5~18歳の脳震盪、7日以内の運動が回復を促進/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2017/01/11

 

 急性脳震盪を発症した5~18歳の小児・年少者について、受傷後7日以内に運動を行ったほうが、行わなかった患者と比べて、28日時点の持続性脳震盪後症状(PPCS)を有するリスクが低いことが、カナダ・東オンタリオ研究センター小児病院(CHEO)のAnne M Grool氏らによる前向き多施設共同コホート研究の結果、示された。脳震盪治療ガイドラインでは、受傷直後は症状が治まるまで安静を支持しており、運動が回復を促進するという明白なエビデンスはなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「適切に設計した無作為化試験で、脳震盪後の運動のベネフィットを確認する必要がある」と提言している。JAMA誌2016年12月20日号掲載の報告。

カナダ9つの救急部門で前向きコホート研究
 検討は、2013年8月~2015年6月に、カナダ小児救急研究ネットワークに参加する9つの救急部門(ED)を急性脳震盪で受診した5.00~17.99歳の小児・年少者3,063例を登録して行われた。

 登録患者は、受傷後7日と28日にWebベースのサーベイもしくは電話のフォローアップを受け、受傷後早期の運動有無などの調査を受けた。

 標準化質問票を用いてEDと7日、28日時点で、運動の有無と脳震盪後症状の重症度を評価した。主要アウトカムは、28日時点のPPCS(3つ以上の新たなまたは増悪した症状)。早期運動とPPCSの関連性の分析を、未補正解析、1対1の傾向スコア適合コホート、治療の逆確率加重(IPTW)法にて評価した。また7日時点の3つ以上の症状あり群で感度解析も行った。

早期運動は28日時点のPPCSリスクの低下と関連
 評価を完了したのは2,413例であった。平均年齢(SD)は11.77(3.35)歳、女子が1,205例(39.3%)。被験者のうち、早期に運動を行っていたのは1,677例(69.5%)。内訳は、軽い有酸素運動が795例(32.9%)、スポーツとしての運動214例(8.9%)、ノンコンタクトな練習運動143例(5.9%)、フルコンタクトな練習運動106例(4.4%)、試合としての運動419例(17.4%)であった。一方、736例(30.5%)が運動を行っていなかった。

 28日時点で、PPCSを有した患者は733例(30.4%)であった。

 未補正解析において、早期運動群は、非運動群よりもPPCSリスクが低いことが示された(24.6 vs.43.5%、絶対リスク差[ARD]:18.9%、95%信頼区間[CI]:14.7~23.0%)。

 傾向スコア適合コホート(1,108例)でも、早期運動はPPCSのリスク低下と関連していた(早期運動群28.7 vs.非運動群40.1%、ARD:11.4%[95%CI:5.8~16.9%])。IPTWの分析でも同様に認められた(2,099例、相対リスク:0.74[95%CI:0.65~0.84]、ARD:9.7%[95%CI:5.7~13.7%])。

 7日時点で症状(PPCS)を認めた患者は、早期運動群803例(43.0%)に対し非運動群は584例(52.9%)であった。また、運動の種類別にみたサブグループ解析においても、早期運動群のPPCS発症率は低かった。それぞれのARDは、軽い有酸素運動群が6.5%(95%CI:5.7~12.5%)、中程度運動群14.3%(同:5.9~22.2)、フルコンタクト運動16.8%(同:7.5~25.5%)。このサブグループの傾向適合解析(早期運動群388例 vs.非運動群388例の計776例)における有意な差はみられなかった(47.2 vs.51.5%、ARD:4.4%[95%CI:-2.6~11.3%])。

(ケアネット)