内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:251

英国のCOVID-19検査・追跡・隔離システム、順守率低調/BMJ

 COVID-19パンデミックの当初11ヵ月間における英国での検査・追跡・隔離システムの順守について調査した結果、経時的に多少の改善は認めるものの順守率は低調だったという。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLouise E. Smith氏らが、オンライン調査の結果を報告した。検査・追跡・隔離システムは全英のCOVID-19回復戦略の柱の1つであり、このシステムの成功は、症状が認められた場合は隔離し、発症した場合は検査し、感染が確認されたら濃厚接触者の情報提供を得ることに依存している。著者は、「実用的なサポートと金銭的補償がシステムの順守を改善する可能性がある。男性、若年層、医療福祉関連等の労働者を対象としたメッセージや政策も必要かもしれない」とまとめている。BMJ誌2021年3月31日号掲載の報告。

認知症、脳・心血管疾患、1型糖尿病などがCOVID-19重症化リスクに追加/CDC

 米国疾病予防管理センター(CDC)は、3月29日、成人において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクとなる病状リストにいくつかの新しい項目を追加した。以前から可能性が指摘されていた、「1型糖尿病(2型糖尿病に追加)」「中等度~重度の喘息」「肝疾患」「認知症またはその他の神経学的疾患」「脳卒中・脳血管疾患」「HIV感染症」「嚢胞性線維症」「過体重(肥満に追加)」のほか、新しく「薬物依存症」がリストアップされた。新しいリストでは、特定のカテゴリごとに病状が記載されている。

「ワクチン・パスポート」、制度導入にあたっての論点/NEJM

 世界中で新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が進むにつれ、ワクチン接種済みの証明書を発行し、国内外の移動やイベント参加時などに提出を義務付ける制度、いわゆる「ワクチン・パスポート」に関する議論が生じている。現時点で考えられる論点が、NEJM誌オンライン版2021年3月31日号Perspectiveに掲載された。  ワクチン・パスポートは、既に米国、英国、EUが導入を検討しているほか、オーストラリア、デンマーク、スウェーデンが導入を表明しており、国民1人当たりのワクチン接種数で世界トップのイスラエルでは、すでにワクチン接種を受けた住民に「グリーンパス」を発行し、ホテル、ジム、レストラン、劇場、音楽会場など、入場制限が行われている場への立ち入りを許可する際に使われている。ニューヨーク州が発行する電子ワクチン・パスポート「エクセルシオール・パス」は劇場、イベント会場、大規模な結婚式などへの参加を許可する際に使われている。

高齢NVAF患者、DOAC使用実態と2年間の転帰(ANAFIEレジストリ)/日本循環器学会

 本邦では、80代あるいは90代の心房細動患者も少なくないが、最適な抗凝固療法は必ずしも明らかになっていない。85歳以上の超高齢者が約25%を占める、3万例超の日本人高齢非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の大規模レジストリ(ANAFIE)の結果を、第85回日本循環器学会学術集会(2021年3月26日~28日)で井上 博氏(富山県済生会富山病院)が発表した。  ANAFIEレジストリは、日本人高齢NVAF患者におけるリアルワールドでの抗凝固療法の使用状況と臨床転帰を調査するために実施された、多施設共同前向き観察研究。75歳以上のNVAF患者を登録、2年間の追跡調査が行われた。  脳卒中/全身性塞栓症(SEE)、大出血、および2年間の全死因死亡の発生率は、カプランマイヤー分析によって推定された。各イベントのハザード比は、治療群(抗凝固薬なし、ワルファリン[WF]、およびDOAC)間のCox比例ハザードモデルを使用して分析された。

片頭痛に対するCGRPモノクローナル抗体eptinezumab~メタ解析

 片頭痛は、最も一般的な神経疾患の1つである。片頭痛の病態生理には、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が重要な役割を果たしている。中国・蘇州大学附属第一医院のZeya Yan氏らは、片頭痛に対するCGRP関連モノクローナル抗体eptinezumabの有効性、安全性をシステマティックに評価するため、メタ解析を実施した。The Journal of Headache and Pain誌2021年3月6日号の報告。  Medline、Embase、Cochrane Library、Clinicaltrials.govより、2020年9月までに公表された片頭痛に対するeptinezumabのプラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)を検索した。データの評価には、Review Manager 5.3ソフトウエアを用いた。リスク比(RR)および標準平均差(SMD)は、ランダム効果モデルによる2分アウトカムおよび連続アウトカムを用いてそれぞれ分析した。

運動30分前のカフェインが脂肪を燃やす

 運動30分前のカフェイン摂取が最良の脂肪燃焼法かもしれない。これまでの研究で、カフェインが最大脂肪酸化率(MFO)と有酸素能力を増加させることが明らかになっているが、運動と組み合わせた効果は詳しくわかっていなかった。今回、スペイン・グラナダ大学のMauricio Ramirez-Maldonado氏らが、運動テスト中におけるMFOの日内変動に対するカフェイン摂取の影響を調査した結果、有酸素運動30分前のカフェイン摂取は、時間帯に関係なく運動中の脂肪酸化を増加させることを発見した。The Journal of the International Society of Sports Nutrition誌2021年1月7日号に掲載。

AZ製ワクチン、英国型変異株に有効率70.4%/Lancet

 新型コロナワクチンChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新たな変異株であるB.1.1.7系統への中和活性は同系統以外の変異株との比較において低いことがin vitroにおいて示されたが、変異株B.1.1.7に対する臨床的有効率は70.4%で有効であることが示された。なお、同系統以外のウイルスに対する有効性は81.5%だった。英国・オックスフォード大学のKatherine R. W. Emary氏らが同国で行った、約8,500例を対象とした第II/III相無作為化試験の事後解析の結果で、Lancet誌オンライン版2021年3月30日号で発表した。変異株B.1.1.7は2020年11月以降、英国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主因を占めるようになっていた。

ワクチン接種者、検査・隔離なしで旅行が可能に/CDC

 2021年4月2日、米国疾病予防管理センター(CDC)はガイドラインを更新し、新型コロナワクチン接種を完了した人は、PCR検査の陰性証明や隔離期間なしに米国内を旅行できるとした。これまでのガイドラインではワクチン接種者であっても国内外の旅行を控えるよう呼びかけていたが、ワクチン接種者が急激に増加し、ワクチンの有効性に関するデータも集積されてきたことを受け、今回の変更が行われた。ワクチン接種完了の定義は、最後の接種を受けてから2週間経過後とされており、今回追加された項目は下記のとおり。 ・ワクチン接種完了者は、海外の目的地で必要とされない限り、旅行前に検査を受ける必要はなく、帰国後の隔離の必要もない。 ・ワクチン接種完了者は、米国へのフライトの搭乗前にCOVID-19検査を受けて陰性である必要があり、帰国後3~5日以内に再度検査を受ける必要がある。 ・ワクチン接種完了者は、海外旅行中もマスクやソーシャルディスタンスの確保といった感染予防策をとる必要がある。

高齢者糖尿病治療ガイド2021を発行/日本糖尿病学会・日本老年医学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木浩二郎)は、同学会と日本老年医学会で合同編集・執筆した『高齢者糖尿病治療ガイド2021』を同学会のホームページで3月24日に発表し、刊行した。  超高齢社会のわが国では、高齢者の糖尿病管理は深刻な問題であり、両学会は2015年4月に合同委員会を設置。「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」の策定・公表やさまざまなガイドを発行することで高齢者糖尿病診療に道筋を示してきた。  今回改訂されたガイドでは、高齢糖尿病患者に多い認知症、サルコペニア・フレイル、“mulitimorbidity”などの併存症、介護保険など高齢者をサポートする諸制度などの高齢者糖尿病患者に特化した内容が掲載されている。また、読者の理解に役立つようにと「高用量SU薬投与中の高齢者」や「中等度の認知症」など11の具体的な症例を提示し、糖尿病診療に従事する医療者以外にでも参考にできるように工夫されている。

良い睡眠には就寝環境も関係する/アイスタット

 世界的にみてもわが国の睡眠時間、睡眠の質は低いといわれている。そして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)禍の中で、私たちの睡眠環境に変化はあったのであろうか。  3月19日の「春の睡眠の日」に合わせ、「睡眠が快適な人とそうでない人は何が違うのか」また「昼間の眠気は、睡眠事情が関係しているものなのか」を知る目的で、株式会社アイスタットは睡眠に関するアンケートの調査を行った。  アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~59歳の有職者300人が対象。