内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:247

COVID-19ワクチンにまだ過半数が不安/アイスタット

 いよいよ4月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が高齢者へ始まった。COVID-19収束に向けてワクチンへの期待、接種の希望など、どのような意識の変化があるのだろうか。  「一般市民へのワクチン接種の意識について」をテーマに、株式会社アイスタットは2020年12月に引き続き2回目となるワクチンに関するアンケートの調査を4月18日に行った。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~79歳の300人が対象。

新型コロナワクチン接種日や副反応の記録に有用なアプリ/MDV

 メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下、MDV)は、同社が開発し2015年からサービスを開始しているパーソナルヘルスレコード(PHR)サービス『カルテコ』に新型コロナワクチン接種の実施状況や副反応の有無を残せる新機能を搭載したことを、4月26日にプレスリリースした。  同システムはこれまで「カルテコ」を導入している医療機関の患者やその病院に付設する健診施設の受診者のみが利用できるサービスだったが、今回の新機能をアプリにしたことで、アプリをダウンロードした誰もが利用可能になったという。

コリンエステラーゼ阻害薬で治療した認知症高齢者における抗精神病薬の使用~コホート研究

 認知症に関連する行動症状のマネジメントのために抗精神病薬が用いられるが、各コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)と抗精神病薬使用開始との関連に関するエビデンスは不足している。米国・ヒューストン大学のSanika Rege氏らは、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンで治療された認知症高齢者における抗精神病薬使用開始リスクの比較を行った。Drugs & Aging誌オンライン版2021年3月25日号の報告。  パートA、B、Dを含む2013~15年のメディケアクレームデータを用いて、レトロスペクティブに検討を行った。対象は、認知症と診断された65歳以上の地域在住高齢者。ChEIの新規使用患者を特定し、抗精神病薬の使用開始について最大180日間フォローした。ChEIはドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、抗精神病薬は定型および非定型抗精神病薬を含めた。ドネペジルは、最も一般的に使用されている薬剤であり、アセチルコリンエステラーゼのみに作用することから、参照カテゴリーとして用いた。他のリスク因子で調整した後、3種類のChEIにおける抗精神病薬使用開始リスクと開始までの期間を比較するため、多変量Cox比例ハザード解析を用いた。

ワクチン副反応疑い、リンパ節腫脹や消化器症状など多様/厚労省

 新型コロナワクチン接種後、倦怠感や頭痛、発熱などのほかに、稀ではあるもののリンパ節腫脹や消化器症状など多様な症状がみられていることが報告された。4月23日に開催された厚生労働省第56回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で、ファイザー社製ワクチン接種者の安全性を調査する前向き観察研究の更新データを、伊藤 澄信氏(順天堂大学医学部臨床研究・治験センター)が報告した。

南アフリカ株(B.1.351)の遺伝子変異とワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏)-1381

前回の論評で考察したように、コロナウイルスは間断なく進化/変異を遂げ、世界に流布するウイルスは武漢原株からD614G株(S蛋白614位のアミノ酸がアスパラギン酸[D]からグリシン[G]に置換)へ、さらには、N501Y株(S蛋白501位のアミノ酸がアスパラギン[N]からチロシン[Y]に置換)に変化しつつある。2021年度には、N501Y変異株が世界に流布するウイルスの主流を占めるようになるものと予測される。本論評ではD614G株を“従来株”と定義し論を進める。N501Y株に分類される変異株の主たるものとして、英国株(B.1.1.7)、南アフリカ株(B.1.351)、ブラジル株(P.1)の3種類が存在するが、これらの変異株の実効再生産数(R)は、英国株、南アフリカ株、ブラジル株の順であり、英国株が最も高い値を示す(WHO 2021年3月21日)。それ故、現時点では、英国株が流布する地域が最も多く、4月13日現在、世界132ヵ国/地域に及ぶ。

COVID-19を経験した男性は勃起不全になりやすい?

 勃起不全(ED)は、COVID-19の短期的または長期的な合併症の可能性がある。今回、イタリア・ローマ大学のAndrea Sansone氏らが、COVID-19と診断された被験者におけるEDの有病率を調査し、COVID-19とEDの関連を検討した。Andrology誌オンライン版2021年3月20日号に掲載。  本研究では、2020年4月7日~5月4日、イタリアで実施されたSex@COVIDオンライン調査(心理的、社会的、性的健康を調査する匿名のWebアンケート)に参加した18歳以上6,821例(女性4,177例、男性2,644例、平均年齢32.83±11.24歳)のデータから、性的に活発なイタリア人男性985例が抽出され、そのうち25例(2.54%)がSARS-CoV-2陽性だった。

コロナの現状を鑑み、識者らが東京五輪の再考求め提言/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はここへ来て急拡大の様相を呈している。これに対し政府は、東京など4都府県に対し緊急事態宣言を発出。まん延防止等重点措置よりも強い規制力をもって感染拡大を抑え込みたい考えだ。それは今夏に延期・開催が予定されている東京オリンピックまで3ヵ月を切り、待ったなしの状況への強い憂慮にほかならない。そんな状況の中、4月14日付のBMJ誌に、「大会の安全管理には重大な疑問があり、再考すべき」と断じる論文(エディトリアル)が掲載された。

片頭痛に対するeptinezumabの安全性・忍容性

 ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体の1つであるeptinezumabは、片頭痛患者を対象とした5つの大規模臨床試験により評価が行われている。米国・StudyMetrix ResearchのTimothy R. Smith氏らは、これらの研究結果を統合分析し、eptinezumabの包括的な安全性および忍容性を評価した。The Journal of Headache and Pain誌2021年3月30日号の報告。  4つのランダム化二重盲検プラセボ対照試験のデータおよび1つのオープンラベル試験における最初の1年間のデータをプールし、分析を行った。  主な結果は以下のとおり。

英国株(B.1.1.7)の遺伝子変異、疫学、臨床、今後の重要性(解説:山口佳寿博氏)-1380

2019年の末に発生した新型コロナの原型である武漢原株は、2020年2月末ごろからD614G株(S蛋白614位のアミノ酸がアスパラギン酸(D)からグリシン(G)に置換、その他、4個の遺伝子変異を伴う)に置換された。D614G変異は生体へのウイルス侵入量を増加させ武漢原株より高い感染性を示す(山口. 医事新報 No.5026:26-31, 2020)。2020年9月ごろまではD614G変異株が世界の中心的ウイルスであったが、9月以降、英国、南アフリカ、ブラジルを中心にD614G株からさらなる変異を遂げたN501Y株(S蛋白501位のアミノ酸がアスパラギン(N)からチロシン(Y)に置換)が蔓延するようになった。以上のような背景を鑑み、本論評ではD614G株を“従来株”と定義する。英国、南アフリカ、ブラジルで播種しているN501Y変異株は同じウイルスではなく互いに独立したものであるが3種の変異株の共通項がN501Y変異である(山口. 医事新報 No.5053:32-38, 2021)。PANGO lineageに則った名称として、英国株はB.1.1.7、南アフリカ株はB.1.351、ブラジル株はP.1と命名された。別名として、英国株はVOC 202012/01、20I/501Y.V1、南アフリカ株はVOC 202012/02、20H/501Y.V2、ブラジル株はVOC 202101/02、20J/501Y.V3とも呼称される。2021年4月13日現在、世界206ヵ国/地域の中で英国株は132ヵ国/地域(64%)、南アフリカ株は82ヵ国/地域(40%)、ブラジル株は52ヵ国/地域(25%)で検出され、N501Y株がD614G株を凌駕し世界に流布するコロナウイルスの中心的存在になりつつある(WHO 2021年4月13日)。これら代表的なN501Y変異株に加え、フィリピンではN501Y変異を有するが英国株、南アフリカ株、ブラジル株とは異なる変異株が同定されている(B.1.1.28.3/P.3)。以上のN501Y関連変異株以外にN501Y変異を有さない5種類の変異株が米国(B.1.427/B.1.429、B.1.526)、英国(B.1.525)、フランス(B.1.616)、ブラジル(B.1.1.28.2/P.2)、ナイジェリア(B.1.525)において同定されている。以上の変異株にあって英国株の流布範囲が最も広く、アフリカ、中南米の一部を除き多数の感染者が確認されている。アフリカ、中南米の一部で英国株が検出されていないのは、検査不十分である可能性が高く、実際は、これらの地域にも英国株は侵入しているものと考えなければならない。すなわち、今後の世界的ウイルス播種として、この数ヵ月の間に従来株が英国株を中心とするN501Y株に置換されていくものと推察される。

片頭痛発作の発症を抑えるエムガルティ皮下注発売/日本リリー・第一三共

 日本イーライリリーと第一三共は2021年4月26日、ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤 ガルカネズマブ(遺伝子組換え)(商品名:エムガルティ)を発売したことを発表した。本剤は2020年1月に製造販売承認申請を行い、2021年1月に「片頭痛発作の発症抑制」の効能又は効果で製造販売承認を取得していた。  本剤はイーライリリー・アンド・カンパニーにより創製されたヒト化抗CGRPモノクローナル抗体で、新規作用機序を持つ片頭痛発作の発症を抑制する薬剤として開発された。本剤は、片頭痛発作時に上昇することが知られているカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に選択的な結合親和性を有し、その活性を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制することが期待される。