精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

抗うつ薬治療期間と心臓突然死リスク

 抗うつ薬は、世界で最も使用されている薬剤の1つである。これまでの研究において、抗うつ薬の使用と心血管系有害事象との関連が示唆されている。しかし、抗うつ薬の治療期間や治療開始時期が心臓突然死リスクに及ぼす影響は明らかになっておらず、臨床的なリスク層別化ができていなかった。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のJasmin Mujkanovic氏らは、抗うつ薬治療の累積期間と開始時期が心臓突然死リスクと関連しているかどうか、また、その関連性が薬剤クラスによって異なるかどうかを調査するため本研究を実施した。Heart Rhythm誌オンライン版2026年3月12日号の報告。

MCIからアルツハイマー病への進行率は? スクリーニングツールの精度は?

 軽度認知障害(MCI)は、正常な脳老化と病的な脳老化の中間段階であり、30~50%が3~5年以内に認知症へと進行するといわれている。進行リスクの高い患者を早期に特定することは、公衆衛生戦略においてきわめて重要である。イタリア・Italian National Institute of HealthのFlavia L. Lombardo氏らは、MCIからアルツハイマー病への進行リスクを評価した。Alzheimer's & Dementia誌2026年4月号の報告。  MCI患者398例を対象に、INTERCEPTORプロジェクトを実施した。社会人口統計学的、臨床的、神経心理学的、遺伝学的(アポリポタンパク質E)、脳脊髄液(アミロイドβ、タウ)、脳波(脳接続性)、MRI(海馬体積測定)、FDG-PETについて、統一された手順を用いて、ベースライン評価を行った。

抗精神病薬+SSRIの併用による突然死や心室性不整脈リスクはどの程度か

 抗精神病薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、それぞれ心室性不整脈または突然死のリスク増加と関連しているといわれている。両薬剤の併用は、リスクをさらに高める可能性があるものの、その臨床的エビデンスは限られている。国立台湾大学のHsiu-Ting Chien氏らは、抗精神病薬とSSRIが併用されている患者における心室性不整脈または突然死のリスクを評価するため、本研究を実施した。JAMA Network Open誌2026年4月1日号の報告。

ガバペンチノイドと併用薬で薬物中毒リスクが上昇か

 ガバペンチノイド系鎮痛薬(以下、ガバペンチノイド)を他の薬剤と併用すると、薬物中毒のリスクが上昇する可能性が、新たな研究で示された。ガバペンチノイドとオピオイド系鎮痛薬(以下、オピオイド)やベンゾジアゼピン系薬剤(以下、ベンゾジアゼピン)の併用はこのリスクを高め、特に治療初期には顕著なリスク上昇が認められたという。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の薬剤疫学者であるKenneth Man氏らによるこの研究は、「PLOS Medicine」に4月16日掲載された。  Man氏らは、「今回の結果は、ガバペンチノイドが安全ではない、あるいは処方すべきではないことを示すものではない。ただ、特に他の薬剤を使用中の患者に処方する際には注意が必要であり、臨床医は患者を慎重にモニタリングする必要がある」とニュースリリースで述べている。

アルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの安全性解析

 アルツハイマー病では、アジテーションが頻繁にみられる。これは、患者にとって大きな負担となっている。従来、アルツハイマー病に伴うアジテーションのマネジメントには、非定型抗精神病薬などが適応外で使用されてきたが、高齢で脆弱な患者において、安全性が懸念されていた。ブレクスピプラゾールは、アルツハイマー病に伴うアジテーションの治療薬として、近年複数の国で承認された非定型抗精神病薬である。これまでの解析では、ブレクスピプラゾールは、最長24週間まで有効性が報告されており、忍容性もおおむね良好であることが示されていた。

双極症II型の死亡リスクは双極症I型より高いのか?

 双極症II型(BD-II)が長期死亡率の上昇と関連しているかどうかは、依然として不明である。その理由は、ほとんどの研究がBD-IIと双極症I型(BD-I)を区別していないことにある。台湾・長庚大学のChih-Wei Hsu氏らは、BD-IIが一般集団や非双極症の兄弟姉妹、およびBD-I患者と比較して、すべての原因による死亡率および原因別死亡率の上昇と関連しているかどうかを調査した。JAMA Network Open誌2026年4月1日号の報告。  本集団ベースのレトロスペクティブコホート研究では、2000~22年の台湾国民健康保険データベースのデータを使用し、検討を行った。

若年性認知症、そのリスク因子は?

 65歳未満で発症する若年性認知症は、重要な健康上の問題である。しかし、認知症のリスク因子に関する知見の多くは、65歳以降で発症した晩年期認知症の研究から推測されたものである。米国・ミネソタ大学のKatherine Giorgio氏らは、若年性認知症とさまざまな人口統計学的因子、臨床的因子および生活習慣因子との関連性を調査し、それらの推定値を晩年期認知症の場合と比較した。The Lancet Healthy Longevity誌オンライン版2026年4月2日号の報告。  英国および米国における5つの地域ベースの縦断的コホート研究(UKバイオバンク、ARIC[Atherosclerosis Risk in Communities Study]研究、フラミンガム心臓研究、多民族アテローム性動脈硬化症研究[Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis]、ホワイトホールII研究)のデータを統合し、標準化した。

PTSDと片頭痛との関連性は?

 片頭痛は、QOL低下および精神疾患の併発リスクの増加と関連している。そして近年のエビデンスでは、片頭痛と心的外傷後ストレス障害(PTSD)との関連についての関心が高まっている。ドイツ・Carl von Ossietzky Universitat OldenburgのLucie Nitsche氏らは、PTSDと片頭痛との関連性の程度を評価するため、関連する研究から得られた有病率および発生率データを統合し、システマティックレビューを実施した。Headache誌2026年4月号の報告。  MEDLINE(PubMed経由)、EMBASE(Elsevier経由)、PsycInfo(EBSCOhost経由)において、2024年11月22日までに報告された研究を包括的に検索した。

肥満のアルコール使用障害、セマグルチドvs.プラセボ/Lancet

 肥満を有する中等度~重度のアルコール使用障害(AUD)患者において、セマグルチド週1回投与により、プラセボと比較してAUDに対する有意な治療効果が認められた。デンマーク・Copenhagen University Hospital-Bispebjerg and FrederiksbergのMette Kruse Klausen氏らが、コペンハーゲンの単施設で実施した26週間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。AUDは、世界の年間死亡者の5%を占めており、新たな治療法の開発が急務となっている。GLP-1受容体作動薬であるセマグルチドは前臨床試験および初期の臨床試験において、飲酒量を減少させる可能性が示唆されていた。

治療抵抗性統合失調症患者の脳構造はどうなっているのか

 治療抵抗性統合失調症(TRS)は、精神科医療において大きな課題となっており、患者の約10~60%が抗精神病薬に治療反応を示さない。TRSに対する早期治療は、臨床アウトカムの改善につながる可能性があるものの、客観的なバイオマーカーが欠如しているためタイムリーな介入の妨げとなっている。一般的な脳の構造変化がTRSと関連していることが示唆されているものの、大規模なTRS症例データを得ることが困難なため、明確かつ確固たる結論はいまだ得られていない。米国・Johns Hopkins University School of MedicineのSemra Etyemez氏らは、このギャップを埋めるため、ENIGMA(Enhancing Neuro Imaging Genetics through Meta-Analysis)コンソーシアムと共同で、TRSに関連する脳の構造変化を調査した。