眼科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:19

ラニビズマブ、PRPより増殖糖尿病網膜症の悪化抑制

 増殖糖尿病網膜症(PDR)に対する汎網膜光凝固(PRP)またはラニビズマブによる治療の有用性について、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のSusan B Bressler氏らは、PDR悪化の観点から評価した。その結果、ラニビズマブはPRPと比較してPDRの増悪が少なく、とくに中心窩に及ぶ糖尿病黄斑浮腫を認めなかった眼において顕著であることが示された。著者は、「抗VEGF療法はPRPより頻繁に通院する必要があるが、PDRに対し、少なくとも2年はPRPの代替療法としてラニビズマブを使用することを支持するさらなるエビデンスが得られた」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年2月1日号掲載の報告。

EPA、DHAは加齢黄斑変性の予防に効果的

 エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量は、加齢黄斑変性(AMD)と関連しているのか。看護師健康調査(Nurses' Health Study)および医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)を基に、米国・ハーバード公衆衛生大学院のJuan Wu氏らが行った検討の結果、EPAやDHAを多く摂取することは中期AMDの発症を予防または遅延させる可能性があることが示唆された。ただし、進行期AMDとの関連は認められなかったという。EPAおよびDHAの摂取量が進行期AMDにどのように関連するかは、現在のところ一致したエビデンスは得られていない。Ophthalmology誌オンライン版2017年1月30日号掲載の報告。

アセタゾラミド術前投与で緑内障眼の白内障術後における眼圧上昇を抑制

 経口アセタゾラミド内服による、緑内障眼の白内障術後の眼圧上昇予防効果は認められるのか。福岡県・林眼科病院の林研氏らが、その有効性と適切な投与時期について無作為化試験にて検討した。その結果、原発開放隅角緑内障(POAG)眼では水晶体超音波乳化吸引術後3~7時間に眼圧上昇が認められ、手術1時間前のアセタゾラミド経口投与は非投与および手術3時間後投与と比較して、眼圧上昇を抑制することを明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2017年1月19日号掲載の報告。

女性眼科医の報酬が男性より低い理由は?

 女性眼科医の数は増加しているが、彼女らの臨床活動や報酬についてはわかっていない。米国ジョンズ・ホプキンス大学のAshvini K Reddy氏らの分析の結果、2012年および2013年におけるメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)からの報酬は、女性眼科医による請求の提出が少なく、男性眼科医と女性眼科医とでまったく異なっていた。著者は、「臨床活動は類似しており機会は公平でありながら差があることについて、その根本原因をさらに調査する必要がある」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年1月19日号掲載の報告。

アジア人で眼圧上昇と血糖降下薬の関連を示唆

 眼圧は全身薬物療法と関連しているのだろうか。シンガポール・国立眼科センターのHenrietta Ho氏らは、中国人、インド人およびマレー人を対象としたシンガポール眼疾患疫学研究の事後解析を行い、β遮断薬は眼圧低値と、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、スタチンおよびスルホニル尿素(SU)薬は眼圧高値と関連が示唆されることを明らかにした。

遠隔医療を活用した未熟児網膜症スクリーニング法4つを比較

 米国・ペンシルベニア大学のJaclyn Gurwin氏らは、急性期未熟児網膜症の遠隔評価法(e-ROP)研究における遠隔医療システムでの眼底所見分類と、フィラデルフィア小児病院未熟児網膜症(CHOP-ROP)出生後体重増加予測モデルを相乗的に使用し、重症ROP発症児を特定するROPスクリーニング段階的アプローチ法(TARP)について検討した。

ドライアイ患者の主観的健康感を損ねる因子とは

 ドライアイでは、しばしば自覚症状と他覚所見の間に乖離がみられる。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのJelle Vehof氏は、この不一致が主観的健康感の指標であることを大規模な横断研究により示した。不一致に関与する因子も明らかにされ、「その因子を認識しておくことは、日常診療においてドライアイ患者の評価に役立つ」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2016年12月23日号掲載の報告。

研修医が行った緑内障手術の再手術・合併症の頻度

 緑内障手術を3年目の研修医が実施した場合、術後最初の90日以内における再手術率や合併症発生率はどのくらいなのか、米国・カリフォルニア大学のYen C Hsia氏らが、後ろ向き調査で調べた結果、再手術率は約4%で、受け入れられる結果であることが示された。また、手術法による再手術率および合併症発生率に差はなく、再手術を要した患者の臨床転帰も良好であったという。Journal of Glaucoma 誌オンライン版2016年12月20日号掲載の報告。

高齢者のロービジョンケアへのリハビリ併用効果

 視覚機能が低下したロービジョン(LV)高齢者を対象に、基本的なデバイス使用のLVケア介入と、そこにリハビリテーションを併用する介入(LVR)の有用性を、無作為化臨床試験で比較検討した結果が報告された。結果は、LVRの有効性が顕著だったのは最良矯正遠見視力(BCDVA)が20/63~20/200の患者においてのみであることが示されたという。