多発性硬化症、抗CD20抗体ocrelizumabで再発率低下/NEJM

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ケアネット

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 多発性硬化症再発患者において、ヒト化抗CD20モノクローナル抗体ocrelizumabはインターフェロンβ-1aよりも、疾患活動性および進行を有意に抑制することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のStephen L Hauser氏らによる、2つの第III相国際多施設共同無作為化試験OPERAIとOPERAIIの結果で、NEJM誌オンライン版2016年12月21日号で発表された。多発性硬化症にはB細胞が関与していることが知られる。ocrelizumabはCD20+B細胞を選択的に減少する作用を有している。

2つの第III相試験で96週投与、年間再発率を評価
 多発性硬化症再発患者計1,656例(OPERAIでは32ヵ国141施設で821例、OPERAIIでは24ヵ国166施設で835例)が、それぞれの試験で無作為に2群に割り付けられ、ocrelizumab 600mg静注を24週ごとに投与、またはインターフェロンβ-1a 44μg皮下注を週3回投与した。

 試験治療期間は96週間。主要エンドポイントは、年間再発率であった。

ocrelizumab群の年間再発率が46~47%低下
 結果、ocrelizumab群の年間再発率は、両試験において有意に低下した。OPERAIでは、0.16 vs.0.29(ocrelizumab群が46%低下、p<0.001)、OPERAIIでも、0.16 vs.0.29(ocrelizumab群が47%低下、p<0.001)であった。

 事前規定のプール解析の結果、12週時点で確認された障害進行を呈した患者の割合は、ocrelizumab群がインターフェロンβ-1a群より有意に低かった(9.1% vs.13.6%、ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.45~0.81、p<0.001)。24週時点でも同様に有意な低下が確認された(6.9% vs.10.5%、HR:0.60、95%CI:0.43~0.84、p=0.003)。

 ガドリニウム増強MRIT1強調画像で確認した平均病変数は、OPERAIではocrelizumab群0.02に対しインターフェロンβ-1a群0.29でocrelizumab群の病変数は94%少なく(p<0.001)、OPERAIIでは0.02 vs.0.42(同95%減少、p<0.001)であった。

 多発性硬化症機能複合(MSFC)スコア(歩行速度・上腕運動・認知機能を複合評価、zスコアがマイナス値は増悪を示し、プラス値は改善を示す)の変化は、OPERAIIではocrelizumab群がインターフェロンβ-1a群よりも有意に良好であった(0.28 vs.0.17、p=0.004)。しかし、OPERAIでは有意差は認められなかった(0.21 vs.0.17、p=0.33)。

 注入に伴う反応は、ocrelizumab群において34.3%で認められた。重篤な感染症は、ocrelizumab群では1.3%、インターフェロンβ-1a群では2.9%報告された。腫瘍発生の報告は、ocrelizumab群0.5%、インターフェロンβ-1a群0.2%であった。

 結果を踏まえて著者は、「さらなる大規模かつ長期の試験を行い、ocrelizumabの安全性を評価する必要がある」とまとめている。

(ケアネット)

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