リスペリドン誘発性高プロラクチン血症、減量で軽減するのか

提供元:ケアネット

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公開日:2016/12/05

 

 統合失調症患者におけるリスペリドン維持療法中のプロラクチン関連症状(PRS)を1年間観察し、PRSの危険因子を特定するため、中国・首都医科大学のQijing Bo氏らが検討を行った。BMC psychiatry誌2016年11月9日号の報告。

 多施設ランダム化比較対照縦断研究。臨床的に安定した統合失調症患者374例を、用量変更なし群129例、4週間減量群125例、26週間減量群120例(8週間かけて50%減量し、その後維持)に無作為に割り付けた。PRSは、プロラクチン関連有害事象尺度を用いて、16項目(月経周期、月経期間、月経量、月経不順、無月経、月経困難、分娩後乳汁分泌、女性化乳房、乳房圧痛、性機能障害、性的欲求の減少、勃起不全、射精機能不全、インポテンス、体毛増加、にきび増加)を評価した。PRSの発生は、ベースライン、6ヵ月までは毎月、その後は2ヵ月おきに評価した。混合モデルを使用した。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時のPRSは、4週間減量群18.4%、26週間減量群15.0%、用量変更なし群14.0%であった。
・PRS発祥の予測因子は、女性、若年発症、PANSS総スコアであった。
・混合モデルでは、PRSは、女性と高用量でより重症であった。
・1年後も研究に参加していた237例におけるPRS発生率は、4週間減量群9.6%、26週間減量群11.1%、用量変更なし群7.6%に減少した。

 著者らは「本検討により、PRSの重症度は、投与量減少により、1年間の治療期間中に軽減することが示された。とくに高用量、女性、若年発症、重症患者では、長期治療中の高プロラクチン血症の副作用に注意する必要がある」としている。

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(鷹野 敦夫)