骨折の介護は介護者の働き方を変える

提供元:
ケアネット

骨折の介護は介護者の働き方を変えるのイメージ

 高齢者の骨粗鬆症による骨折は、患者自身のQOLを悪化させるだけでなく、予後も悪化させる。と同時に家族など介護者に多大な負担を強いることになり、わが国でも問題となっている。今回、介護の実情、介護者の本音について、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社は、50歳以上で骨粗鬆症に起因すると思われる骨折患者を介護する家族介護者の男女にアンケートを実施し、その詳細を公開した。

 アンケートは、本年2月にインターネットで、全国3,071名に行われた。

介護者の4人に1人が離職や転職を経験
 質問で「お世話をするために、ご自身の働き方を変えたことがありますか」(複数回答)では、「有給の取得」(38.3%)、「時短勤務の実施」(29.7%)、「離職」(14.7%)の順で多く、介助・介護のために4人に1人が離職(退職、休職)や転職、部署変更など、労働環境の大きな変化を経験していることがわかった。

 また、「お世話のために現在離職・休職中で、社会復帰がしたいか、働くことが難しいか」(n=359)を質問したところ、「社会復帰がしたい」を思う回答者は47.9%いる一方で、「働くことが難しい」と思う回答者は76.0%と4人に3人以上が就業の困難さを自覚している結果となった。

介護で一番大変なのは「トイレへの移動、お風呂に入れること」
 「介護期間について」尋ねたところ全体では「5年以上」(24.0%)、「1年以上~2年未満」(22.0%)、「2年以上~3年未満」(19.3%)だった。また、現在休職中(n=359)では「5年以上」(33.7%)、「3年以上~5年未満」(20.3%)、「2年以上~3年未満」(17.0%)と介護期間が長いほど、離職の割合も高くなる関係がみられた。

 つぎに「お世話が必要になった骨折部位について(不明な場合は、近い部位)」(複数回答)を尋ねたところ、「背骨」(26.6%)、「足の付け根」(19.2%)、「手首」(14.9%)の順で多く、骨粗鬆症の主要な骨折部位を反映した回答結果であった。

 また、介護者が負担に感じていることを具体的に尋ねたところ、「トイレへの移動、お風呂に入れること」(38.1%)」、「外出の付き添い・サポート」(36.3%)、「自分自身が疲れてしまい、寝込みそうになる/寝込んだことがある」(27.5%)の順で回答が多く、介護者が自身の体力へ不安を感じる声が寄せられた。同じく精神的負担については、約45%の介護者が、「自分の事をいつも後回し」「休息が取れない」ことを負担に感じており、「自分自身の人生を憂うことがある」という回答も多く、介護者の精神的疲弊の実情も明らかになった。

患者介護は社会全体で取り組む課題
 今回のアンケート結果について調査を監修した萩野 浩氏(鳥取大学医学部保健学科 教授)は、「今回の調査からは、骨折を経験された患者さんを支えているご家族の負担や苦労が顕在化された。また、介護負担の大きさから離職を余儀なくされている介護者が多いことも示され、骨粗鬆症に伴う介護負担についても、社会全体で取り組む課題であることが示唆された。世界トップクラスの長寿国に生きる私たちにとり、医療専門家とともにしっかりとご自身やご家族の健康と向き合い、健康寿命を延ばすために積極的にアクションを取っていくことが肝要」とコメントを行っている。

■参考
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社 プレスルーム

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(ケアネット 稲川 進)

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