泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

第23回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2026

 日本臨床腫瘍学会は、2026年2月28日にプレスセミナーを開催し、3月26~28日に横浜で開催される第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)の注目演題などを紹介した。  今回のテーマは「Medical Oncologists for Cancer Patients」。これは、2025年9月19日に「がん薬物療法」領域が日本専門医機構によりサブスペシャルティ領域として正式に承認されたことを受けて、もう一度学会としてどのようにメディカルオンコロジスト(腫瘍内科医)を育成すべきかを考えるという意図が込められている。なお、がん薬物療法専門医は2025年4月1日時点で1,825人が認定されている。

男性の性機能障害、3つのリスク因子とは/順大

 不妊治療開始前の新婚または結婚予定男性の約5人に1人が性機能障害を有することが、日本の単施設研究で明らかになった。順天堂大学医学部附属浦安病院の谷口 歩氏らによる研究成果は、Reproductive Medicine and Biology誌2026年1月号に掲載された。  本研究は、新婚男性または結婚予定男性の性機能の現状を把握することを目的とした横断研究であり、2014年10月~2018年6月に順天堂大学医学部附属浦安病院および関連クリニックで各種不妊検査を受けた男性719例を対象とした。患者を直接面接し、性機能を評価した。

複数のがん種で診断後の運動量とがん死亡リスク低下が関連

 これまでの研究で、一部のがん種では身体活動ががんの発症や再発・死亡リスク低下と関連することが報告されている。しかし、乳がん、大腸がん、前立腺がん以外のがん種における身体活動とがん死亡に関するエビデンスは限られている。今回、米国がん協会のErika Rees-Punia氏らは、身体活動とがん死亡との関連が十分に検討されてこなかった7種のがん(膀胱がん、子宮体がん、腎がん、肺がん、口腔がん、卵巣がん、直腸がん)の患者を対象に、診断後の身体活動量、および診断前後の身体活動量の変化とがん死亡リスクとの関連を検討する観察研究を実施した。結果はJAMA Network Open誌2026年2月17日号に掲載された。

PPIやNSAIDsの併用、ICIの有効性に影響せず

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)治療中、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの一般的な併用薬が治療効果に影響するとの報告があるが、その因果関係には議論がある。米国・ミシガン大学のDaria Brinzevich氏らは、米国退役軍人保健局(VHA)の全国データベースを用い、非小細胞肺がん(NSCLC)患者における一般的併用薬とICI治療成績の関連を検証した。Cancer誌オンライン版2025年12月15日号掲載の報告。  2005~23年に治療を受けたStageⅣのNSCLC患者のうち、1次または2次治療でICI(n=3,739)または化学療法(n=6,585)を受けた患者を対象とした。

オキシブチニンが前立腺がんのホットフラッシュを大幅に軽減

 過活動膀胱の治療に使われる薬であるオキシブチニン塩酸塩(以下、オキシブチニン)が、前立腺がんのホルモン療法であるアンドロゲン除去療法(ADT)を受けている男性のほてり(ホットフラッシュ)軽減にも有効であることが、ランダム化比較試験で示された。オキシブチニン(5mg、2.5mg)群ではプラセボ群と比較して、1日当たりのホットフラッシュの回数が有意に減少し、症状による生活への支障度も有意に改善したという。米メイヨー・クリニックの放射線腫瘍科医であるBradley Stish氏らによるこの研究結果は、「Journal of Clinical Oncology」に1月26日掲載された。Stish氏は、「これらの結果は、この困難で見過ごされがちな前立腺がん治療の副作用を管理する上で、オキシブチニンが有効な選択肢であることを強く支持するものだ」と話している。

膀胱がんへの周術期EV+ペムブロリズマブ、EFS・OS改善(KEYNOTE-905/EV-303)/NEJM

 筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)でシスプラチンベース化学療法適応外の患者において、エンホルツマブ ベドチン(ネクチン-4を標的とする抗体薬物複合体)+ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)併用療法による周術期治療は、手術単独と比較して2年時の無イベント生存率(EFS)が有意に優れ、全生存率(OS)も改善することが示された。ベルギー・Integrated Cancer Center GhentのChristof Vulsteke氏らKEYNOTE-905/EV-303 Investigatorsが、「KEYNOTE-905/EV-303試験」の結果を報告した。MIBCの標準治療は、シスプラチンベースの術前化学療法と骨盤リンパ節郭清+根治的膀胱全摘除術であるが、ほぼ半数の患者が腎機能障害、高齢、併存疾患などの理由で適応外となり、手術単独による治療を受ける。これらの患者は、術前・術後の周術期治療により、アウトカムの改善の可能性が示唆されていた。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年2月18日号に掲載された。

日本発、期待の新薬をどう使うか?(解説:岡慎一氏)

islatravirは、世界初のエイズ治療薬AZTを開発した満屋 裕明博士が開発した日本発の新薬である。満屋氏は、これまでにも数多くの抗HIV薬を世に送り出し、抗HIV薬創薬の世界的権威であるが、その満屋氏が「この薬剤はすごい!」と話している。どうすごいかというと、とにかく試験管内での抗HIV効果がきわめて強いことと、細胞毒性が見られないらしい。要するに、「よく効いて安全である」ということになる。本臨床試験であるが、現在の非常に強力な3剤併用療法と、ドラビリンとの2剤の合剤1日1回服用を無作為割り付けで比較し、非劣性が証明されている。

HIV-1感染症、ARTからドラビリン+islatravir切り替えによる有効性・安全性を確認/Lancet

 HIV-1感染症治療においてドラビリン/islatravir配合錠は、有効かつ良好な忍容性を示す、初となる非インテグラーゼ阻害薬(INSTI)ベースの2剤併用療法として有望であることが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のChloe Orkin氏らによる第III相無作為化実薬対照非盲検非劣性試験で示された。すべての国際ガイドラインでは、INSTIを含むレジメンが第1選択薬として推奨されているが、INSTI耐性の出現を示すWHOのデータが示されたことから懸念が生じている。ドラビリン/islatravir配合錠は、2つの強力な抗ウイルス薬からなる開発中の1日1回投与の配合錠で、相補的な作用機序および耐性プロファイルを有する。

男性アスリート、競技前の禁欲はパフォーマンスに影響するか

 運動前の性的活動が運動パフォーマンスに及ぼす影響については、いまだに議論がされている。このテーマについて、スペインのバリャドリッド大学医学部神経生物学研究グループのDiego Fernandez-Lazaro氏の研究グループは、男性アスリートを対象に運動前のマスターベーションが、その後の運動に影響するかどうかを検討した。その結果、運動前のマスターベーションは、運動パフォーマンスにネガティブな影響を及ぼさないことがわかった。この結果は、Physiology&Behavior誌2026年4月号に掲載された。

泌尿器科ロボット支援手術、遠隔手術が現地手術に非劣性/BMJ

 泌尿器科領域のロボット支援手術(根治的前立腺全摘除術、腎部分切除術)では、遠隔手術は現地手術に対し成功率に関して非劣性であり、遠隔手術システムは1,000~2,800kmの距離で安定して稼働し、合併症や早期回復、腫瘍学的アウトカム、医療チームの作業負担などにも有意差を認めないことが、中国・Chinese PLA General HospitalのYe Wang氏らTeleS Research Groupが実施した「TeleS研究」で示された。研究の成果は、BMJ誌2026年1月28日号で報告された。