内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:248

COVID-19の第3の治療薬、バリシチニブ承認/日本リリー・インサイト

 2021年4月23日、日本イーライリリー株式会社とインサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社は、経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤バリシチニブ(商品名:オルミエント)がSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)に対する治療薬として、適応追加の承認を取得したと発表した。  現在、バリシチニブは関節リウマチ、アトピー性皮膚炎の治療薬として承認されている。今回の適応追加では、通常、成人にはレムデシビルとの併用においてバリシチニブ4mgを1日1回経口投与し、総投与期間は14日間まで。本剤は、酸素吸入、人工呼吸管理または体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行うことで承認された。

新型コロナワクチン接種、間違い防止チェックリストの活用を/厚労省

 厚生労働省は各医療機関などが新型コロナワクチン接種を実施するにあたり、ホームページ内の「新型コロナワクチンの接種を行う医療機関へのお知らせ」「新型コロナワクチンに関する自治体向け通知・事務連絡等」ページにて『予防接種を適切に実施するための間違い防止チェックリスト』を公開している。  このリストは、「確認チェックリスト」「医師がチェックする確認事項の解説」「事故予防対策の例」の3つに項目立てされており、受付・問診から救急搬送措置に至るまで、注意すべきポイントが一連の流れに沿って記載されている。

日本の農家における不眠症と寝酒・迎え酒との関係

 眠りを補助するための寝酒、酔い覚ましや二日酔いを軽減させるための朝の迎え酒のようなアルコール摂取を行う人は少なくない。島根大学の佐藤 利栄氏らは、日本の農家で働く健康な中年における不眠症と寝酒や迎え酒との関連について検討を行った。Alcohol誌オンライン版2021年3月18日号の報告。  746人(平均年齢:59.5歳、女性の割合:25.9%)を対象に自己記入アンケートを用いて、横断的研究を実施した。不眠症の定義には、日本語版アテネ不眠尺度6以上または前年の睡眠薬使用とした。性別、年齢、睡眠障害の有無、アルコール摂取頻度、1回当たりのアルコール摂取量で調整した後、寝酒と迎え酒に関連する不眠症のオッズ比(OR)を算出するため、ロジスティック回帰を用いた。

健康の社会経済的格差、生活習慣の影響は?/BMJ

 米国および英国の成人において、不健康な生活習慣が健康の社会経済的格差に及ぼす影響は小さいことが、中国・華中科技大学のYan-Bo Zhang氏らによるコホート研究データの解析の結果で示された。結果を踏まえて著者は、「健康的な生活習慣の推進だけでは、健康の社会経済的格差は縮小されない可能性があり、健康の社会的決定要因に取り組む他の方策が必要である」と指摘したうえで、「それでも、健康的な生活習慣はさまざまな社会経済的地位の集団において全死因死亡および心血管疾患(CVD)のリスク低下と関連しており、疾病負担の軽減における健康的な生活習慣の役割は重要である」と述べている。BMJ誌2021年4月14日号掲載の報告。

全粒穀物、豆類そして野菜をしっかり食べよう!―低GI食と心血管疾患(解説:住谷哲氏)-1379

今から20年ほど前に「低インスリンダイエット」なるものが世間で流行した。筆者も糖尿病の食事療法との関係で何冊か本を読んだ記憶がある。「低インスリンダイエット」は米国で流行したダイエット本「Sugar Busters!」(邦訳:「シュガーバスター」1999年、講談社)がわが国でアレンジされたもののようであるが、そこで初めてグリセミック指数(glycemic index:GI)について知った。GIの概念を提唱したのはカナダ・トロント大学のJenkinsであるが、本論文の筆頭著者を見て少々驚いた。JenkinsがGIに関する最初の論文を報告したのが今から40年前の1981年であるから、はじめは別人かと思ったが、David J.A. Jenkins, Torontoとあるので間違いなく本人である。40年以上にわたって1つのテーマに専心して研究を続けられるところが、やはり欧米の学問の層の厚さである。

イスラエルの新型コロナワクチンの効果、地域や年齢による差は?

 新型コロナワクチンの接種が各国にて急ピッチで進められているが、社会における実質的な効果の検証が求められている。イスラエル・ワイツマン科学研究所のHagai Rossman氏ら研究チームが、国内におけるワクチン接種の開始前後におけるCOVID-19症例数と入院数の経時的変化について分析したところ、ワクチン接種における年齢および地域の優先順に、COVID-19症例数および入院者数が大幅かつ速やかに減少傾向を示していたことがわかった。イスラエルでは、2020年12月20日から新型コロナワクチン接種が始まり、優先対象の60歳以上では、2月24日時点で85%が2回の接種済みだという。著者らは、本結果がコロナパンデミックに対する全国的なワクチン接種キャンペーンの実効性を示唆するものだと述べている。Nature Medicine誌オンライン版2021年4月19日号に掲載の報告。

新型コロナワクチン、既感染者での効果は?/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)既感染者にワクチンを接種すべきかどうか、はっきりしていない。これまでに既感染者が未感染者よりワクチンによる抗体応答が有意に高かった報告は少ない。今回、イタリア・シエナ大学のGabriele Anichini氏らが実施したコホート研究では、既感染者でのワクチン単回接種後の中和抗体価が、未感染者における2回接種後より有意に高いことが示された。NEJM誌オンライン版2021年4月14日号のCORRESPONDENCEに報告。

アビガン、発症早期COVID-19患者に対する第III相試験開始/富士フイルム富山化学

 富士フイルム富山化学は、アビガン(一般名:ファビピラビル)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者を対象とした新たな第III相試験を国内で開始したことを、4月21日に発表した。本試験は、重症化リスク因子を有する、発症早期のCOVID-19患者において有効性・安全性を検証する二重盲検プラセボ対照試験。  アビガンについては、非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目で統計学的有意差を確認したことから、アビガンの製造販売承認事項一部変更承認申請を行っている。

中和抗体カクテル療法で症候性COVID-19発症リスクが81%減/ロシュ

 ロシュ社(スイス)は4月12日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染者との家庭内での濃厚接触者を対象に、中和抗体カクテル療法によるCOVID-19発症リスクおよび負担軽減を評価した第III相臨床試験(REGN-COV 2069試験)において、良好な結果を確認したと発表した。casirivimabとimdevimabの皮下投与により、試験開始時に感染していなかった人の症候性感染の発症リスクが81%減少したことが示されたという。

日本における認知症専門チームに対する金銭的インセンティブの効果

 これまで、急性期治療環境下における認知症治療の質は批判的にみられていた。2016年に日本において、急性期病院の認知症専門家チームによる認知症ケアに対する金銭的インセンティブが導入された。筑波大学の森田 光治良氏らは、この金銭的インセンティブが、短期的な結果(院内死亡率および30日間の再入院)に対して有用であったかを調査した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2021年3月17日号の報告。