産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:78

プロゲスチン単独避妊薬は静脈血栓塞栓症リスクを増大させない

 プロゲスチンのみを含有する経口避妊薬は、女性の静脈血栓塞栓症のリスクを増大させないことが、米国・Lahey Clinic(マサチューセッツ州、バーリントン)のSimon Mantha氏らの検討で示された。ホルモン系避妊薬による静脈血栓塞栓イベントのリスクは、エストロゲンの量およびプロゲスチンの剤型の影響を受ける。静脈血栓塞栓症の発症リスクが高い女性(産後、遺伝性血栓性素因、静脈血栓塞栓症の既往など)は、プロゲスチン単独による避妊が好ましいとされるが、プロゲスチン単独避妊薬と血栓の関連を評価したデータはわずかだという。BMJ誌2012年9月1日号(オンライン版2012年8月7日号)掲載の報告。

プライマリ・ケアでの女性へのパートナーの暴力に関するスクリーニング、QOLは改善せず

 プライマリ・ケアで行われている、女性に対するパートナーの暴力に関するスクリーニングや関連プログラムの紹介は、身体的・精神的QOLスコアの改善にはつながらないことが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のJoanne Klevens氏らが、約2,700人の女性について行った無作為化比較試験の結果で、JAMA誌2012年8月15日号で発表された。パートナーの暴力に関するスクリーニングは、多くの医療機関で実施されているが、患者のアウトカムに与える影響についてのエビデンスは乏しかったという。

米国在住HIV感染者のうち、米国外出生者は16.2%

 米国在住で2007~2010年にヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の診断を受けた約19万人のうち、16.2%が米国外出生者だったことが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のAdria Tassy Prosser氏らが、CDCに報告されたデータを調べ明らかにしたもので、JAMA誌2012年8月8日号で発表した。国内生まれの感染者と国外生まれの感染者とでは疫学的な特性が異なるという。

男女間のHIV-1感染、抗レトロウイルス薬の曝露前予防的投与により有意に低下

 抗レトロウイルス薬の曝露前投与による男女カップル間のHIV-1感染防御について検討した無作為化試験の結果、感染率の有意な低下が示され、防御効果があることが報告された。試験は、米国・ワシントン大学のJ.M. Baeten氏ら「Partners Preexposure Prophylaxis(PrEP)試験」グループが、テノホビル(TDF、商品名:ビリアード)およびテノホビル配合剤(TDF-FTC、商品名:ツルバダ)についてプラセボとの対照で検討した結果で、単剤、配合剤ともに男女間の感染を防御することが報告された。NEJM誌2012年8月2日号(オンライン版2012年7月11日号)掲載報告より。

太り過ぎの乳がん患者の二次原発がんリスクは有意に高い!肥満による大腸がん発症の相対リスクは1.89

乳がん患者における二次原発がん発生率とBMI(Body Mass Index)との関連が、いくつかの観察研究で検討されている。この関連の強さを評価するために、フランスのDruesne-Pecollo N氏らがエビデンスの系統的レビューとメタアナリシスを行った。解析の結果、肥満により二次原発がんのリスクは有意に増加することが認められ、太り過ぎや肥満の患者を減少させるための予防対策が重要であることが示唆された。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2012年8月5日号における報告。

HIVとHCV重複感染者、肝線維化進むほど肝細胞がんや死亡リスク増大

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)とC型肝炎ウイルス(HCV)の重複感染者では、肝線維化が進んでいるほど末期肝疾患・肝細胞がん・死亡の複合リスクが増大することが明らかにされた。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のBerkeley N. Limketkai氏らが、600人超の患者について行った、前向きコホート試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月25日号で発表した。

子宮頸がんリスク、子宮頸部細胞診正常でHPV陰性ならHIV感染による増大なし

子宮頸部細胞診が正常で発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)陰性の女性において、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の有無による、高度扁平上皮内病変以上(HSIL+)や子宮頸部上皮内腫瘍2以上(CIN2+)の、5年発症リスクの増大は認められないことが報告された。米国・Albert Einstein College of MedicineのMarla J. Keller氏らが、約700人の女性について行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月25日号で発表した。

妊娠高血圧腎症の診断、スポット尿による尿蛋白/クレアチニン比が有用

妊娠高血圧腎症が疑われる妊婦では、スポット尿を用いた尿蛋白/クレアチニン比の評価が、重度蛋白尿の検査法として有用なことが、英国・バーミンガム大学のR K Morris氏らの検討で示された。妊娠高血圧腎症は多系統的血管内皮障害(multisystem endothelial disease)で、糸球体血管内皮症を来し、重症化すると腎機能障害や腎不全に至る。妊婦および周産期の合併症や死亡の主な原因で、妊婦の2~8%が罹患するという。スポット尿検体を用いた尿蛋白/クレアチニン比は24時間尿蛋白の予測値とよく相関し、妊娠高血圧腎症の診断法として有望視されている。BMJ誌2012年7月21日号(オンライン版2012年7月9日号)掲載の報告。

出産前からの複数回訪問指導で小児肥満リスクを低下

出産前から2歳時まで、家族にフォーカスした訪問看護師による複数回の早期介入を行うことで、2歳時のBMI値が低下し、小児肥満症リスク因子の改善効果が示されたことが、オーストラリア・シドニー大学のLi Ming Wen氏らによる無作為化試験の結果、報告された。オーストラリアでは2~3歳児の5人に1人が過体重もしくは肥満で、乳幼児栄養(離乳食への切り替え時期や子どもの食習慣、テレビ視聴時間など)についての出産前を含む早期介入が提唱されているという。成人後の食習慣にも影響する乳幼児栄養の早期リスク因子について、低下層地域に多くみられるとのエビデンスが示されており、試験はシドニーの低下層地域で行われた。BMJ誌2012年7月14日号(オンライン版2012年6月21日号)掲載報告より。