早期経鼻栄養、感染症・死亡リスク低下せず/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2014/12/04

 

 急性膵炎で合併症リスクの高い患者に対し、早期に経鼻栄養チューブによる経腸栄養を始めても、救急受診から72時間後に経口摂取を始め必要に応じて経管栄養を行う場合と比べ、主要な感染症や死亡リスクの低下に結び付かないことが示された。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのO.J.Bakker氏らが、208例の患者について行った多施設共同無作為化試験の結果、報告した。重症急性膵炎の患者に対しては、腸管からの感染症予防を目的として、早期に経鼻腸管栄養を開始することが多い。しかし、この戦略を支持するエビデンスは限定的だった。NEJM誌2014年11月20日号掲載の報告より。

急性膵炎で合併症リスクの高い患者を対象に、早期経鼻vs. オンデマンド
 研究グループは、オランダ19ヵ所の病院を通じて、急性膵炎で合併症リスクの高い患者208例について試験を行った。被験者の合併症は、重症患者における臨床的重症度の指標であるAcute Physiology and Chronic Health Evaluation II(APACHE II)スコアが8以上で、Imrie/修正グラスゴースコアが3以上、または血清CRP値が150mg/L超だった場合とした。

 被験者を無作為に2群に分け、一方の群には無作為化後24時間以内に経鼻腸管栄養を開始し(早期群)、もう一方には受診から72時間後に経口摂取を始め、経口摂取に忍容性がない場合には経管栄養を行った(オンデマンド群)。

 主要エンドポイントは、6ヵ月の追跡期間中の主要な感染症(感染性膵壊死、菌血症、肺炎)または死亡の、複合イベントの発生とした。

感染症、死亡リスクともに両群で同等
 結果、主要エンドポイントの発生率について両群で有意差はなかった。早期群は101例中30例(30%)、オンデマンド群は104例中28例(27%)の発生だった(リスク比:1.07、95%信頼区間:0.79~1.44、p=0.76)。

 同様に、主要感染症の発生率についても、早期群25%に対しオンデマンド群26%であり、両群で同等だった(p=0.87)。死亡率についても同等だった(11%vs. 7%、p=0.33)。

 また、オンデマンド群では、72例(69%)が経口摂取に忍容性を示し経管栄養は不要だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)