寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか

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ケアネット

寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきかのイメージ

 てんかんは慢性的な神経障害であり、全世界に数百万の患者が存在する。主な治療法は抗てんかん薬(AED)であり、これにより発作を抑制し、てんかんをコントロールする。AEDは大半の症例で有効であるが、認知機能や行動の変化といった長期有害事象との関連が指摘されている。そのため、寛解を認めたらAEDを中止することが患者にとって最善だと考えられるが、その最適な中止時期については明らかとなっていなかった。英国・リバプール大学のIsabella Strozzi氏らは、AEDの最適な中止時期を明らかにするため、以前に行ったコクランレビュー(2001年第3号に発表)のアップデートを行った。その結果、小児てんかん患者において、発作寛解期間が2年未満の早期にAEDを中止した場合は再発率が高いことを報告し、抗てんかん薬は、最低2年の寛解期間を経た後に中止すべきことを示唆した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年2月11日号の掲載報告。

 研究グループは本レビューで、(1)成人および小児てんかん患者におけるAED早期中止または後期中止後の発作再発リスク、てんかん重積状態および死亡率を定量化し比較する、(2)発作再発リスクに影響を及ぼす因子を評価する、(3)安全にAEDを早期中止できる集団を明らかにする、ことを目的とした。Cochrane Epilepsy Group Specialised Register(2014年6月)、CENTRAL (Cochrane Library第5号、2014年5月)、MEDLINE(1946年~2014年6月)、CINAHL(2014年6月23日)、Scopus(1823年~2014年6月)、ClinicalTrials.gov(2014年6月23日)、WHO International Clinical Trials Registry Platform(2014年6月23日)を検索した。また、電子検索で検出された研究の参考文献一覧についても調査した。

 成人および小児てんかん患者において、発作寛解期間別にAED中止による影響を評価した無作為化対照試験、早期(発作寛解期間2年未満)のAED中止と後期(発作寛解期間2年以上)のAED中止を比較した研究を検索対象とした。評価者2人が個別にデータを抽出し、試験の質を評価した。各試験におけるリスク比(RR)を95%信頼区間(CI)とともに、また二分法データの要約RRと95%CIは固定効果モデルを用いて算出した。統合RR算出それぞれについて、統計学的不均一性を検査した。また、各対象試験は、Cochrane Handbookの推奨に基づき「バイアスリスク」を評価。GRADE systemによって情報の全体的な質を評価し、2つのSummary of Findingsという表を提示した。

 主な結果は以下のとおり。

・5件の試験、無作為化された小児てんかん患者924例をレビューの対象とした。
・無作為化時の年齢はすべて16歳以下、追跡期間中央値は5.6年であった。
・成人を対象とした試験、死亡率あるいはてんかん重積状態をアウトカムとした試験のなかで適格なものはなかった。
・AED中止後の発作再発の統合RRは1.34(95%CI:1.13~1.59、p=0.0007)であった。この推定値に基づくと、有害必要数(早期AED中止により1例の発作再発リスクが増加するのに必要な人数)は8例であった(95%CI:5~20)。
・統合RR 1.51(95%CI:0.97~2.35、p=0.07)という結果から、AEDの早期中止は部分発作患者における高い再発率と関連することが示された。
・欠神発作タイプは、低い再発リスクと関連していた。
・EEG所見異常(統合RR:1.44、95%CI:1.13~1.83、p=0.003)、その中でもてんかん様活動(同2.58、2.03~3.28、p<0.0001)、2歳未満あるいは10歳以降での発作発症、てんかん重積状態の既往、知的能力障害(IQ 70未満)、治療前および治療中の発作多発は、高い再発リスクと関連していた。
・性別および家族歴と発作再発との間に有意な関連は認められなかった。
・全体的にみると、対象とした試験は方法論的な情報に関する報告がなく、オリジナルの試験報告者による情報提供もなかったため、バイアスリスクは低いあるいは不明確と判断された。
・小児、とくにEEG異常および部分発作の両方(あるいは一方)を有する小児患者は、少なくとも2年の無発作期間を経過した後にAEDを中止すべき、ということを支持するエビデンスが示されていた。
・全般発作を有する小児患者については、AEDの中止時期を明確にするエビデンスは不十分であった。
・発作を認めない状態にある成人患者のAED中止時期を示すエビデンスはなかった。
・最適なAED中止時期と再発を予測するリスク因子を特定するために、より質の高い無作為化対照試験、とくに成人や全般発作の患者を対象とした試験が必要と思われた。

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