切除不能大腸がん、CAPOX-B後の維持療法でPFS延長/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2015/04/22

 

 切除不能大腸がんの1次治療において、カペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブ(CAPOX-B)による導入療法に加えカペシタビン+ベバシズマブによる維持療法を行うと予後が改善することが、オランダ・アムステルダム大学のLieke H J Simkens氏らオランダ大腸がん研究グループ(DCCG)が実施したCAIRO3試験で示された。切除不能大腸がんに対する化学療法薬の間欠投与は持続投与に比べて生存期間が劣らず、OPTIMOX1試験ではフルオロウラシル+ロイコボリンの継続投与下にオキサリプラチンを休薬し、病勢進行(PD)後に再投与しても生存期間は持続投与と同等であることが報告されている。一方、分子標的薬であるベバシズマブは、PD後も継続的に投与することで予後の改善をもたらすことが示唆されている。Lancet誌オンライン版2015年4月7日掲載の報告より。

維持療法の意義を無作為化試験で評価
 CAIRO3試験は、切除不能大腸がんに対する導入療法後のカペシタビン+ベバシズマブによる維持療法の意義を評価する非盲検無作為化第III相試験(DCCGの助成による)。対象は、年齢18歳以上、全身状態(WHO PS)が0/1の未治療の切除不能大腸がんで、CAPOX-B(1サイクル3週)を6サイクル施行後にRECIST判定基準で病勢安定(SD)以上と判定された患者であった。

 被験者は、カペシタビン+ベバシズマブによる維持療法(1サイクル3週)または経過観察を行う群に1対1の割合で無作為に割り付けられ、9週ごとにCTによる病変の評価が行われた。病勢進行(PD)となった患者には、両群ともに2回目のPDとなるまでCAPOX-Bが再導入された。無作為割り付け時から初回PDまでの期間を初回無増悪生存期間(PFS1)、2回目のPDまでの期間をPFS2と定義した。主要評価項目はPFS2とし、副次評価項目はPFS1などであった。

 2007年5月30日~2012年10月15日までにオランダの64施設に558例が登録され、維持療法群に279例が、経過観察群にも279例が割り付けられた。それぞれ279例、278例がITT解析の対象となった。フォローアップ期間中央値は48ヵ月であった。

オキサリプラチン再導入率は47%、耐用性も良好、QOLは保持
 PFS1は、維持療法群が8.5ヵ月であり、経過観察群の4.1ヵ月に比べ有意に延長した(層別化ハザード比[HR]:0.43、95%信頼区間[CI]:0.36~0.52、p<0.0001)。PFS1後に維持療法群の47%(132例)、経過観察群の60%(168例)がCAPOX-Bの再投与を受け、全身療法を受けなかったのはそれぞれ16%(45例)、11%(31例)であった。

 PFS2も、維持療法群が11.7ヵ月と、経過観察群の8.5ヵ月に比し有意に延長した(層別化HR:0.67、95%CI:0.56~0.81、p<0.0001)。CAPOX-B中止の主な理由はPDまたは死亡(維持療法群:79%、経過観察群:67%)で、PFS1後の施行数中央値は両群とも6サイクルであった。また、再CAPOX-B療法の奏効率は維持療法群が0%、経過観察群は17%で、最良の効果がSDの患者の割合はそれぞれ69%、62%だった。

 CAPOX-B以外の治療を受けた患者を含む全体の2回目のPDまでの期間は、維持療法群が13.5ヵ月、経過観察群は11.1ヵ月(層別化HR:0.68、95%CI:0.57~0.82、p<0.0001)と有意差がみられたが、全生存期間(OS)中央値はそれぞれ21.6ヵ月、18.1ヵ月(層別化HR:0.89、95%CI:0.73~1.07、p=0.22)であり、有意な差はなかった。

 事前に規定されたサブグループ解析では、ほとんどのサブグループでPFS2、PFS1、全体の2回目のPDまでの期間が維持療法群で良好であった。割り付け前の導入CAPOX-B 6サイクルの奏効例(CR/PR)およびSD例のいずれにおいても、PFS2、OSは維持療法群で有意に優れた(それぞれ、p<0.0001、p=0.0002)。

 維持療法は良好な耐用性を示したが、Grade 3/4の有害事象の発症率は維持療法群が60%であり、経過観察群の34%に比べ有意に高かった(p<0.0001)。維持療法群で頻度の高いGrade 3/4の有害事象として、手足症候群(23 vs. 0%、p<0.0001)、感覚性神経障害(10 vs. 5%、p=0.0501)、高血圧(24 vs. 18%、p=0.0582)が認められた。

 QOLは維持療法中に増悪しなかったが、経過観察群でわずかに改善したため両群間に有意な差がみられたものの、その差は臨床的に意義があるとされる閾値を十分に下回っていた。

 著者は、「CAPOX-B 6サイクルでSD以上が達成された患者に対するカペシタビン+ベバシズマブ維持療法は、切除不能大腸がんの1次治療における標準治療となる可能性がある」と結論付けている。

(菅野守:医学ライター)