外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:59

HR-/HER2+乳がん術前治療、トラスツズマブ+ペルツズマブ±PTXの予後(ADAPT)/ASCO2021

 ホルモン受容体陰性HER2陽性(HR-/HER2+)の乳がん患者に対する、トラスツズマブ+ペルツズマブ±パクリタキセルによる術前療法の予後に関する有望な結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、ドイツ・West German Study Group(WSG)のNadia Harbeck氏から報告された。  このADAPT試験はWSGにより実施されたオープンラベルの第II相無作為化比較試験である。この試験のpCR率の結果は2017年に公表されており、今回はその生存に関する報告である。また、本試験と同じデザインでのHR-/HER2+集団に対するpCR率の良好な結果は2020年ESMOで公表されている。

HR+/HER2-乳がんに対するパルボシクリブ+フルベストラントの長期予後追跡結果(PALOMA-3)/ASCO2021

 ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)の進行乳がんに対する国際共同大規模臨床試験PALOMA-3(パルボシクリブ+フルベストラント併用療法)の長期追跡結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・Robert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern UniversityのMassimo Cristofanilli氏から発表された。  本試験は二重盲検の第III相無作為化比較試験であり、2018年にその試験プロトコールに則った結果発表がなされており、今回はその後の長期予後追跡結果の報告である。

BRCA変異陽性HER2-早期乳がんへの術後オラパリブ、iDFS改善(OlympiA)/ASCO2021

 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異のあるHER2陰性早期乳がんに対する、術後のオラパリブ投与が、無浸潤疾患生存期間(iDFS)および遠隔無再発生存期間(DDFS)を有意に改善した。米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で、英国・The Institute of Cancer Research and King's College LondonのAndrew Tutt氏が、日本を含む23ヵ国420施設参加の第III相国際多施設共同無作為化プラセボ対照試験(OlympiA試験)の中間解析結果を発表した。なお、この結果はNEJM誌オンライン版2021年6月3日号に同時掲載された。

HR+/HER2-進行乳がんへのribociclib+フルベストラント、OSの最新データ(MONALEESA-3)/ASCO2021

 ホルモン受容体陽性HER2陰性の閉経後進行乳がんに対するribociclib+フルベストラント併用療法の全生存期間(OS)におけるベネフィットが、観察期間中央値56.3ヵ月時点でも維持されたことが、第III相MONALEESA-3試験の最新の解析で示された。米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・David Geffen School of Medicine at UCLAのDennis J. Slamon氏が発表した。OSベネフィットは1次治療、2次治療の両方で認められ、さらに化学療法開始までの期間が大幅に延長することも示された。

がん通院中患者の新型コロナ抗体量は低値、投与薬剤によって差も/国がん

 国立がん研究センターとシスメックスは、2021年6月2日、がん患者における新型コロナウイルスの罹患状況とリスクを評価するため、2020年8月から10月にかけて500人のがん患者と1,190人の健常人について新型コロナウイルスの抗体保有率と抗体量を調査した。  その結果、新型コロナウイルスの罹患歴のない対象では、がん患者、健常人共に抗体保有率は低く、両群で差がないことがわかった。一方、抗体の量は、健常人と比較し、がん患者で低いことが明らかになった。これは年齢、性別、合併症の有無、喫煙歴といった因子で調整しても有意な差を認めた。

パロノセトロン、小児への用法・用量追加承認/大鵬

 大鵬薬品工業とヘルシン・ヘルスケアは、5-HT3受容体拮抗型制吐薬パロノセトロン(製品名:アロキシ)について、2021年5月27日、厚生労働省より小児に対する用法・用量の追加承認を取得した。  今回の追加承認は、主に、生後28日以上18歳以下の小児患者を対象に国内で実施した第III相試験の結果に基づいたもの。主要評価項目である1コースに おける高度又は中等度催吐性抗がん剤投与開始0~120時間後の嘔吐完全抑制(嘔吐性事象なし、制吐処置なし)率は58.6%。

HER2+乳がんの術前薬物療法、アントラサイクリンの有無別の生存率/TRAIN-2試験2次解析

 Stage II/IIIのHER2陽性乳がんの術前薬物療法において、アンスラサイクリンを含む化学療法+トラスツズマブ+ペルツズマブと、アンスラサイクリンを含まない化学療法+トラスツズマブ+ペルツズマブを比較したTRAIN-2試験では、すでに病理学的完全奏効率に差がない(67% vs. 68%)ことが示されている。今回、オランダ・the Netherlands Cancer InstituteのAnna van der Voort氏らのフォローアップ解析により、3年無イベント生存率(EFS)および3年全生存率(OS)も差がないことが示された。また、アントラサイクリンの使用は、発熱性好中球減少症、心毒性、2次がん発症リスクの増加と関連していた。JAMA Oncology誌オンライン版2021年5月20日号に掲載。

ホルモン感受性と年齢別、乳がん後の2次原発がんリスク

 乳がんサバイバーの2次原発がん(SPC)リスクは、ホルモン受容体(HR)の状態と初発がんの診断年齢によって大きく異なる可能性が示唆された。米国がん協会のHyuna Sung氏らによるCancer誌オンライン版2021年5月18日号掲載の報告より。  解析には、米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)の12のレジストリのデータが用いられた。研究者らは1992~2015年までに20~84歳で診断された43万1,222人の乳がんサバイバー(1年以上の生存)を特定。SPCリスクは、標準化された発生率(SIR)および1万人年当たりの過剰絶対リスク(EAR)として測定した。ポアソン回帰モデルを用いてホルモン受容体の状態ごとのSIRが解析された。

ペムブロリズマブ、高リスク早期TN乳がんでEFSを有意に改善/MSD

 MSDは、2021年5月13日、高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)と化学療法の術前併用療法と、それに続くペムブロリズマブの術後単独療法を評価する第III相試験KEYNOTE-522において、主要評価項目の1つである無イベント生存期間(EFS)を達成したと公表した。TNBCに対する術前・術後補助療法としてEFSを統計学的有意に改善したのは、抗PD-1抗体として初。なお、同試験のもう1つの主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)の達成は、2019年の欧州臨床腫瘍会議(ESMO)においてすでに公表・NEJM誌に掲載されている。

FDA、食道・胃食道接合部がんの術後補助療法にニボルマブ承認(CheckMate-577)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年5月20日本日、米国食品医薬品局(FDA)が、術前補助化学放射線療法(CRT)を受け病理学的残存病変を認めた完全切除後の食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がん患者の術後補助療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を承認したことを発表した。  この承認は、術前補助CRTおよび完全切除後に病理学的残存病変を認めた食道がんまたはGEJがん患者を対象に、オプジーボ(532例)とプラセボ(262例)を比較評価した第III相CheckMate-577試験の結果に基づいている。