うつ病患者、SSRI治療開始1年以内に約半数がセカンド治療に 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/04/09 大うつ病性障害(MDD)患者において、ファーストライン治療でSSRI投与を受けた人のうち、約半数がセカンドライン治療を受けており、その多くがアドオン療法を受けていることが明らかになった。米国・イーライリリー社のSusan Ball氏らが診療報酬支払請求データベースを分析して報告した。ただしセカンドライン治療は、残存症状の寛解を目標としたものと思われ、著者らは「今回の分析結果は、寛解を達成するために、医師と患者がもっとよりよきパートナーとなり付加的介入を行う必要があることを示唆するものであった」とまとめている。Annals of General Psychiatry誌オンライン版2014年3月19日号の掲載報告。 本検討は、2010年にSSRI単独治療を開始したMDD患者の、治療パターン、治療コストとセカンドライン治療との関連を調べることを目的としたものであった。MDDの診断を受け、SSRI単独治療を受けており、初回処方日が特定できた患者の支払請求データベースを分析して行われた。被験者は、18歳以上で、初回処方特定日より1年前(pre-index)から同1年後(pro-index)の間の治療が保険でカバーされており、pre-index期間中に抗うつ薬の処方を受けていなかった患者であった。患者特性、SSRI開始薬、セカンド治療で最も処方頻度が高かった薬、および年間医療費を分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・分析には5,012例の患者が組み込まれた。女性が65.2%、平均年齢は41.9歳であった。 ・最も処方頻度が高かったSSRIは、シタロプロム(30.1%)、セルトラリン(27.5%)であった。 ・SSRI初回処方特定日後の1年間(pro-index)に、セカンドライン治療を受けた人は52.9%であった。 ・セカンドライン治療は、アドオン療法の頻度がスイッチ療法の2倍で、アドオン療法において最も多くみられた処方薬は、抗不安薬(40.2%)および抗うつ薬(37.1%)であった。 ・セカンドライン治療(アドオンまたはスイッチ)を受けた患者は、SSRI治療を継続した患者または治療を中断した患者と比較して、年間医療費が高かった。 ・なお本検討は、支払請求データベースを用いたもので、投薬量や臨床症状、有害事象、治療反応に関する情報はなく、限定的なものであった。 関連医療ニュース 抗うつ薬が奏効しないうつ病患者への抗精神病薬追加投与は本当に有効か SSRI/SNRIへの増強療法、コストパフォーマンスが良いのは 各抗うつ薬のセロトニン再取り込み阻害作用の違いは:京都大学 (ケアネット) 原著論文はこちら Ball S, et al. Ann Gen Psychiatry. 2014; 13: 8. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ワクチン接種、50年間で約1億5,400万人の死亡を回避/Lancet(2024/05/21) 50年代のすでに廃れた治療法に、もう一度光が当たるのか?(解説:野間重孝氏)(2024/05/21) T-DM1既治療のHER2+進行乳がん、T-DXdの3年OS率は?(DESTINY-Breast02)/ESMO BREAST 2024(2024/05/21) BiTE抗体tarlatamab、進行・再発の進展型小細胞肺がんに申請/アムジェン(2024/05/21) 遺伝子分析とアンケートを組み合わせた日本人うつ病患者の特徴分析(2024/05/21) 心電図所見から夜間の自殺企図を予測できる?(2024/05/21) 抗菌薬は咳の持続期間や重症度の軽減に効果なし(2024/05/21) 年齢や婚姻状況で異なる、「世帯の人数」と心理的苦痛の関係(2024/05/21) [ あわせて読みたい ] 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)