皮膚科医が知っておくべき抗凝固薬と抗血小板薬の特性

提供元:ケアネット

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公開日:2014/12/25

 

 米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学のDeanna G. Brown氏らは、皮膚科臨床で新規の抗凝固薬や抗血小板薬を服用する患者と遭遇する機会が増えているとして、皮膚科医および皮膚科形成外科医が知っておくべき、従来および新規の抗凝固療法および抗血小板療法についてレビューを行った。Journal of American Academy of Dermatology誌オンライン版2014年12月6日号の掲載報告。

 レビューでは、抗凝固薬や抗血小板薬をサプリメントとともに服用している従来および新規の抗凝固療法および抗血小板療法の、薬物動態、薬効、副作用を概説することを目的とした。

 「アスピリン」「ワルファリン」「クロピドグレル」「ダビガトラン」「リバーロキサバン」「アピキサバン」「プラスグレル」「チカグレロル」をキーワードにPubMed検索を行い、経口抗凝固薬または抗血小板薬の周術期投与が強調されている最近のレビュー論文または出版物を選択した。さらに「皮膚科(dermatology)」「皮膚科手術(dermatologic surgery)」「皮膚手術(cutaneous surgery)」と「出血(hemorrhage)(bleeding)」「血栓症(thrombosis)」を関連させた検索も行った。

 主な知見は以下のとおり。

・アスピリン、クロピドグレル、ワルファリンは、投与量、モニタリング、有効性に関する情報が不十分である。
・複数の試験で、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンは、ワルファリンと比較して有効性は優っており、出血リスクは同等あるいは抑制することが示されている。
・プラスグレルとチカグレロルは、出血リスクの増大と関係している可能性がある。
・多くの店頭で販売されている薬物にも、出血リスクと関連する無視することができない抗凝固特性がある。
・本検討は、デイサージャリー患者に対する新規の経口抗凝固薬の効果を評価している出版物がほとんどない点で限定的である。
・これらの所見を踏まえて著者は、「新規の抗凝固薬、抗血小板薬は、心血管疾患の治療に革命をもたらしている。これらの薬物使用がより一般的になるにつれて、皮膚科医と皮膚科形成外科医は、日常診療において出血リスクが常に存在することを心に留めておかなければならない」とまとめている。

(ケアネット)