泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

男性アスリート、競技前の禁欲はパフォーマンスに影響するか

 運動前の性的活動が運動パフォーマンスに及ぼす影響については、いまだに議論がされている。このテーマについて、スペインのバリャドリッド大学医学部神経生物学研究グループのDiego Fernandez-Lazaro氏の研究グループは、男性アスリートを対象に運動前のマスターベーションが、その後の運動に影響するかどうかを検討した。その結果、運動前のマスターベーションは、運動パフォーマンスにネガティブな影響を及ぼさないことがわかった。この結果は、Physiology&Behavior誌2026年4月号に掲載された。

泌尿器科ロボット支援手術、遠隔手術が現地手術に非劣性/BMJ

 泌尿器科領域のロボット支援手術(根治的前立腺全摘除術、腎部分切除術)では、遠隔手術は現地手術に対し成功率に関して非劣性であり、遠隔手術システムは1,000~2,800kmの距離で安定して稼働し、合併症や早期回復、腫瘍学的アウトカム、医療チームの作業負担などにも有意差を認めないことが、中国・Chinese PLA General HospitalのYe Wang氏らTeleS Research Groupが実施した「TeleS研究」で示された。研究の成果は、BMJ誌2026年1月28日号で報告された。

前立腺肥大症はうつ病および不安症のリスクと関連

 前立腺肥大症(BPH)はうつ病および不安症のリスク上昇と関連しており、うつ病に対する因果関係が遺伝的根拠によって支持されるとする研究結果が、「International Journal of Psychiatry in Clinical Practice」に11月5日掲載された。  中南大学湘雅第三医院(中国)のJinjing Guo氏らは、UKバイオバンクから得られた横断的・縦断的・遺伝的データを用いて、22万9,001人を対象にBPHとメンタルヘルスとの関連を検討した。ベースラインでの関連を評価したうえで、7年間追跡した5万1,805人および14.9年間追跡した17万1,228人における前向きリスク(ハザード)も評価した。因果関係の特定にはメンデルランダム化解析を用いた。

睡眠データから130種類の疾患リスクを予測可能か

 眠っている間に体はさまざまな「メッセージ」を発しており、それを読み取ることで将来の重大な病気のリスクを予測できる可能性のあることが、新たな研究で示された。「SleepFM」と呼ばれる人工知能(AI)を用いた実験的な睡眠基盤モデルは、ポリソムノグラフィー(PSG)データを用いて、約130種類の疾患・健康状態の将来のリスクを予測できるという。米スタンフォード大学医学部生物医学データサイエンス分野のJames Zou氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Medicine」に1月6日掲載された。研究グループは、「SleepFMは、がん、妊娠合併症、心疾患、精神疾患など、非常に幅広い疾患の予測において高い性能を示した。また、全死亡リスクの予測も可能だった」と述べている。

日本人既婚男性の性機能が顕著に低下~30年前と比較

 本邦の男性不妊を対象とした研究では、勃起機能不全による不妊の増加が報告されている。そこで、佐藤 嘉一氏(三樹会泌尿器科病院)らの研究グループは、日本人男性を対象として1991年と2023年に実施された調査のデータを用いて、性機能、性交頻度の変化を検討した。その結果、2023年調査では、1991年調査と比較して既婚男性の勃起硬度、早朝勃起の頻度、性交頻度が低下していることが示された。とくに若年・中年層での性機能の低下が顕著であった。本研究結果はInternational Journal of Urology誌2026年1月号で報告された。  研究グループは、日本性機能学会が2023年に実施した全国調査(性機能障害全国実態調査:2023年調査)と、札幌医科大学泌尿器科が1991年に実施した調査(1991年調査)のデータを比較した。

加工食品、がん罹患リスクと関連する保存料は?/BMJ

 フランス・ソルボンヌ・パリ・ノール大学のAnais Hasenbohler氏らは大規模前向きコホート研究において、加工食品で広く使用されている保存料の摂取と、がん(全体、乳がん、前立腺がん)罹患率上昇に、複数の正の関連が観察されたことを報告した。保存料は、微生物や酸化による劣化を防ぐことで保存可能期間を延長する、包装食品に添加される物質。それら保存料については、in vivoおよびin vitroの実験的研究において、終末糖化産物(AGE)ならびに変異原性および潜在的発がん活性に関与する負の影響が示唆されていた。BMJ誌2026年1月7日号掲載の報告。

重度男性不妊、顕微授精時の着床前染色体検査は有益か?/BMJ

 重度男性不妊症で顕微授精(ICSI)を受けるカップルにおいて、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の実施は非実施の場合と比べて、出生率を改善させなかったが、妊娠喪失率の低下は認められた。中国・Zhejiang University School of MedicineのXianhua Lin氏らが多施設共同非盲検無作為化対照試験の結果を報告した。PGT-Aは、生殖補助医療における移植胚の選択法として世界中で利用が増加している。これまでに後ろ向き研究で、出生率の改善が認められないことが報告されているが、前向き研究のエビデンスは不足していた。本検討の結果を踏まえて著者は、「コストの高さや母体および新生児へのリスクといった観点から、ICSIを受ける患者におけるPGT-Aの実施は慎重に検討すべきである」と述べている。BMJ誌2025年12月23日号掲載の報告。

単純性淋菌感染症、単回投与の新規抗菌薬zoliflodacinが有効/Lancet

 単純性淋菌感染症の治療において、zoliflodacinはセフトリアキソン+アジスロマイシンの併用療法に対して非劣性であり、安全性プロファイルは同等であることが、スイス・Global Antibiotic Research & Development PartnershipのAlison Luckey氏らZoliflodacin Phase 3 Study Groupが行った海外第III相無作為化非盲検非劣性試験の結果で示された。淋菌(N. gonorrhoeae)は複数の第1選択薬および第2選択薬に対して耐性を獲得しており、新たな治療薬の開発が世界的な公衆衛生上の最優先事項となっている。zoliflodacinは、新規作用機序で細菌のDNA複製を阻害するファーストインクラスの経口スピロピリミジントリオン系抗菌薬で、新たな標的(GyrB)を有し、多剤耐性菌株を含む淋菌に対して強力なin vitro活性を有することが示されていた。著者は、「本検討で示されたデータは、zoliflodacinが単純性淋菌感染症に有効な経口治療選択肢の1つとなりうる可能性を示唆するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年12月11日号掲載の報告。

男性患者のED・LUTSに潜む肝線維化、FIB-4 indexによる包括的アセスメントの重要性

男性のEDや下部尿路症状(LUTS)は、前立腺やホルモンの問題として扱われることが多い。しかし、新たな研究で、肝臓の状態もこれらの症状に関係している可能性が示された。男性更年期障害(LOH)のある男性2,369人を対象に、肝線維化指標(FIB-4 index)を用いた解析を行ったところ、FIB-4 indexの上昇とEDおよびLUTSの悪化が有意に関連することが明らかになった。研究は順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科の上阪裕香氏、辻村晃氏らによるもので、詳細は10月31日付で「Investigative and Clinical Urology」に掲載された。

夕食時間が蛋白尿に影響、時間帯や患者特性は?

 蛋白尿や微量アルブミン尿は、心血管疾患および全死亡リスク上昇との関連が報告されている。また、いくつかの研究で、夕食時間の遅さと蛋白尿との関連が報告されているが、患者特性などは明らかにされていない。そこで今回、りんくう総合医療センター腎臓内科の村津 淳氏らは、夕食時間の遅さが蛋白尿を来すことを明らかにし、とくに低BMIの男性で強く関連することを示唆した。本研究結果はFront Endocrinol誌2025年11月10日号に掲載された。  研究者らは、夕食時間の遅さと蛋白尿の出現との関連を評価するため、りんくう総合医療センターの健康診断データを用い、推定糸球体濾過量(eGFR)60mL/分/1.73m2以上で腎疾患の既往のない2,127人(男性1,028人、女性1,099人)を対象に横断研究を実施。週3日以上、就寝前2時間以内に夕食を取った参加者を夕食時間が遅い群と定義した。夕食時間による蛋白尿の影響は、臨床的関連因子(年齢、性別、喫煙歴、飲酒歴、既往歴など)を調整したロジスティック回帰モデルを用いて評価した。また、これまでに報告された横断研究では、蛋白尿の有病率はBMI(kg/m2)とJ字型関係を示していることから、今回、男女別でBMIと腹囲を各3群に区分。BMIは、男性では22.3未満、22.3~24.9、24.9以上に分け、女性では20.3未満、20.3~23.0、23.0以上と分けた。ウエスト周囲径(cm)は、男性は83.0未満、83.0~90.1、90.1以上、女性は75.0未満、75.0~83.5、83.5以上として評価した。