腰椎穿刺によるクモ膜下出血の除外基準/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/05

 

 急性非外傷性頭痛の患者について腰椎穿刺を実施し、その結果、赤血球数が2,000×106/L未満で脳脊髄液の黄変化が認められない場合には、動脈瘤性クモ膜下出血を除外できることが明らかにされた。カナダ・オタワ大学のJeffrey J Perry氏らが、同国内12ヵ所の救急部門を訪れた急性非外傷性頭痛の患者1,739例について行った、前向きコホート試験の結果、明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年2月18日号掲載の報告より。

主要評価項目は、要介入または致死の動脈瘤性クモ膜下出血
 研究グループは、2000年11月~2009年12月にかけて、急性非外傷性頭痛でカナダの大学病院の救急部門を訪れ、クモ膜下出血の疑いで腰椎穿刺を受けた15歳以上の患者1,739例について、前向きコホート試験を行った。

 主要評価項目は、介入を要する、または死に至った動脈瘤性クモ膜下出血だった。

動脈瘤性クモ膜下出血は被験者の0.9%
 結果、最終管の赤血球数が1×106/L超、または脳脊髄液の黄変化が1管以上で、脳脊髄液異常が認められたのは、641例(36.9%)だった。同異常が認められた被験者の平均年齢は45.1歳、正常だった被験者の平均年齢は41.6歳だった。

 腰椎穿刺で異常が認められ動脈瘤性クモ膜下出血と診断されたのは被験者全体のうち15人(0.9%)であった。

 赤血球数が2000×106/L未満で、脳脊髄液の黄変化が認められない場合では、動脈瘤性クモ膜下出血の除外診断の感度は100%(95%信頼区間:74.7~100%)、特異度は91.2%(同:88.6~93.3%)だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)