整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:85

〔CLEAR! ジャーナル四天王(11)〕 JAK阻害薬は関節リウマチの診療に2回目のパラダイムシフトをもたらすか?

 炎症性サイトカインを標的とする生物学的製剤の登場により、関節リウマチ(RA)に対する治療指針は大きく変革し、関節破壊進行の抑制と身体機能の改善を目標に、疾患活動性を寛解にコントロールすることが重要と考えられるようになった。一方で生物学的製剤抵抗例も未だ存在し、また生物学的製剤は注射製剤で薬価が高いという問題点がある。

活動性関節リウマチに対する新規経口薬のトファシチニブ単独療法

 活動性関節リウマチ患者に対し、新規経口薬のトファシチニブ(開発コードCP-690, 550、本邦では承認申請中)の単剤療法は、プラセボと比較して関節リウマチの徴候・症状を軽減し身体機能を改善することが、米国・Metroplex Clinical Research CenterのRoy Fleischmann氏らによる第3相無作為化試験の結果で示された。NEJM誌2012年8月9日号掲載の報告。トファシチニブは、関節リウマチの標的免疫調節薬および疾患修飾薬として研究されている経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、炎症性サイトカインなどを対象とする現在の関節リウマチ薬とは異なる新しい作用機序の経口薬である。

高齢者の白内障、手術で大腿骨頸部骨折リスク16%低下

白内障の診断を受けた高齢者は、白内障手術を受けたほうが受けない場合に比べ、1年間の大腿骨頸部骨折リスクは約16%低下するとの結果が報告された。米国・ブラウン大学のVictoria L. Tseng氏らが、メディケア受給者110万人超について行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年8月1日号で発表した。視覚障害は骨折のリスク因子であることは明らかにされているが、白内障手術と骨折リスクとの関連についてはこれまでほとんど報告されていないという。

「痛み」の種類に応じた治療の重要性~全国47都道府県9,400人を対象とした実態調査~

痛みとは本来、危険な外的刺激から身を守ったり、身体の異常を感知したりするなど、生命活動に必要なシグナルである。しかし、必要以上の痛みや原因のない痛みは防御機能として作用しないばかりか、健康や身体機能を損なう要因となるため、原因となる疾患の治療に加えて痛みのコントロールが必要となる。

高用量ビタミンD摂取、65歳以上の骨折リスクを低減

メタ解析の結果、65歳以上高齢者の高用量ビタミンD摂取(毎日≧800 IU)は、大腿骨頸部骨折およびあらゆる非椎体骨折の予防に多少ではあるが有望であることが示された。スイス・チューリッヒ大学のHeike A. Bischoff-Ferrari氏らによる解析結果で、「居住場所、年齢、性別とは独立して骨折リスクを低減する可能性があることが示された」と報告している。ビタミンD摂取と骨折の減少についてこれまでのメタ解析の結果は一貫していない。Bischoff-Ferrari氏らは、11の二重盲検無作為化比較試験の被験者を対象に解析を行った。NEJM誌2012年7月5日号掲載報告より。