ステント留置後のDAPT期間、糖尿病の有無で検討/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2016/11/21

 

 薬剤溶出ステント留置後の2剤併用抗血小板療法(DAPT)の投与期間は、短期か長期か。スイス・ベルン大学のGiuseppe Gargiulo氏らが、メタ解析により糖尿病患者と非糖尿病患者を層別化して検討した。その結果、糖尿病はステント留置後の重大有害心血管イベント(MACE)の独立予測因子であることが明らかになったが、MACE発生のリスクは、糖尿病患者また非糖尿病患者についてもDAPT投与期間の短期(6ヵ月以下)と長期(12ヵ月)で有意な差はなく、一方で長期DAPTは出血リスクを増大することが示された。BMJ誌2016年11月3日号掲載の報告より。

MACE発生との関連について1万1,473例のデータをメタ解析
 メタ解析は、Medline、Embase、Cochrane databases、国際学会の抄録から、薬剤溶出ステント留置後のDAPTの投与期間について調べた無作為化対照試験を検索。被験者個別データをプールして、試験によって層別化したCox比例回帰モデルを作成し糖尿病のアウトカムへの影響を調べた。

 主要試験アウトカムは、心臓死、心筋梗塞、definite/probableのステント塞栓症で定義したMACE。すべての解析はintention-to-treatにて行った。

 検索により6つの無作為化試験の被験者1万1,473例のデータをプールした。そのうち、糖尿病患者は3,681例(32.1%)、非糖尿病患者は7,708例(67.2%)で、平均年齢はそれぞれ63.7(SD 9.9)歳、62.8(10.1)歳であった。残る84例については情報が紛失し不明であった。また、糖尿病患者のうち、短期DAPT群は1,828例、長期DAPT群は1,853例、非糖尿病患者はそれぞれ3,860例、3,848例であった。

追跡1年時点のMACEリスク減少効果は、短期と長期で有意差なし
 解析の結果、糖尿病はMACEの独立予測因子であった(ハザード比[HR]:2.30、95%信頼区間[CI]:1.01~5.27、p=0.048)。

 しかしながら追跡1年時点で、長期DAPT群は短期DAPT群と比べて、MACEのリスク減少との関連が、糖尿病患者群(1.05、0.62~1.76、p=0.86)および非糖尿病患者群(0.97、0.67~1.39、p=0.85)のいずれにおいても認められなかった(交互作用のp=0.33)。

 心筋梗塞のリスクについて、糖尿病・非糖尿病患者別で検討した場合は、糖尿病患者群での有意な増大が認められたが、DAPT投与期間の長短で比較すると、糖尿病患者群(0.95、0.58~1.54、p=0.82)、非糖尿病患者群(1.15、0.68~1.94、p=0.60)共に差はみられなかった(交互作用のp=0.84)。

 definite/probableのステント塞栓症のリスクは、糖尿病・非糖尿病患者別で検討した場合は、糖尿病患者群で有意差はないが数的には増大が認められた(HR:1.89、95%CI:0.31~11.38、p=0.49)。DAPT投与期間の長短で比較すると、ランドマーク解析法では、両群共にベネフィットがある傾向が示されたが、陽性交互検定では、糖尿病患者群で長期DAPT群のほうが短期DAPT群よりも有意な低下が認められ(0.26、0.09~0.80、p=0.02)、非糖尿病患者群では観察されなかった(1.42、0.68~2.98、p=0.35)(交互作用のp=0.04)。

 大小の出血リスクについては、糖尿病の有無にかかわりなく、長期DAPT群で高かった。