泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

男性の生殖能力低下、一部のがんリスク上昇と関連

 男性不妊症が一部のがんのリスクと関連しているとする研究結果が報告された。ルンド大学(スウェーデン)のMichael Kitlinski氏らが、1973年以降に同国内で生まれた全ての人の医療記録(Medical Birth Register;MBR)を用いて明らかにしたもので、研究結果は「European Journal of Epidemiology」に2月21日掲載され、4月16日に同大学からリリースが発行された。リリースにおいてKitlinski氏は、「生殖能力が低下している男性は、自然妊娠で父親になった男性と比べて、大腸がんのリスクは約2倍であり、甲状腺がんのリスクは約3倍であることが分かった」と述べている。

未治療の梅毒は心血管イベントリスクを高める

 梅毒は、長期間治療されないまま放置すると、心血管系の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるとする研究結果が報告された。梅毒は大動脈瘤または大動脈解離などの血管イベントのリスクを約2倍に高め、さらに脳卒中や心筋梗塞の発症リスクも大幅に上昇させることが明らかになった。この研究の詳細は、「JAMA Network Open」に4月13日掲載された。  論文の筆頭著者である米テュレーン大学医学部のEli Tsakiris氏は、「心血管疾患は米国における主要な死因である。最近の梅毒罹患者の増加傾向を考えると、この関連性は梅毒リスクの高い患者を診療する全ての医療従事者が認識すべき重要な問題だ」とニュースリリースで述べている。

女性の単純性尿路感染症、nitrofurantoinが有効/Lancet

 女性の単純性尿路感染症(UTI)に対する治療は、nitrofurantoinが最も有効であり、次いでpivmecillinam、ホスホマイシン2回投与の順で、ホスホマイシン単回投与が最も有効性が低いことが、スペイン・Institute for Primary Health Care Research Jordi Gol i GurinaのCarl Llor氏らが同国のプライマリケア34施設で実施したプラグマティックな第IV相無作為化非盲検臨床試験「SCOUT試験」の結果で示された。ほとんどのガイドラインでは、単純性UTIに対しnitrofurantoin、ホスホマイシン、場合によってはpivmecillinamの投与が推奨されているが、これらの直接比較が求められていた。

尿路感染症疑いの適切な外来トリアージとは?推奨を発表

 尿路感染症(UTI)疑いの成人患者に対する外来トリアージについて、経験的抗菌薬投与、尿検査および診察方法の妥当性を検討し、推奨事項をまとめたコンセンサス声明が、「JAMA Network Open」に2月2日掲載された。  米退役軍人省(VA)アナーバー医療システムのJennifer Meddings氏らは、UTIが疑われる成人患者に対するトリアージおよび管理方針の妥当性を評価するため、研究論文のスコーピングレビューを実施した。136の臨床シナリオごとに最大9つの管理戦略の妥当性が評価された。

尿路感染症治療の新しい迅速抗菌薬検査が登場

 新しい迅速尿検査により、尿路感染症(UTI)の治療がより的確で効果的になる可能性が新たな研究で示された。現状の検査では、個々のUTIに効果的な抗菌薬を特定するまでに2~3日かかるが、新しい検査では約6時間で結果が得られるため、検査当日に適切な抗菌薬を処方できる可能性がある。英レディング大学発のスピンアウト企業であるAstratus Limited社のCEOで、同大学薬学部のOliver Hancox氏らによるこの研究は、「JAC-Antimicrobial Resistance」4月号に掲載された。  Hancox氏は、「現行の検査方法では、結果が届く頃には患者がすでに抗菌薬の服用を終えていたり、効果のない薬を処方されていたりすることがあった。

在宅化学療法は安全に実施できる

 がん患者に対する化学療法は、病院や治療施設で長時間をかけて、点滴で薬剤を静脈に投与するのが通常である。しかし、米メイヨー・クリニック総合がんセンターのRoxana Dronca氏らによる新たな研究で、一部の患者では、自宅でも化学療法を安全に実施でき、患者の負担や煩わしさを大幅に軽減できる可能性が示された。この研究結果は、「NEJM Catalyst」4月号に掲載された。  Dronca氏は、「がん治療は従来、患者が長時間にわたり点滴センターで過ごすことを必要としてきた。しかも多くの場合、その場所は自宅から遠く離れている。

抗菌薬が腸内環境を変える期間は想像以上に長い

 抗菌薬は、危険な感染症を治療する重要な薬として知られている。しかし、新たな研究で、抗菌薬はこれまで考えられていた以上に長期間にわたり身体に影響を残す可能性が示された。約1万5,000人の成人を対象とした研究で、特定の抗菌薬が腸内マイクロバイオームに対して、最長で約8年にわたり影響を及ぼすことが明らかになった。ウプサラ大学(スウェーデン)のGabriel Baldanzi氏らによるこの研究結果は、「Nature Medicine」に3月11日掲載された。  この研究では、スウェーデンの3つの大規模コホート研究のデータを統合して、8年間の抗菌薬の使用歴と腸内マイクロバイオームとの関連を検討した。

がんサバイバーの運動習慣、死亡だけでなく要介護化リスクとも関連

 がん医療の進歩により、がんサバイバーは増加しているが、その後の生活機能や自立の維持は重要な課題となっている。今回、日本の大規模データを用いた研究で、がんサバイバーにおける日常的な身体活動が、死亡だけでなく新規の要介護認定リスクとも関連する可能性が示された。研究は、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の中塚清将氏、国立長寿医療研究センター老年社会科学研究部の小野玲氏、九州大学大学院医学研究院の福田治久氏らによるもので、詳細は2月16日付で「BMJ Open」に掲載された。

高齢者のがん薬物療法GLの改訂ポイント【泌尿器】/日本臨床腫瘍学会

 『高齢者のがん薬物療法ガイドライン 改訂第2版』が2026年3月25日に発刊され、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)のシンポジウムで全17項目のクリニカルクエスチョン(CQ)が解説された。初版には泌尿器領域のCQはなかったため、すべて新規で尿路上皮がん(CQ15)、前立腺がん(CQ16)、腎がん(CQ17)の3つのCQが設定された。  推奨:転移性尿路上皮がんに対して免疫チェックポイント阻害薬単剤療法や併用療法を、高齢者や超高齢者に対して弱く推奨する。

感染症の届け出基準を一部改正、多剤耐性緑膿菌感染症を全数把握へ/厚労省

 厚生労働省は、感染症法に基づく対象の感染症の届け出について、「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」を一部改正し、これまで定点把握の対象であった「薬剤耐性緑膿菌感染症」を全数把握の対象とし、名称を「多剤耐性緑膿菌感染症」と変更した。また、同感染症の届出のために必要な検査所見などについて、判定基準値が一部変更された。同改正は令和8年4月6日より適用されている。  「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」第6について、下記のとおり改正する。