外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

転移のあるTNおよびHR+/HER2-乳がんへのSG、最大規模のリアルワールドでのOS解析

 転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)および転移を有するホルモン受容体陽性/HER2陰性乳がん(HR+/HER2- mBC)の3次治療でのサシツズマブ ゴビテカン(SG)のリアルワールドにおける生存アウトカムを、フランス・National Agency for Medicine and Health Product Safety(ANSM)/National Health Insurance Center(CNAM)のAya Elhusseiny Shaaban氏らが過去最大規模のリアルワールド研究で評価した。本研究では、全生存期間(OS)中央値はmTNBCで11.0ヵ月、HR+/HER2- mBCで11.4ヵ月であった。British Journal of Cancer誌オンライン版2026年2月5日号に掲載。

日本の高齢進行乳がん患者へのパルボシクリブ+内分泌療法、RWでの転帰

 日本の65歳以上のホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)進行乳がん患者において、パルボシクリブと内分泌療法併用の有効性は、65歳未満と同等であることがリアルワールドデータで示された。昭和医科大学の増田 紘子氏らは、P-BRIDGE試験の年齢群別サブグループ解析結果を、Breast Cancer誌オンライン版2月11日号に報告した。  P-BRIDGE試験は、日本国内で2017~20年に1次または2次治療としてパルボシクリブ+内分泌療法を開始したHR+/HER2-進行乳がん患者693例が組み入れられた多施設共同観察研究。治療転帰および治療パターンを年齢群別(65歳未満、65歳以上75歳未満、75歳以上)に評価した。

HER2陽性胃がん、T-DXdの効果予測因子は?/名大など

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、2020年9月にHER2陽性の切除不能進行・再発胃がん患者に対して承認された。日本のリアルワールド研究により、T-DXd治療効果を予測する複数の因子が明らかになった。名古屋大学の中西 香企氏らによる本研究成果は、ESMO Gastrointestinal Oncology誌2025年6月号に発表された。  EN-DEAVOR研究は、胃がん患者におけるT-DXdの有効性と安全性を評価する多施設共同後ろ向き観察研究として実施された。対象は20歳以上のHER2陽性(IHC3+またはFISH陽性)の胃・胃食道接合部腺がん患者307例で、2020年9月~2021年9月にT-DXdを3次治療以降に投与された。今回は実臨床無増悪生存期間(real-world PFS:rwPFS)と奏効率(ORR)の予測因子を解析した。

PD-L1陽性転移TNBC1次治療におけるADC+ICI(解説:下村昭彦氏)

PD-L1陽性転移トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の初回治療は、IMPassion130試験(Schmid P, et al. N Engl J Med. 2018;379:2108-2121.)、KEYNOTE-355試験(Cortes J, et al. N Engl J Med. 2022;387:217-226.)の結果に基づき、化学療法+免疫チェックポイント阻害薬(ICI:抗PD-L1抗体アテゾリズマブ、もしくは抗PD-1抗体ペムブロリズマブ)が標準治療として用いられている。IMPassion130試験では全生存期間(OS)延長の可能性が示され、KEYNOTE-355試験では統計学的有意にOSが延長された。一方、2次治療以降では抗体薬物複合体(ADC)の開発が活発に行われており、TNBC全体に対するサシツズマブ ゴビテカン(SG)(Bardia A, et al. N Engl J Med. 2021;384:1529-1541.)やHER2低発現TNBCに対するトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)(Modi S, et al. N Engl J Med. 2022;387:9-20.)が用いられており、いずれもOS延長が示されている(T-DXdは探索的)。

HR+HER2+乳がん1次治療導入療法後のパルボシクリブ維持療法(解説:下村昭彦氏)

ホルモン受容体陽性(HR+)HER2陽性(HER2+)転移乳がんに対してはCLEOPATRA試験の結果をもとにトラスツズマブ+ペルツズマブ+タキサン(HPT)療法後のトラスツズマブ+ペルツズマブ(HP)維持療法が行われてきた。HR+の場合の維持療法に内分泌療法を併用するかどうかは、第II相試験であるPERTAIN試験(Rimawi M, et al. J Clin Oncol. 2018;36:2826-2835.)によりある程度の有用性が示されているが、維持療法として内分泌療法を併用するかどうかは施設ごとに判断が分かれている。PATINA試験はHR+HER2+転移乳がんに対するHPT療法導入後に維持療法としてHP+内分泌療法(ET)+パルボシクリブ併用療法とHP+ETを比較した第III相試験である(Metzger O , et al. N Engl J Med. 2026;394:451-462.)。

BRCA1/2病的バリアント保持者におけるリスク低減乳房切除術、生存率を改善するか/JCO

 BRCA1およびBRCA2遺伝子の病的バリアント(pvBRCA1/2)を保持する女性において、両側リスク低減乳房切除術(BRRM)により生存率は改善するのだろうか。今回、英国・マンチェスター大学のAshu Gandhi氏らが、pvBRCA1/2保持女性においてBRRMを選択した群と画像検査によるサーベイランスを選択した群の長期アウトカムを前向きコホート研究で比較したところ、生存率に差はなかったが、乳がん発症率はBRRM選択群が有意に低かったことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年2月4日号に掲載。  本研究は、地域の家族歴・遺伝学サービスを受診しpvBRCA1/2遺伝子検査を受け、pvBRCA1/2を保持していた女性を対象とした前向きコホート研究である。参加者は英国のガイドラインに基づき、BRRMまたはサーベイランスのいずれかを選択した。

乳がん生存率、アジア系と白人を比較

 乳がん生存率についてアジア系米国人と白人を比較した研究はほとんどない。今回、中国・Qinghai UniversityのYongxin Li氏らがSEERデータを用いて検討したところ、アジア系米国人の乳がん患者は白人の乳がん患者より全生存期間(OS)が有意に良好で、すべてのサブグループにおいても一貫していた。Clinical Breast Cancer誌2026年3月号に掲載。  本研究はSEERデータベース(2010~21年)のデータを用いて、アジア系米国人と白人の乳がん患者を対象とした後ろ向きコホート研究である。年齢、Stage、分子サブタイプ、治療法などのベースライン特性を調整するため、傾向スコアマッチングを適用した。評価項目はOSおよび乳がん特異的生存期間(BCSS)とした。

AI支援マンモ検診、中間期乳がんが減少/Lancet

 人工知能(AI)支援マンモグラフィスクリーニングは、2人の放射線科医が読影を行う標準的な二重読影と比較して、中間期乳がん(スクリーニングとスクリーニングの間あるいは最後の定期スクリーニング後2年以内に診断された、スクリーニングでは未検出であった原発乳がん)の発生率に関して非劣性で、予後不良の中間期乳がんの減少という良好なアウトカムに結び付き、高い感度、同等の特異度を示しながら、読影者の作業負荷も軽減したことが示された。スウェーデン・Lund UniversityのJessie Gommers氏らが同国で行った無作為化非劣性試験「MASAI試験」の結果を報告した。先行研究で、AI支援のマンモグラフィスクリーニングにより、がんの検出率が増加しかつ読影者の作業負荷を軽減可能であることがエビデンスとして示されているが、中間期乳がんへの有益性は明らかにされていなかった。Lancet誌2026年1月31日号掲載の報告。

閉経後HR+早期乳がんへの術後内分泌療法、アロマターゼ阻害薬3剤の長期転帰を比較

 第3世代アロマターゼ阻害薬であるアナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンは、閉経後ホルモン受容体陽性(HR+)早期乳がんに対する標準的な術後内分泌療法であるが、臨床における有効性を比較したデータはほとんどない。フランス・パリ・シテ大学のElise Dumas氏らは、約15万例を対象とした比較効果試験を実施し、エキセメスタンによる術後内分泌療法は、アナストロゾールおよびレトロゾールと比較して、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)がわずかに低くなる可能性があると明らかにした。JAMA Network Open誌2025年12月26日号に掲載の報告。

HR+/HER2+進行乳がん、導入療法後の維持療法にパルボシクリブ追加でPFS延長(PATINA)/NEJM

 ホルモン受容体陽性、HER2陽性の進行乳がんの1次治療では、標準的な導入療法で病勢の進行を認めなかった患者の維持療法において、標準療法単独と比較して標準療法+パルボシクリブ(サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害薬)は、無増悪生存期間(PFS)が有意に1年超長く、奏効率や奏効例の奏効期間も良好だが、Grade3/4の有害事象の頻度が2倍超であることが、米国・Harvard Medical SchoolのOtto Metzger氏らが実施した「PATINA試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年1月29日号に掲載された。