禁煙支援アプリ、その効果とは

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/18

 

 スマートフォンなどでダウンロードできるモバイル禁煙支援アプリ(以下、禁煙アプリ)の効果の有無は、ほとんど知られていない。英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのHarveen Kaur Ubhi氏らは、無料禁煙アプリ「SmokeFree28(SF28)」が本当に禁煙に役立つのか予備評価を行った。その結果、SF28は禁煙の補助手段となりうることが示唆された。Journal of medical Internet research誌2015年1月16日号掲載の報告。

 SF28とは、喫煙者が28日間禁煙することを支援する、無料アプリである。この禁煙アプリにおける2012年8月~2013年8月の使用データを基に、観察研究を行った。対象としたユーザーは、登録時に喫煙していた16歳以上で、同アプリに禁煙を開始した日(禁煙日)を記録し、以降、最低1回はログインしている者とした。ユーザー特性は、英国内で禁煙を試みる喫煙者の代表的サンプルと比較した。28日間禁煙(非喫煙を継続)を記録したユーザーの割合を、自力で禁煙する場合の禁煙成功率である15%と比較した。また、28日間非喫煙を記録することと禁煙達成の予測因子との関連性を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・包含基準を満たしたのは1170ユーザーだった。
・英国内の禁煙を試みる喫煙者と比較したところ、ユーザーは「タバコ消費量が多い」「年齢が低い」「女性が多い」「肉体労働よりも事務職が多い」傾向があった。
・アプリの平均ログイン回数は8.5回/ユーザーであった(標準偏差:9.0)。
・ユーザーの18.9%が28日以上の禁煙に成功した(95%信頼区間:16.7~21.1)。
・「年齢が高い」「事務系業務に従事している」「禁煙薬物療法を実施している」ユーザーは禁煙に成功しやすい傾向にあった。

(ケアネット 中野敬子)