。本研究は経皮・経中隔的僧帽弁置換術の実用性について評価したもので、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のJohn G. Webb氏らがJournal of American College of Cardiology誌2019年3月号に発表した。なお、複数の著者は、今回の研究で用いられた人工弁を提供したEdwards Life Science社からコンサルフィーや研究サポートフィーを受けている。

長期PPI使用と認知症リスク

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)と認知症リスクの潜在的な関連性については、相反するデータが報告されている。台湾・国立台湾大学のShih-Tsung Huang氏らは、高齢者におけるPPI使用とその後の認知症リスクの関連について検討を行った。Clinical Pharmacology and Therapeutics誌オンライン版2019年3月12日号の報告。  混合軌跡モデリング(group-based trajectory modeling)を用いて、3年以上の長期PPI使用に関して異なるグループを特定し、5年のフォローアップ期間におけるPPI使用と認知症との関連を調査した。

タファミジス、ATTR-心アミロイドーシスに適応追加/ファイザー

 ファイザー株式会社は、2019年3月26日、タファミジス(商品名:ビンダケル)に関して、新たな適応症として「トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)に対する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。  ATTR-心アミロイドーシスは、トランスサイレチン(TTR)という4量体のタンパク質が加齢(野生型)や遺伝変異(変異型)により単量体に解離して変性が起こることによりアミロイド線維が形成され、全身の組織内へ沈着することが原因で障害が生じる疾患。

母親の産後うつが子供の言語発達を遅らせるか

 母親の後期発症型の産後うつは子供の言語発達遅滞を引き起こす可能性があることが、浜松医科大学子どものこころの発達研究センターの青柳 早苗氏らの研究によって明らかになった。PeerJ誌2019年3月号に掲載。  母親の産後うつにさらされることが乳児の言語発達遅滞に関与するということは示唆されている。しかし、言語発達の遅れが幼児期まで持続するのか、また早期発症型の産後うつ(産後4週間以内)と後期発症型の産後うつ(産後5~12週間)のどちらが言語発達遅滞に関与しているかについては明らかではなかった。

NSCLC:ニボルマブ治療後のドセタキセル・ラムシルマブ併用の有効性

 免疫療法後の化学療法による有効性を評価した論文が、わが国で初めて報告された。  今回、埼玉医科大学国際医療センターの塩野 文子氏らによる後ろ向き研究では、非小細胞肺がん(NSCLC)患者における抗PD-1抗体ニボルマブの非奏効例に対し、ドセタキセルとラムシルマブを併用投与した場合、ニボルマブ投与なしのレジメンと比較して高い奏効率が得られた。Thoracic Cancer誌オンライン版2019年2月27日号に掲載。

急性アルコール摂取による負傷リスク、男女で差

 飲酒による負傷リスクについて、性別、飲酒頻度、負傷の原因(交通事故、暴力、転倒など)によって違いがあるかを、米国・Alcohol Research GroupのCheryl J. Cherpitel氏らが、分析を行った。Alcohol and Alcoholism誌オンライン版2019年3月11日号の報告。  イベント後6時間以内に救急部(ED)に搬送された負傷患者1万8,627例についてケース・クロスオーバー分析を行った。

日本抗加齢医学会がウェブマガジン創刊

 一般社団法人 日本抗加齢医学会(理事長:堀江 重郎)は、「学術総会の発表内容」や「学会誌コンテンツ」、同学会の特徴である8つの専門領域分科会(日本抗加齢医学会の専門分科会:眼抗加齢医学研究会、抗加齢歯科医学研究会、見た目のアンチエイジング研究会、抗加齢ウィメンズヘルス研究会、抗加齢内分泌研究会、泌尿器抗加齢医学研究会、脳心血管抗加齢研究会、運動器抗加齢研究会)で話題となっているトピックスを広く発信することを目的に4月1日(月)にウェブマガジンを創刊した。

ivabradineのHFrEF患者への投与、日本人でも有用(J-SHIFT)/日本循環器学会

 慢性心不全では、高い心拍数が心血管系イベントの独立したリスク因子となる。既存薬による治療を行っても心拍数の高い患者において、HCN(Hyperpolarization-activated Cyclic Nucleotide-gated)チャネル阻害薬ivabradineの上乗せ投与の有用性・安全性が検証された。2019年3月29~31日に横浜で開催された、第83回日本循環器学会学術集会で、日本人HFrEF(左室駆出率が低下した心不全)患者を対象とした第III相J-SHIFT試験の結果を、九州大学大学院医学研究院循環器内科学 筒井 裕之氏が発表した。

ソーシャルロボットによる高齢者の認知機能検査の信頼性と受容性

 近年、人間とコミュニケーションを交わし生活をサポートするソーシャルロボットの開発が進んでいる。ソーシャルロボットは医療業界ではどのような活躍が期待できるであろうか。信州大学のTakaeda Kana氏らは、高齢者の認知機能検査へのアクセスを改善するため、ロボットを使った音声による検査の信頼性と受容性を検討した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2019年3月18日号に掲載。  本研究ではソーシャルロボットを用いて、老人ホームとデイケア施設から募集された参加者に対して電話を通した認知機能スクリーニングツールであるTelephone Interview for Cognitive Status日本語版を実施した。

体形とうつ病発症リスクとの関連

 肥満はうつ病と関連しているといわれている。肥満の一般的な指標としてBMIが用いられるが、BMIは身長と体重を組み合わせた指標である。そのため、体の寸法やサイズのどの部分が最も関連しているかはよくわかっていない。米国・トゥルーマン州立大学のJeffrey R. Vittengl氏は、体形とうつ病との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年3月5日号の報告。

こんなにある子供の便秘サイン

 2018年3月18日、EAファーマ株式会社は、「大人が知らない『子供の慢性便秘症』の実態と世界標準へと歩み出した最新治療~便秘難民ゼロを目指して~」をテーマに、都内でプレスセミナーを開催した。  セミナーでは、子供が抱える「言うに言えない便秘の悩み」に大人がどう気付き、診療へ導くのか解説された。セミナーでは、十河 剛氏(済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科)を講師に迎え、小児の便秘症について詳しくレクチャーを行った。

マイボーム腺機能不全とドライアイの類似・相違点が明らかに

 マイボーム腺機能不全(MGD)はドライアイ(DE)と症状が類似しており、鑑別が難しい疾患とされる。日本でMGDの啓発に取り組むLIME(Lid and meibomian gland working group)研究会が、同一集団で両疾患を比較した初の住民ベース断面調査を実施。MGDとDEの類似性と相違性を明らかにした。同研究会代表世話人であり伊藤医院副院長の有田 玲子氏らによる報告は、American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2019年3月6日号で発表された。

病棟患者のせん妄、ICU患者との違い

 入院患者ではせん妄がよくみられるが、その疫学はほとんどわかっていない。今回、オーストラリア・オースチン病院のEmmanuel Canet氏らは、病棟患者におけるせん妄患者の人口統計、臨床像、管理、アウトカムがICU患者と異なるかどうかを検証した。その結果、病棟患者のせん妄は、ICU患者のせん妄とは大きく異なり、臨床像は低活動型が優勢で、認知症が先行し、退院時に回復の可能性は低いことが示された。Internal Medicine Journal誌オンライン版2019年3月19日号に掲載。

1990~2016年の世界のてんかん負荷調査の分析結果

 てんかんによる発作やその影響は、早期死亡や残存症状などの健康被害の原因となりうる。てんかんの負荷に関するデータは、健康管理計画やリソース配分において必要とされている。世界の疾病負荷(Global Burden of Disease:GBD)2016のてんかん共同研究者らは、てんかんによる健康被害を年齢、性別、年、場所別に定量化することを目的に、GBDのデータを用いて分析を行った。The Lancet. Neurology誌2019年4月号の報告。

心房細動の男性、脳卒中なしでも認知症に注意

 心房細動は脳卒中リスクを増大させ、認知障害や認知症のリスクを増大させる。しかし最近、脳卒中でない場合でもこの関連を示唆するエビデンスが出てきている。そこで、スウェーデン・ヨーテボリ大学のLina Ryden氏らは、コホートから脳卒中患者を除外しなかった場合とした場合の心房細動と認知症発症との関連を調査し、さらに性別や遺伝的因子についても検討した。Journal of Internal Medicine誌オンライン版2019年3月2日号に掲載。

統合失調症入院患者における心血管イベント

 レバノン大学のGhina Al-Seddik氏らは、統合失調症患者における心血管(CV)および脳血管イベントと死亡率を評価するため、フラミンガムリスクスコア(FRS)および動脈硬化性疾患(ASCVD)のスコアによる予測能について比較を行った。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2019年2月10日号の報告。  対象は、2013年1月から入院中の統合失調症患者329例。CVイベントを検出するため患者のカルテをレビューした。

良性の卵巣腫瘍、保存的治療2年で自然消退2割、悪性化リスクは低い/Lancet Oncol

 付属器腫瘤は、産婦人科において最も頻繁に遭遇する疾患の1つといわれる。これまで長期追跡した大規模前向き研究はほとんどなかったが、ベルギー・ルーベン大学病院のWouter Froyman氏らが、国際共同前向きコホート研究「International Ovarian Tumor Analysis Phase 5:IOTA5」の中間解析を行い、超音波検査で最初に良性と診断された付属器腫瘤を保存的に治療しても悪性腫瘍や急性合併症の発生リスクは低いと報告した。