ヒドロクロロチアジドの使用、非黒色腫皮膚がんと関連

提供元:ケアネット

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公開日:2018/01/10

 

 ヒドロクロロチアジドは、米国および西欧で最も使用頻度の高い利尿・降圧薬の1つであるが、光感作性があり、これまでに口唇がんとの関連が報告されている。デンマーク・南デンマーク大学のSidsel Arnspang氏らの症例対照研究の結果、ヒドロクロロチアジドの累積使用量は、非黒色腫皮膚がん(NMSC)、とくに扁平上皮がん(SCC)リスクの著しい増加と関連していることが明らかとなった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年11月30日掲載の報告。

 研究グループは、ヒドロクロロチアジドの使用と、基底細胞がん(BCC)および扁平上皮がんのリスクとの関連を調べる目的で、デンマークがん登録データ(2004~2012年)から非黒色腫皮膚がん患者を特定し、これらの症例を対照と年齢および性別でマッチ(症例1に対し対照20の割合)させるとともに、デンマーク処方登録データ(Danish Prescription Registry)からヒドロクロロチアジドの累積使用量(1995~2012年)のデータを得た。
 条件付きロジスティック回帰法で、ヒドロクロロチアジドの使用と関連するBCCおよびSCCのオッズ比(OR)を算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・ヒドロクロロチアジドの累積使用量が5万mg以上でのORは、BCCが 1.29(95%信頼区間[CI]:1.23~1.35)、SCCが3.98(95%CI:3.68~4.31)であった。
・ヒドロクロロチアジドの使用は、BCCおよびSCCのいずれとも、明らかな用量反応関係が認められ、累積使用量が最も多いカテゴリー(20万mg以上)のORは、BCCが1.54(95%CI:1.38~1.71)、SCCが7.38(95%CI:6.32~8.60)であった。
・他の利尿薬および降圧薬の使用と、NMSCとの関連は認められなかった。

(ケアネット)