内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:135

COVID-19感染リスクを過小/過大評価する人の特徴―高齢日本人での検討

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患するリスクを過小評価しがちな人と、その反対に過大評価しがちな人の特徴が明らかになった。京都大学大学院医学研究科社会疫学分野の竹村優太氏らが、日本人高齢者を対象に行った調査の結果であり、詳細は「SSM - Population Health」9月号に掲載された。  COVID-19対策には適切なリスク評価が重要であり、リスクを過小評価する楽観的認識は、予防対策の軽視による感染リスクの上昇につながりかねない。反対にリスクを過大評価する悲観的認識は、精神的ストレスによる健康上の問題につながりかねない。高齢者はCOVID-19罹患率が高く重症化しやすいため、楽観/悲観的認識に基づく予防対策の差異の影響が、より大きく現れる可能性がある。そこで竹村氏らは、日本人高齢者を対象とする調査を行い、COVID-19罹患リスクを過小/過大評価しやすい人の特徴の把握を試みた。

育児期の母親の超加工食品摂取で子の肥満リスク増/BMJ

 育児期の母親の超加工食品摂取は、母親および子のライフスタイルリスク因子とは関係なく、子の過体重や肥満のリスク増加と関連するという。米国・マサチューセッツ総合病院・ハーバード大学医学部のYiqing Wang氏らが、3つの前向きコホート試験データを解析して示した。著者は、「さらなる研究を行い、今回示された所見を確認し、根底にある生物学的メカニズムおよび環境決定要因を解明する必要がある」と述べるとともに、「いずれにせよ今回のデータは、子の健康を守るために、妊娠可能年齢の女性の食事に関する推奨事項の重要性と、栄養を改善するためのプログラム開発を支持するものである」とまとめている。BMJ誌2022年10月5日号掲載の報告。

BA.4/5対応2価ワクチンの第II/III相試験、7日後データ/ファイザー

 米国・Pfizerは10月13日付のプレスリリースで、同社のオミクロン株BA.4/5対応の新型コロナウイルス2価ワクチンについて、18歳以上における臨床試験の初期データを発表した。2価ワクチン追加接種から7日後に被験者から採取した血清で、オミクロン株BA.4/5に対する中和抗体反応が、追加接種前よりも大幅に上昇したことが確認され、若年層と高齢者ともに、同社の起源株に対する1価ワクチンよりも、BA.4/5への予防効果が期待できることが示唆された。  同社が実施したBA.4/5対応2価ワクチンの第II/III相試験では、55歳以上で1価ワクチン3回+2価ワクチン(30μg)で4回目接種して7日後の血清(40例)と、同年齢層で1価ワクチン3回+1価ワクチン(30μg)で4回目接種して7日後の血清(40例)とが比較された。また、18~55歳の1価ワクチン3回+2価ワクチンで4回目接種して7日後の血清(40例)も採取され、若年層と高齢者の2価ワクチンの反応も比較された。2価ワクチン接種群の3回目と4回目の接種間隔は約11ヵ月であったが、1価ワクチン接種群の3回目と4回目の接種間隔は約6ヵ月であった。この差にもかかわらず、中和抗体価のベースラインは各群でおおむね同程度だった。被験者のうち新型コロナの既往・現病歴がある人とない人は、各群で均等に層別化された。免疫原性は、SARS-CoV-2ライブウイルス蛍光焦点還元中和アッセイ(FFRNT)を用いて評価された。

一人暮らしとうつ病リスク~メタ解析

 一人暮らしは、ライフスタイルの管理や健康状態に影響を及ぼす可能性のある最も一般的な心理社会的因子の1つである。これまで、多くの横断研究において一人暮らしがうつ病リスクを上昇させることが示唆されていたが、この関連を縦断研究にて検討した報告はほとんどなかった。中国・Ganzhou People's HospitalのDaolin Wu氏らは、一人暮らしとうつ病リスクとの関連についての縦断研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、一人暮らしの人ではそうでない人と比較し、うつ病リスクが高くなることが明らかとなった。今後これらの因果関係を確認するためにも、さらなる質の高い研究が求められる。Frontiers in Psychiatry誌2022年8月30日号の報告。

コロナ・インフル同時流行時の対応策を発表/厚労省

 厚生労働省は2022年10月13日、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザが同時流行した場合の外来受診の流れを発表した。重症化リスクに応じて受診方法が2つに分かれており、発熱外来の受診は原則として重症化リスクの高い患者(小学生以下の子供、妊婦、基礎疾患を有する人、高齢者など)に限られる。  重症化リスクの高い患者は、発熱外来、かかりつけ医、地域外来・検査センターを速やかに受診する。新型コロナ、インフルエンザの検査を実施し、陽性だった場合は自宅療養や入院となる。

早起きをして1日を活動的に過ごす高齢者は認知機能が衰えにくい

 毎朝7時前に起床し、1日を通して活動的に過ごす習慣のある65歳以上の人は、1日の活動パターンがきっちりと決まっていない人に比べて、認知機能検査の成績が良く、抑うつ症状を有する可能性も低いことが明らかになった。米ピッツバーグ大学精神病学分野のStephen Smagula氏らが実施したこの研究の詳細は、「JAMA Psychiatry」に8月31日掲載された。  この研究は、米国全国健康栄養調査(NHANES)の2011年から2014年の縦断データを解析したもの。目的は、米国の高齢者に典型的な1日の活動パターンというものがあるのかどうか、また、それらのパターンが認知機能やメンタルヘルスに関連するのかどうかを調べることであった。対象は65歳以上の1,800人(平均年齢72.9歳、女性57%)で、平均6.9日にわたって手首に付けた活動量計で活動量が記録されていた。対象者はさらに、質問票を通して抑うつ症状と認知機能についても評価されていた。

4回目接種後、高齢者の入院予防効果はどれだけ上がるか/BMJ

 中等症~重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンの有効性は、3回目接種後に経時的に低下したが、4回目接種が推奨されたほとんどのサブグループで追加ブースター接種により改善することが、米国疾病予防管理センター(CDC)のJill M. Ferdinands氏らが実施した検査陰性デザインによる症例対照研究で示された。COVID-19のBNT162b2(ファイザー製)/mRNA-1273(モデルナ製)ワクチンは、有効性が経時的に低下し追加接種で上昇することが臨床研究で示唆されているが、この傾向が年齢、免疫不全状態、ワクチンの種類や接種回数でどのように変化するかは不明であった。

塩野義のコロナ治療薬、発症予防検証の第III相試験を12月に開始

 塩野義製薬は、10月11日に行われたR&D Day 2022にて、同社が開発中の新型コロナウイルス(COVID-19)経口治療薬ensitrelvir(S-217622)について、症状の発生抑制効果を検証するため、SARS-CoV-2感染症患者(初発患者)の同居家族を対象とした第III相臨床試験(SCORPIO-PEP試験)を、日本と米国などで2022年12月より開始する予定であることを発表した。また、6~12歳未満の軽症・中等症を対象とした日本での第III相試験や、入院患者を対象とした米国、欧州などでの第III相試験を、ともに2022年11月から実施することなども明らかにした。

片頭痛患者のスマホ使用が痛みの強さや治療に及ぼす影響~多施設横断比較研究

 スマートフォンユーザーは、世界中で飛躍的に増加している。スマートフォン使用中または使用後にみられる症状として、頭痛、睡眠障害、物忘れ、めまい、その他の疾患などが挙げられる。また、片頭痛は身体的衰弱を伴う疾患であり、身体障害の原因として世界で2番目に多い疾患といわれている。パキスタン・Jinnah Medical and Dental CollegeのMehwish Butt氏らは、スマートフォンの使い過ぎが片頭痛患者の障害レベル、痛みの強さ、睡眠の質、全体的なQOLにどのような影響を及ぼすかを明らかにするため、本研究を実施した。その結果、スマートフォンの使い過ぎは、片頭痛患者の痛みを増強させ、薬物治療効果を減弱させる可能性が確認された。このことから著者らは、片頭痛患者は症状悪化を避けるために、スマートフォンの使用を制御することが推奨されるとしている。Brain and Behavior誌オンライン版2022年9月20日号の報告。

コーヒーが一部の前立腺がん患者の生存期間を延長?

 一部の前立腺がん患者にとって、コーヒーを飲むことは単に気分転換になるだけでなく、生存期間の延長につながるかもしれない。その可能性を示唆するデータが報告された。米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのJustin Gregg氏らの研究によるもので、詳細は「European Urology Oncology」に8月19日掲載された。  論文の筆頭著者であるGregg氏は、「研究はまだ初期段階だが、遺伝的にカフェインの代謝速度が速い前立腺がん患者では、コーヒー摂取量と生存期間との間に関連があることが分かった。この関連をより深く突き詰めていく作業に、非常に興奮している。前立腺がんと診断された人々の生活スタイルと予後との関係を、さらに調査する必要がある」と語っている。