BPSDに対するイチョウ葉エキスの効果~メタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/18 イチョウ葉抽出エキスであるEGb761が認知症のBPSD(認知症の行動と心理症状)治療に有効であることが、無作為化比較試験で報告されている。スイス・チューリッヒ大学のEgemen Savaskan氏らは、これらの無作為化試験についてメタ解析を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2017年9月21日号の報告。 特定のBPSDに対するEGb761の効果を評価するため、臨床的に有意なBPSD(NPI総スコア6以上)が認められる(アルツハイマー病[AD]が疑われる、脳血管性認知症もしくは脳血管疾患を有するADが疑われる)認知症患者を対象とした、20週以上の無作為化プラセボ対照試験を抽出した。データをプールし、NPI single item compositeおよびcaregiver distressスコアの共同解析を、固定効果モデルのメタ解析により実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・4つの研究より1,628例(EGb761群:814例、プラセボ群:814例)が抽出された。治療期間は、22~24週であった。EGb761の1日用量は、すべての研究において240mgであった。 ・すべての研究の全分析セットのデータを含むプールされた分析(EGb761群:796例、プラセボ群:802例)では、EGb761群はプラセボ群よりも合計スコア、10の単一症状スコアで有意な優越性が示された。 ・caregiver distressスコアに関しては、EGb761群はプラセボ群よりも妄想、幻覚、多幸を除くすべての症状において有意な改善が認められた。 ・EGb761のベネフィットは、主にベースライン時の症状改善であるが、いくつかの症状において発症率の低下が認められた。 著者らは「イチョウ葉抽出エキスEGb761を用いた22~24週の治療は、統合失調症様症状を除くBPSDと、それらの症状によって引き起こされる介護者の苦痛も改善した」としている。 ■関連記事 BPSD治療にベンゾジアゼピン系薬物治療は支持されるか 認知症になりにくい性格は なぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Savaskan E, et al. Int Psychogeriatr. 2017 Sep 21. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] CAR-T細胞療法、CD7陽性造血器腫瘍のハプロ一致HSCTの橋渡しに有望/NEJM(2024/05/08) 慢性疾患治療薬のサロゲートマーカーでの効果判定、エビデンスの強さは?/JAMA(2024/05/08) 2024年の医師のコロナワクチン、接種する/しないの二極化進む/医師1,000人アンケート(2024/05/08) 統合失調症における服薬アドヒアランスと自傷暴力行為との関係~12年間コホート研究(2024/05/08) デュルバルマブ+化学療法、進行胆道がん患者の3年OS率を2倍に改善/AZ(2024/05/08) 心房細動の再発に歯周病が関与?(2024/05/08) 「バーチャル・バイオプシー」で非侵襲的な皮膚病変の生検が可能に?(2024/05/08) 妊婦の抑うつ、不安、オキシトシンが子どもへの情緒的絆に影響(2024/05/08) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07) 救急エコー最速RUSH! (2017/07/07)