高所得国の平均余命、米国が最下位の理由は?/BMJ

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ケアネット

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 OECD加盟の高所得国18ヵ国の中で、米国の平均余命は最も低く、他国との差は年々開いているという。米国では2014~16年には連続して平均余命の低下が報告され、また英国では2014~15年に低下が報告された。米国・南カリフォルニア大学のJessica Y. Ho氏らは、他の高所得国でも2014~16年に平均余命の低下が起きていないかを調べ、低下の原因を特定し、原因は各国に共通したものなのか否か、低下を引き起こした原因別の規模を調べた。BMJ誌2018年8月15日号掲載の報告。

2014~15年は多くの国で平均余命が低下していた
 研究グループは、18ヵ国の人口動態統計データを分析し、0歳時、0~65歳未満、65歳以上の平均余命と、0歳時の平均余命の変化に影響していた死因を調べた。解析には、質の高い2014~16年の全死因および死因別データを包含した。

 解析の結果、多くの国で2014~15年に平均余命の低下が認められた。具体的に18ヵ国のうち12ヵ国で女性の平均余命が低下し、11ヵ国で男性の平均余命が低下していた。低下の平均値は女性が0.21歳、男性0.18歳。低下の大部分は、65歳以上での死亡率の動向が寄与しており、死因別では呼吸器疾患、心血管疾患、神経系疾患、精神障害に関連した死亡であった。なお著者は死因について、インフルエンザシーズンが関係しているのではと述べている。

米国の平均余命低下は、他国にみられる動向と乖離
 米国での2014~15年の平均余命の動向は、他国とは大きく異なり、0~65歳の平均余命の低下が大きかった。また、その原因の多くを薬剤過剰と外傷(自殺ほか)が占めていた。著者は薬剤過剰について、今も続くオピオイドの蔓延が関連していると指摘している。

 なお、多くの国で2015~16年の平均余命は回復していた。前年の低下を相殺する平均余命の増分を獲得していたが、米国と英国は増分の獲得に至らず低下していた。著者は、「これらの国では重大な状況が続いていると思われ、今後の動向が懸念される」と述べている。

(ケアネット)

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