C型肝炎の3剤併用療法、皮膚障害リスク因子とは

提供元:ケアネット

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公開日:2015/02/13

 

 ペグインターフェロン+リバビリン+第1世代NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬(テラプレビルまたはボセプレビル)の3剤併用療法は、遺伝子型1型のC型慢性肝炎に対する新しい治療戦略で、高い治療効果が期待できる。しかし一方では、皮膚障害などの有害事象が増加することがある。ポーランド・Provincial HospitalのElzbieta Klujszo氏らは、3剤併用療法による皮膚障害について調査し、テラプレビルでは女性や進行性肝線維症合併例などで肛門直腸の違和感が、45歳以上の男性で皮疹やそう痒症が発現しやすいこと、ボセプレビルでは自己免疫性甲状腺炎合併例で皮疹、女性でそう痒症が発現しやすいことを報告した。Journal of Dermatological Case Reports誌2014年12月31日号の掲載報告。

 研究グループは、プロテアーゼ阻害薬の併用療法における皮膚障害の発現頻度、重症度ならびに危険因子などについてレトロスペクティブに調査した。

 対象は、ボセプレビルまたはテラプレビルを用いた3剤併用療法を行った遺伝子型1型のC型慢性肝炎患者109例であった(ボセプレビル併用群33例、テラプレビル併用群76例)。

 主な結果は以下のとおり。

・皮膚障害(皮疹、そう痒症、肛門直腸の違和感)の発現頻度は、両群で同程度であった(ボセプレビル併用群21%、テラプレビル併用群28%)。
・テラプレビル併用群では、男性は女性より皮疹を発症しやすく(OR:4.1、p=0.014)、男性の場合、年齢(45歳以上)がそう痒症と関連した(OR:8.16、p=0.014)。また、女性(OR:4.13、p=0.041)、自己免疫性甲状腺炎(OR:4.25、p=0.029)および進行性肝線維症(OR:4.54、p=0.018)は肛門直腸の違和感に関する独立した因子であった。
・ボセプレビル併用群では、自己免疫性甲状腺炎が皮疹の(OR:10.22、p=0.017)、女性がそう痒症(OR:11.2、p=0.033)の、それぞれ素因であった。
・有害事象の発現時期は、治療を開始してから平均8.6週後(範囲:1~24週)であった。

(ケアネット)