医師の共感スキルが高いほど患者の腰痛が改善

提供元:ケアネット

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公開日:2024/05/02

 

 医師の共感と慢性腰痛患者の長期的アウトカムとの関連を調査したコホート研究の結果、患者評価による医師の共感度が高いほど12ヵ月にわたる患者の痛み、機能、健康関連QOL(HRQOL)が良好であったことを、米国・University of North Texas Health Science CenterのJohn C. Licciardone氏らが明らかにした。JAMA Network Open誌2024年4月11日号掲載の報告。

 対象は、2016年4月1日~2023年7月25日にThe Pain Registry for Epidemiological, Clinical, and Interventional Studies and Innovation(PRECISION)に登録された21~79歳の慢性腰痛(3ヵ月以上継続)患者で、12ヵ月間追跡された。医師の共感度は、CARE Measure(患者の視点で医師の共感度を評価するツール)を用いて評価された。10項目を1(poor)~5(excellent)点で評価し、合計スコアが30点以上の場合は「非常に共感的」、29点以下の場合は「わずかに共感的」な医師に分類された。主要アウトカムは、患者報告による痛み、機能、HRQOLで、データは登録時および3ヵ月ごとの診察で収集した。時間的傾向を測定し、ベースラインおよび長期的な共変量を調整するための多変量モデルを含む一般化推定方程式を用いて解析された。

 主な結果は以下のとおり。

●解析には、1,470例が組み込まれた。平均年齢は53.1(SD 13.2)歳、女性は1,093例(74.4%)であった。医師を「非常に共感的」と評価した患者群と「わずかに共感的」と評価した患者群のベースライン特性はおおむね同等であった。
●医師の共感度が高いほど、患者の12ヵ月後のアウトカムが良好であった。
 ・痛みの強さ β=-0.014、95%信頼区間[CI]:-0.022~-0.006、p<0.001
 ・腰痛関連障害 β=-0.062、95%CI:-0.085~-0.040、p<0.001
 ・HRQOL障害(例:痛みによる生活障害) β=-0.080、95%CI:-0.111~-0.049、p<0.001)
●わずかに共感的と評価した群と比較して、非常に共感的と評価した群の患者では、痛みの強さや腰痛関連障害、HRQOL障害の平均スコアが有意に低かった。
●医師の共感は、非薬物療法やオピオイド療法、腰椎手術よりも良好なアウトカムと関連していた。

(ケアネット 森 幸子)