内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:134

降圧薬はいつ服用?朝vs.就寝前でCVアウトカムを比較/Lancet

 降圧薬の服用は朝(6~10時)でも就寝前(20~24時)でも、主要心血管アウトカムは同等であることが、英国・ダンディー大学のIsla S. Mackenzie氏らによる前向き無作為化非盲検試験「TIME(Treatment in Morning versus Evening)試験」の結果、示された。先行研究では、降圧薬の服用は就寝前が朝よりもアウトカムが良好の可能性が示唆されていた。TIME試験は高血圧患者における通常降圧治療薬の就寝前服用が、朝の服用と比べて主要心血管アウトカムを改善するかどうかを検討する目的で行われたが、結果を踏まえて著者は、「患者には、望ましくない影響が最小限となるのであれば、都合の良い時間に定期的に服用可能であることをアドバイスできるだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年10月11日号掲載の報告。

ブースター接種はオミクロン関連入院に有効/BMJ

 米国では2022年の当初半年間における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのブースター接種者は、オミクロン変異株関連のCOVID-19の入院について、プライマリシリーズのみ接種者を上回るベネフィットを得ていたことが、米国疾病予防管理センター(CDC)のKatherine Adams氏らによる検査陰性デザイン・ケースコントロール試験の結果、示された。ブースター接種が推奨される中で、オミクロン変異株は2021年12月26日時点でSARS-CoV-2の優勢な変異株となっており、ブースター接種の有効性に関するデータ提示が必要とされていた。BMJ誌2022年10月11日号掲載の報告。

片頭痛は心・脳血管疾患発症のリスク上昇と関連

 女性の片頭痛患者では心・脳血管疾患(CCD)の発症リスクが高まる可能性のあることが、「Journal of Clinical Neurology」5月号に掲載された論文において明らかにされた。  片頭痛は一部のCCDと関連することが知られており、特に若年女性や前兆のある片頭痛患者でその傾向が強いとされている。また、片頭痛が一般に思春期以降に発症するのに対し、CCDの多くが高齢者で発症することから、この隔たりが両者の関係性の評価を難しくしており、片頭痛の診断からCCDの発症まで長期間にわたる研究が望まれていた。

糖尿病が発症/寛解する脂肪蓄積量の閾値は個人で異なる

 肥満や過体重でない2型糖尿病患者であっても、約10%の減量によって7割の人は糖尿病が寛解するという研究結果が報告された。研究者らは、「誰もが糖尿病が発症または寛解する“脂肪蓄積閾値”を持っていて、その値は個人個人で異なるのではないか」と語っている。この研究は、英ニューキャッスル大学のRoy Taylor氏らによるもので、欧州糖尿病学会(EASD2022、9月19~23日、スウェーデン)で発表された。  Taylor氏によると、2型糖尿病は肥満と密接な関連のある疾患だが、肥満または過体重でない患者も少なくなく、そのような人たちは自分自身の脂肪蓄積閾値を超えてしまっている可能性があるという。「その人にとって過剰なエネルギーは皮下脂肪として蓄積される以外に、肝臓や膵臓内にも脂肪として蓄積され、糖代謝に影響を及ぼす。この状態が続いていると、膵臓のインスリン産生細胞の機能が低下し、糖尿病が発症・進展する」と同氏は解説する。また、「脂肪蓄積閾値を測定する検査法は現時点ではないが、脂肪細胞にかかっているストレスは血液検査によって推し量ることができ、今後の研究によって、それらを脂肪蓄積閾値の信頼できるマーカーとして利用できるようになるのではないか」とのことだ。

フルオロキノロン系抗菌薬で自殺念慮リスクが増大?/BMJ

 2016年、米国食品医薬品局(FDA)は、フルオロキノロン系抗菌薬の枠囲み警告(boxed warning)の改訂において、自殺念慮のリスク増大との関連を示唆した。米国・ハーバード大学医学大学院のJunyi Wang氏らは、この関連について検討し、フルオロキノロン系抗菌薬の使用は、自殺念慮のリスクを実質的に増加させないことを確認した。研究の成果は、BMJ誌2022年10月4日号で報告された。  研究グループは、フルオロキノロン系抗菌薬の投与開始と、自殺傾向による入院または救急診療部受診との関連の評価を目的に、住民ベースのコホート研究を行った(米国・ブリガム&ウィメンズ病院などの助成を受けた)。

FDA、小児へのモデルナとファイザーのBA.4/5対応2価ワクチンを承認

 米国食品医薬品局(FDA)は10月12日、モデルナおよびファイザーのオミクロン株BA.4/5対応の新型コロナウイルス2価ワクチンについて、緊急使用許可(EUA)を修正し、小児への単回追加接種の対象年齢を拡大したことを発表した。モデルナの2価ワクチンは、これまで18歳以上だったものが6~17歳にも承認され、ファイザーの2価ワクチンは、12歳以上だったものが5~11歳にも承認された。それぞれ初回シリーズから最低2ヵ月の接種間隔を経て接種が許可されている。  今回の小児への2価ワクチン承認拡大に伴い、ファイザーの従来の1価ワクチンは、5~11歳に対する追加接種としての使用ができなくなる。ただし、モデルナおよびファイザーの1価ワクチンは、初回シリーズとして、生後6ヵ月以上を対象とした接種は引き続き承認されている。

アルツハイマー病とレビー小体型認知症を鑑別するための描写機能分析

 アルツハイマー病(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の早期鑑別診断は、治療や疾患管理において非常に重要であるが、依然として困難を極めている。コンピューターベースの描写機能分析がADとDLBの鑑別に役立つと考えられるが、この分野の研究は十分に行われていない。IBM東京基礎研究所の山田 康智氏らは、AD、DLB、認知機能正常(CN)において、描写プロセスを特徴付ける機能の違いを特定し、これらの機能を用いたADとDLBの特定および鑑別の有効性を評価するため、本研究を実施した。その結果、各群においてさまざまなタイプの描写機能に違いがあったことが認められ、これらの機能の組み合わせによりADとDLBの鑑別が促進される可能性が示唆された。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2022年9月20日号の報告。

20-20-20ルールで仕事による眼精疲労を解消

 パソコンの画面を長時間見続けていると、目が乾燥してヒリヒリし、疲れや頭痛などの原因なることがある。しかし、こうした症状を避けるための簡単な対処法がある。それは、20分ごとに画面から目をそらし、20フィート(約6m)離れたところを20秒以上見るというものだ。  専門家らは、以前からこの「20-20-20ルール」を推奨してきたが、特殊なソフトウェアを用いて試験参加者の視線の方向をモニタリングした新たな研究で、その有効性が確認された。研究論文の上席著者で英アストン大学教授のJames Wolffsohn氏は、「研究では最先端のソフトウェアを使用したが、スマートフォンのタイマーやリマインダーアプリを活用すれば、誰でも簡単にその効果を再現することができる」と述べている。この研究結果は、英国コンタクトレンズ協会が発行する「Contact Lens & Anterior Eye」に8月10日掲載された。

2型DM、メトホルミンにリラグルチド追加の有効性は?/BMJ

 無作為化臨床試験であるGRADE試験を模倣した観察研究において、メトホルミンの投与を受けている2型糖尿病患者では、リラグルチドの追加投与は、グリメピリドやシタグリプチンを追加した場合に比べ、糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)値≧7.0%に到達するまでの期間が300日以上長いことが、米国・メイヨークリニックのYihong Deng氏らの検討で示された。研究の詳細は、BMJ誌2022年10月3日号に掲載された。  研究グループは、すでに終了しているが、その時点で論文が発表されていない無作為化臨床試験GRADE(Glycemia Reduction Approaches in Diabetes: A Comparative Effectiveness Study)を模倣することによる試験結果の予測を目的に、実臨床データを用いた後ろ向き観察研究(効果比較研究)を行った(米国食品医薬品局などの助成を受けた)。

基礎疾患がある若年者、コロナワクチン後の抗体陽性率高い/成育医療研究センター

 国立成育医療研究センター 感染症科の庄司 健介氏らによって、免疫抑制状態を含む基礎疾患を有する12~25歳の患者における新型コロナワクチン接種後の安全性と抗体価が調査された。その結果、基礎疾患のある患者であっても、ワクチン2回接種後の抗体陽性率は高く、その抗体価は12~15歳の患者のほうが16~25歳の患者よりも高いことが明らかになった。これまでの新型コロナワクチンに関する調査は主に健康な人を対象としており、基礎疾患を有する小児や青年での安全性や抗体価の情報は限られていた。Journal of Infection and Chemotherapy誌オンライン版2022年9月21日掲載の報告。