20-20-20ルールで仕事による眼精疲労を解消

提供元:HealthDay News

印刷ボタン

公開日:2022/10/19

 

 パソコンの画面を長時間見続けていると、目が乾燥してヒリヒリし、疲れや頭痛などの原因なることがある。しかし、こうした症状を避けるための簡単な対処法がある。それは、20分ごとに画面から目をそらし、20フィート(約6m)離れたところを20秒以上見るというものだ。

 専門家らは、以前からこの「20-20-20ルール」を推奨してきたが、特殊なソフトウェアを用いて試験参加者の視線の方向をモニタリングした新たな研究で、その有効性が確認された。研究論文の上席著者で英アストン大学教授のJames Wolffsohn氏は、「研究では最先端のソフトウェアを使用したが、スマートフォンのタイマーやリマインダーアプリを活用すれば、誰でも簡単にその効果を再現することができる」と述べている。この研究結果は、英国コンタクトレンズ協会が発行する「Contact Lens & Anterior Eye」に8月10日掲載された。

 研究グループによると、仕事のために毎日パソコンに向かっている人は多く、半数以上の人が何らかの形で眼精疲労を経験していると推測されている。人は、一般に1分間に15回まばたきをする。しかし、パソコンの画面を見ているときにはその回数が半減する。それが眼精疲労の原因であるが、20秒間、他の物に目を向けるだけで目を十分にリラックスさせ、疲れを軽減させることができると考えられているという。

 今回の研究は、眼精疲労のあるパソコン使用者29人を対象に実施された。対象者が使用するノートパソコンには、内蔵カメラで10秒ごとに対象者の在/不在と視線の方向を確認できるソフトウェアをインストールした。このソフトウェアは20-20-20ルールに基づいて、対象者が20分連続で画面を見ていると判断した際にはメッセージを表示して、6メートル離れた対象物を20秒間見るよう対象者に促す。メッセージは、20秒間正しく目を休めたと判定されるまで表示され続ける。さらにこのソフトウェアにより、20分おきに3分間、まばたきの回数と長さも計測された。対象者には、このソフトウェアを2週間使用してもらった。

 ソフトウェアの使用前後と研究終了から1週間後の対象者の眼精疲労の症状を評価したところ、乾燥、ヒリヒリ感、不快感などの目の症状に著明な低減が認められた。ただし、この目の症状の改善は、ソフトウェアの使用をやめてから1週間後には維持されていなかった。

 Wolffsohn氏は、「以前に実施された研究では、単に対象者に助言通りに目を休めるよう指示しただけだった。しかし今回の研究では、ソフトウェアで管理することにより被験者が確実に20分ごとに画面から目をそらしたと確認することができ、結果として全体的に症状の改善が認められた」と述べている。

 Wolffsohn氏らは、今後はさらに長期にわたる研究によって、この方法で目の筋肉の動きを脳に記憶させ、リマインダーがなくてもまばたきの回数が増えるようにすることができるか否かを検討したいとしている。

[2022年9月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら