PCI前の出血リスク予測は有用/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/04/17

 

 ST上昇型心筋梗塞でPCI実施が予定されている患者に対し、術前に周術期出血リスク予測を行うことで、出血回避戦略の実施率が上がり、出血リスクが減少することが明らかにされた。米国Saint Luke’s Mid America Heart InstituteのJohn A Spertus氏らが、1万例超について行った前向きコホート試験の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2015年3月24日号掲載の報告より。

米国9ヵ所の医療機関でコホート試験
 Spertus氏らは、米国9ヵ所の医療機関を通じて、ST上昇型心筋梗塞でPCI実施予定の患者について前向きコホート試験を行った。

 術前に周術期出血リスク予測を行うことで、出血回避のための戦略実施が増加し、出血リスク減少につながるかどうかを分析した。

術前出血リスク予測で出血率は4割減
 被験者のうち、術前に周術期出血リスク予測を行わなかったのは7,408例で、同リスク予測を行ったのは3,529例だった。

 術前の同リスク予測実施群のほうが非実施群に比べ、手術部位の出血回避のための戦略実施率が約1.8倍増大した(オッズ比[OR]:1.81、95%信頼区間[CI]:1.44~2.27)。なかでも高リスク患者の実施率の増大(OR:2.03、95%CI:1.58~2.61)のほうが、低リスク患者(同:1.41、1.09~1.83)より有意に大きかった(相互作用のp=0.05)。

 手術部位の出血率も、出血リスク予測後のほうが有意に低下した(1.0% vs. 1.7%、OR:0.56、95%CI:0.40~0.78、p<0.001)。なかでも高リスク患者については、出血率の減少幅が大きかった。

 なお、出血回避戦略実施率は、医療機関や医師によって大きなばらつきが認められた。著者は、このばらつきが、整合性、安全性および医療の質の改善に結び付く重要な視点になると指摘している。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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コメンテーター : 香坂 俊( こうさか しゅん ) 氏

慶應義塾大学 循環器内科 准教授

J-CLEAR評議員