認知症の根治療法研究、どの程度進んでいるか

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 認知症の根治療法(disease modifying)は存在しない。また、認知症の根治療法アウトカムのコンセンサスも得られていない。英国・ロンドン大学のLucy Webster氏らは、軽度から中等度の認知症における根治療法研究の中核アウトカム測定に関する最初のエビデンスベースコンセンサスの作成を行った。PLOS ONE誌2017年6月29日号の報告。

 根治療法介入は、根底にある病状を変化させることを目指す治療と定義した。軽度から中等度の認知症における根治療法の公表研究および継続中の研究について、電子データベースおよびこれまでのシステマティックレビューより調査した。参考文献2万2,918件より149件が抽出され、そのうち125件の研究から81件のアウトカム測定が得られた。試験対象者は、アルツハイマー病(AD)単独111件、ADおよび軽度認知障害8件、血管性認知症3件であった。測定された項目(認知機能、日常生活活動、生物学的マーカー、精神神経症状、QOL、全体)によりアウトカムを分類した。試験数と参加者数は、各アウトカムを用いて算出した。各アウトカムの心理測定法の特性を詳細に調査した。アルツハイマー病社会フォーカスグループを通じて、3都市における認知症者や家族介護者の意見を求めた。コンセンサス会議の出席者(認知症研究、根治治療、ハーモナイゼーション測定の専門家)は、これらの結果を用いてアウトカムのコアセットを決定した。

 主な結果は以下のとおり。

・推奨される中核アウトカムは、認知症の根本的欠損を認知することであり、根治療法や連続構造MRIにより示される。
・認知機能は、MMSE(ミニメンタルステート検査)またはADAS-Cog(Alzheimer's Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale)で測定すべきである。
・患者にとってMRIは任意である。
・重要ではあるが根治療法にもかかわらず変化しない可能性のある非コアドメインを測定するための勧告を行った。
・限界として、ほとんどの試験がADを対象としたものであり、特定の手段は、使用されなくなると考えられる。また、心理測定法の特性については1つのデータベースのみで検索を行っていた。

 著者らは「本研究は、軽度から中等度の認知症における根治療法研究のアウトカム測定81件を特定した最初の研究である。この提言は、軽度から中等度の認知症における根治療法の設計、比較、メタ解析を容易にし、その価値を高める」としている。

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