認知症症状がある元NFL選手、脳内タウ増加が判明/NEJM

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認知症症状がある元NFL選手、脳内タウ増加が判明/NEJMのイメージ

 認知症・精神神経症の症状が認められる元ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)選手について、脳内のタウなどを可視化するPET検査を行ったところ、症状のない男性コントロール群と比較して、慢性外傷性脳症(CTE)部位のタウ蓄積量はより多く、アミロイドβ蓄積量は同程度であることが示されたという。米国・ボストン大学のRobert A. Stern氏らによる検討結果で、NEJM誌2019年4月10日号で発表された。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究を行い、CTE部位のタウ蓄積量上昇が、個々の患者で、検出に役立つかどうかを調べる必要がある」と述べている。

SUVRと症状の程度、選手活動期間との関連を検証
 研究グループは、タウのイメージング製剤flortaucipirと脳アミロイドイメージング製剤florbetapirを用いたPET検査を、認知症・精神神経症症状が認められる元NFL選手(26例)と、CTE歴のない無症状の男性(コントロール群、31例)に対し、それぞれ実施した。

 自動画像処理アルゴリズムを用いて、脳局所のタウ標準蓄積率(standardized uptake value ratio[SUVR]、対小脳比で算出)を測定し、両群で比較した。SUVRと症状重症度との関連や、元NFL選手については選手としての活動期間との関連を検証した。

タウ蓄積量は増加、アミロイドβ蓄積量増加みられず
 タウイメージング製剤flortaucipir SUVR平均値は、脳内3部位において元NFL選手群がコントロール群より高く、両側上前頭回では元NFL選手群が1.09に対しコントロール群が0.98(補正後平均群間差:0.13、95%信頼区間[CI]:0.06~0.20、p<0.001)、両側内側側頭葉が1.23 vs.1.12(0.13、0.05~0.21、p<0.001)、左頭頂部が1.12 vs.1.01(0.12、0.05~0.20、p=0.002)だった。

 探索的解析の結果、元NFL選手の活動期間とこれら3部位のflortaucipir SUVR平均値の相関係数は、それぞれ0.58(95%CI:0.25~0.79)、0.45(0.07~0.71)、0.50(0.14~0.74)だった。

 タウ蓄積量と認知症・精神神経症症状スコアとの関連は、認められなかった。さらに、元NFL選手のうち、アルツハイマー病の患者と同レベルのアミロイドβ蓄積量が認められたのは、1例のみだった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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元全米NFL選手におけるタウPET(解説:中川原譲二氏)-1048

コメンテーター : 中川原 譲二( なかがわら じょうじ ) 氏

大阪なんばクリニック 院長

国立循環器病研究センター 脳神経外科 客員部長

J-CLEAR評議員

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