泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

腎細胞がん1次治療、ミヤBM併用でICIの有効性高まる可能性/ASCO2026

 転移を有する腎細胞がん(mRCC)への1次治療において、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を含むレジメンに生菌製剤であるCBM588(ミヤBM)を追加することで、臨床的活性が高まる可能性が示唆された。さらに、便のメタゲノム解析により、腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオシス)を有する患者においてCBM588追加の恩恵がより大きいことが明らかになった。米国・City of Hope Comprehensive Cancer CenterのRahul Winayak氏が、2つの第I相無作為化比較試験(NCT038291111)、NCT051225462))の統合解析結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO 2026)で報告した。 ・対象:未治療のmRCC患者 ・試験群(CBM588群):標準治療(ニボルマブ+イピリムマブまたはニボルマブ+カボザンチニブ)+CBM588 39例

mHSPCへのADT+ARPI、休薬は可能か(A-DREAM)/ASCO2026

 転移を有するホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)に対するアンドロゲン除去療法(ADT)とアンドロゲン受容体経路阻害薬(ARPI)の併用療法は生存期間を延長する一方で、継続的な投与による累積的な毒性や医療費の負担が課題となっている。米国・Dana-Farber Cancer InstituteのAtish D. Choudhury氏らは、ADT+ARPIに良好な反応を示した患者を対象に、投与を休止することが可能かどうかを検討したA-DREAM(Alliance A032101)試験の結果を、米国臨床腫瘍学会(ASCO 2026)で発表した。 ・試験デザイン:第II相単群試験 ・対象:ADT(18~24ヵ月)+ARPI(12ヵ月以上)の併用療法を受け、PSAが0.2ng/mL未満に低下・安定しているmHSPC患者 78例 ・介入方法:ADT+ARPIの投与を休止し、3ヵ月ごとにPSA値およびテストステロン値の測定、6ヵ月ごとのCT/MRIおよび骨シンチグラフィ(PSA値上昇がみられた場合は3ヵ月ごと)、QOL評価を実施 ※PSA 5ng/mL以上、画像所見上の変化(CT/MRIでのRECIST 1.1に基づく疾患進行[PD]、または骨シンチグラフィでのPCWG3に基づく未確定のPD)、あるいは前立腺がん関連症状が認められた場合は投与再開 ・評価項目: [主要評価項目]投与休止後18ヵ月時点で、テストステロン値が回復(≧150ng/dL)し投与休止を継続している患者の割合 [副次評価項目]テストステロン値≧150ng/dLへの回復までの期間、投与休止期間、QOL [探索的評価項目]画像上の無増悪生存期間(rPFS)、全生存期間(OS)、費用

未治療尿路上皮がんへのEV+ペムブロリズマブ、3.5年の長期解析結果(EV-302/KEYNOTE-A39)/ASCO2026

 EV-302/KEYNOTE-A39試験の結果に基づき、エンホルツマブ ベドチン(EV)+ペムブロリズマブ併用療法は、未治療の局所進行または転移を有する尿路上皮がんに対する標準治療となっている。英国・Barts Cancer InstituteのThomas Powles氏は、米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で、3.5年時点における同試験のフォローアップ解析結果を発表した。 ・対象:未治療の局所進行/転移を有する尿路上皮がん患者(GFR≧30mL/分、ECOG PS≦2)

1晩2回以上の夜間頻尿、日本人男性40歳以上の3割~2023年全国調査

 夜間に2回以上の排尿はQOLの低下や死亡リスクの増加と関連することが報告されている。今回、山梨大学の吉良 聡氏らが2023年日本における大規模疫学調査(Japan Community Health Survey:JaCS 2023)の参加者において調査した結果、1晩に2回以上と定義される夜間頻尿の有病率は加齢により増加し、男女共に年齢、パフォーマンスステータス(PS)1以上、不眠、高血圧が夜間頻尿と有意に関連していた。International Journal of Urology誌2026年5月号に掲載。  本研究は、下部尿路症状と日常生活に関する48項目の質問票から成る全国規模のオンライン調査であるJaCS 2023のデータを用い、20~99歳の参加者6,210人を対象に評価を行った。

高リスク前立腺がんへの周術期アパルタミド+ADT、主要評価項目達成(PROTEUS)/ASCO2026

 高リスクの限局性または局所進行前立腺がん患者では、根治的前立腺全摘除術(RP)後に約50%の患者で再発が認められる。RPの術前および術後に実施するアパルタミド+ADT併用療法は、プラセボ+ADTとの比較において、RPの治癒成功率を高め、無転移生存期間(MFS)を有意に改善した。日本も参加して行われた第III相PROTEUS試験の最終解析結果を、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のMary-Ellen Taplin氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。なお、本解析結果はNEJM誌オンライン版2026年5月31日号に同時掲載されている1)。

複雑性尿路感染症と腎盂腎炎、nacubactam併用で有効かつ安全な治療法は/Lancet

 グラム陰性菌による複雑性尿路感染症(cUTI)または急性単純性腎盂腎炎(AP)患者において、イミペネム/シラスタチンとの比較により、セフェピム/nacubactamおよびアズトレオナム/nacubactam併用投与の有効性および安全性が確認された。札幌医科大学の高橋 聡氏らが、「Integral-1試験」の結果を報告した。nacubactam(OP0595)は、新たに開発されたジアザビシクロオクタン系β-ラクタマーゼ阻害薬で、セフェピムまたはアズトレオナムとの併用投与により、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌および第3世代セファロスポリン耐性腸内細菌目細菌(ESBL産生菌を含む)に対する強力な活性を示すことが確認されていた。Lancet誌2026年5月16日号掲載の報告。

男性の生殖能力低下、一部のがんリスク上昇と関連

 男性不妊症が一部のがんのリスクと関連しているとする研究結果が報告された。ルンド大学(スウェーデン)のMichael Kitlinski氏らが、1973年以降に同国内で生まれた全ての人の医療記録(Medical Birth Register;MBR)を用いて明らかにしたもので、研究結果は「European Journal of Epidemiology」に2月21日掲載され、4月16日に同大学からリリースが発行された。リリースにおいてKitlinski氏は、「生殖能力が低下している男性は、自然妊娠で父親になった男性と比べて、大腸がんのリスクは約2倍であり、甲状腺がんのリスクは約3倍であることが分かった」と述べている。

未治療の梅毒は心血管イベントリスクを高める

 梅毒は、長期間治療されないまま放置すると、心血管系の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるとする研究結果が報告された。梅毒は大動脈瘤または大動脈解離などの血管イベントのリスクを約2倍に高め、さらに脳卒中や心筋梗塞の発症リスクも大幅に上昇させることが明らかになった。この研究の詳細は、「JAMA Network Open」に4月13日掲載された。  論文の筆頭著者である米テュレーン大学医学部のEli Tsakiris氏は、「心血管疾患は米国における主要な死因である。最近の梅毒罹患者の増加傾向を考えると、この関連性は梅毒リスクの高い患者を診療する全ての医療従事者が認識すべき重要な問題だ」とニュースリリースで述べている。

女性の単純性尿路感染症、nitrofurantoinが有効/Lancet

 女性の単純性尿路感染症(UTI)に対する治療は、nitrofurantoinが最も有効であり、次いでpivmecillinam、ホスホマイシン2回投与の順で、ホスホマイシン単回投与が最も有効性が低いことが、スペイン・Institute for Primary Health Care Research Jordi Gol i GurinaのCarl Llor氏らが同国のプライマリケア34施設で実施したプラグマティックな第IV相無作為化非盲検臨床試験「SCOUT試験」の結果で示された。ほとんどのガイドラインでは、単純性UTIに対しnitrofurantoin、ホスホマイシン、場合によってはpivmecillinamの投与が推奨されているが、これらの直接比較が求められていた。

尿路感染症疑いの適切な外来トリアージとは?推奨を発表

 尿路感染症(UTI)疑いの成人患者に対する外来トリアージについて、経験的抗菌薬投与、尿検査および診察方法の妥当性を検討し、推奨事項をまとめたコンセンサス声明が、「JAMA Network Open」に2月2日掲載された。  米退役軍人省(VA)アナーバー医療システムのJennifer Meddings氏らは、UTIが疑われる成人患者に対するトリアージおよび管理方針の妥当性を評価するため、研究論文のスコーピングレビューを実施した。136の臨床シナリオごとに最大9つの管理戦略の妥当性が評価された。