泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

抗菌薬が腸内環境を変える期間は想像以上に長い

 抗菌薬は、危険な感染症を治療する重要な薬として知られている。しかし、新たな研究で、抗菌薬はこれまで考えられていた以上に長期間にわたり身体に影響を残す可能性が示された。約1万5,000人の成人を対象とした研究で、特定の抗菌薬が腸内マイクロバイオームに対して、最長で約8年にわたり影響を及ぼすことが明らかになった。ウプサラ大学(スウェーデン)のGabriel Baldanzi氏らによるこの研究結果は、「Nature Medicine」に3月11日掲載された。  この研究では、スウェーデンの3つの大規模コホート研究のデータを統合して、8年間の抗菌薬の使用歴と腸内マイクロバイオームとの関連を検討した。

がんサバイバーの運動習慣、死亡だけでなく要介護化リスクとも関連

 がん医療の進歩により、がんサバイバーは増加しているが、その後の生活機能や自立の維持は重要な課題となっている。今回、日本の大規模データを用いた研究で、がんサバイバーにおける日常的な身体活動が、死亡だけでなく新規の要介護認定リスクとも関連する可能性が示された。研究は、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の中塚清将氏、国立長寿医療研究センター老年社会科学研究部の小野玲氏、九州大学大学院医学研究院の福田治久氏らによるもので、詳細は2月16日付で「BMJ Open」に掲載された。

高齢者のがん薬物療法GLの改訂ポイント【泌尿器】/日本臨床腫瘍学会

 『高齢者のがん薬物療法ガイドライン 改訂第2版』が2026年3月25日に発刊され、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)のシンポジウムで全17項目のクリニカルクエスチョン(CQ)が解説された。初版には泌尿器領域のCQはなかったため、すべて新規で尿路上皮がん(CQ15)、前立腺がん(CQ16)、腎がん(CQ17)の3つのCQが設定された。  推奨:転移性尿路上皮がんに対して免疫チェックポイント阻害薬単剤療法や併用療法を、高齢者や超高齢者に対して弱く推奨する。

感染症の届け出基準を一部改正、多剤耐性緑膿菌感染症を全数把握へ/厚労省

 厚生労働省は、感染症法に基づく対象の感染症の届け出について、「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」を一部改正し、これまで定点把握の対象であった「薬剤耐性緑膿菌感染症」を全数把握の対象とし、名称を「多剤耐性緑膿菌感染症」と変更した。また、同感染症の届出のために必要な検査所見などについて、判定基準値が一部変更された。同改正は令和8年4月6日より適用されている。  「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」第6について、下記のとおり改正する。

局所進行前立腺がん、エストラジオールパッチの有効性は?/NEJM

 局所進行前立腺がん患者において、アンドロゲン除去療法としての経皮エストラジオール(tE2)は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストに対して、3年無転移生存(MFS)率に関して非劣性であることが示された。ただし、ほてりの発現割合は低かったものの、女性化乳房の発現割合が高かったという。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRuth E. Langley氏らSTAMPEDE-1 and PATCH Investigatorsが、アダプティブデザインの無作為化非盲検非劣性試験「STAMPEDE-1試験」および「PATCH試験」の結果を報告した。tE2は、前立腺がん患者におけるアンドロゲン除去療法としてLH-RHアゴニストに代わる選択肢である。tE2により、テストステロンが抑制され、LH-RHアゴニストによるエストロゲン欠乏の副作用や、経口エストロゲンによる血栓塞栓症の副作用が軽減される可能性があった。NEJM誌オンライン版2026年3月25日号掲載の報告。

尿路結石の再発予防、水分摂取への介入は無効/Lancet

 尿路結石再発予防のための水分摂取を促す行動介入プログラムは、ガイドラインベースのケアと比較して、2年間の追跡期間中、症候性の結石再発を減少させず、尿量増加もわずかだった。米国・セントルイス・ワシントン大学のAlana C. Desai氏らUrinary Stone Disease Network Investigatorsが、アドヒアランス介入に関する無作為化試験の結果を報告した。尿路結石の再発リスク減少のために水分摂取量を増やすことが広く推奨されているが、アドヒアランスが課題となっている。水分摂取量を維持するための介入効果について、これまで十分に試験されていなかった。Lancet誌2026年3月21日号掲載の報告。

新生児のフェニルケトン尿症に対応する治療薬発売/PTCセラピューティクス

 PTCセラピューティクスは、フェニルケトン尿症(PKU)の治療薬セピアプテリン(商品名:セピエンス)顆粒分包を2026年3月18日に発売した。  PKUは、まれに起こる先天性代謝異常疾患であり、フェニルアラニン(Phe)と呼ばれる必須アミノ酸を分解できないことが特徴で、神経学的症状やその他の症状を引き起こす。未治療や管理が不十分な状態が続き、Pheが体内に有害なレベルまで蓄積した結果、長年にわたり知的障害、痙攣発作、発達遅延、認知能力低下、行動および感情の問題など、重度かつ不可逆的な障害が生じる。現在、新生児ではスクリーニングで診断が行われており、世界中で約5万8,000人の患者が推定されている。

抗コリン薬の使用は心血管イベントリスクの上昇と関連

 抗コリン薬と呼ばれる一般的な薬剤の使用が、心不全などの重篤な心血管疾患のリスク上昇と関連する可能性が新たな研究で示された。抗コリン薬を最も多く使用していた人では、非使用者と比べて心血管イベントリスクが71%高かったという。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のHong Xu氏らによるこの研究の詳細は、「BMC Medicine」に2月28日掲載された。ただし、本研究は観察研究であり、抗コリン薬が心疾患を直接引き起こすことを証明したものではない。  抗コリン薬は、神経伝達物質のアセチルコリンの働きを抑える薬剤で、睡眠補助薬や抗ヒスタミン薬、尿失禁治療薬、一部の抗うつ薬などさまざまな処方薬や市販薬に含まれている。

1次治療前のがん遺伝子パネル検査の結果が生存期間を延長する可能性(FIRST-Dx)/日本臨床腫瘍学会

 1次治療前からのがん遺伝子パネル検査(CGP検査)は推奨治療を受けた患者の生存を改善するという結果が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)において報告された。  日本でのCGP検査は2019年6月から保険診療で実施可能となったが、その適応は「標準治療がない、もしくは終了した症例」に限られている。そのため、CGP検査の結果から、有効な治療薬に到達する割合は低い。厚生労働省第12回がんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議資料では、CGP検査結果に基づいた治療を実際に受けた症例は8.2%にとどまる。

薬剤師による尿培養陽性患者のフォローアップが抗菌薬の適正使用を支援

 薬剤師が主導するフォローアッププログラムが尿培養陽性となった患者におけるantimicrobial stewardship(抗菌薬適正使用支援)を改善した。  この後ろ向きコホート研究では、救急外来(ED:emergency department)または緊急治療センター(UC:urgent care)を受診した際に尿培養検査で陽性反応が出た成人女性患者を対象とした。薬剤師がフォローアップと症状評価のために連絡を取り、尿路症状のある患者には抗菌薬療法を開始または変更し、症状のない患者には新たな抗菌薬処方は行わなかった。