うつ病への呼吸リラクゼーション併用療法 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/11/04 うつ病は患者本人だけでなく、家族、仕事や社会的関係にも多大な影響を及ぼす慢性疾患である。Mackay Memorial Hospital のHui-Ching Chien氏らは、大うつ病患者に対し、認知行動療法に呼吸リラクゼーション・エクササイズを併用した場合の、睡眠の質および心拍変動に及ぼす影響を検討した。その結果、睡眠の質および心拍変動が共に改善したことを報告した。認知行動療法は大うつ病に有効な治療法と考えられているが、これまで、大うつ病患者に対して、認知行動療法と呼吸リラクゼーションを併用した場合の効果を包括的に検討した研究はほとんどないという。Journal of Clinical Nursing誌2015年11月号の掲載報告。 反復実験的研究デザイン法により実施された本検討は、認知行動療法と呼吸リラクゼーション・エクササイズを4週間施行した試験群(43例)と、非介入対照群(46例)の計89例を対象に行われた。睡眠の質および心拍変動について、ベースライン時、1回目の試験後、2回目の試験後、フォローアップ時に測定した。データについて、χ2検定、t検定、一般化推定方式を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・年齢、社会経済的状況、疾患の重症度、精神疾患歴を調整した後、試験群において睡眠の質の改善が示され、試験後の結果に有意差が認められた。 ・心拍変動パラメータも、有意な改善が認められた。 ・上記のように、認知行動療法と呼吸リラクゼーション・エクササイズの併用が大うつ病患者における睡眠の質と心拍変動を改善しうるという仮説を支持するものであり、その効果は持続的であった。 ・筋弛緩、深呼吸、睡眠衛生を含む呼吸リラクゼーション・エクササイズと認知行動療法は、入院中の大うつ病患者に提供可能であるものと思われる。 ・グループでのエクササイズや体験の共有を通してリラックスすることにより、心拍変動の調節、良質な睡眠という感覚が共有できるものと考えられた。 関連医療ニュース 音楽療法が不眠症に有用 テクノロジーを用いた不眠症治療、改善の余地あり ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Chien HC, et al. J Clin Nurs. 2015;24:3206-3214. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 多枝病変のSTEMI、FFRガイド下完全血行再建か責任病変のみPCIか/NEJM(2024/04/19) ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法、アレクチニブvs.化学療法/NEJM(2024/04/19) 慢性腎臓病の入院抑制を意図した電子記録+診療推進者介入の効果は証明されず(解説:浦信行氏)(2024/04/19) CPRはいつまで続けるべきか? In-Hospital CPA レジストリからの報告(解説:香坂俊氏)(2024/04/19) 進行肺がん、初診から治療までの待機期間が治療効果に影響/日本呼吸器学会(2024/04/19) 大腸がん患者の死亡リスクが高くなる超加工食品は?(2024/04/19) カルシウムとビタミンDの摂取は閉経後女性の全死亡リスクに影響せず(2024/04/19) 親を見れば自分の肥満リスクが分かる(2024/04/19) 特殊なMRIが治療抵抗性統合失調症の予測に有用か(2024/04/19) 日本における抗CGRP抗体の使用状況~日本頭痛学会会員オンライン調査(2024/04/19) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)