痂皮性膿痂疹にST合剤が有用/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2014/09/12

 

 小児の痂皮性(非水疱性)膿痂疹に対する、経口ST合剤(トリメトプリム+スルファメトキサゾール、商品名:バクトラミンほか)の3~5日投与は、従来のベンジルペニシリンベンザチン筋注(同:バイシリンG)による治療と比べて非劣性であることが示された。オーストラリアのチャールズ・ダーウィン大学Asha C. Bowen氏らが、504例の小児患者について行った無作為化非劣性試験の結果、報告した。Lancet誌オンライン版2014年8月27日号掲載の報告より。

ST合剤を3~5日投与、7日後の治療成功率を評価
 研究グループは2009年11月26日~2012年11月20日にかけて、痂皮性(非水疱性)膿痂疹の認められる、オーストラリア先住民の生後3ヵ月~13歳までの子供508例について、ST合剤のベンジルペニシリンベンザチンに対する非劣性試験を行った。

 被験者を無作為に3群に分け、1群にはベンジルペニシリンベンザチン筋注を(165例)、2群目にはST合剤1日2回を3日間投与(1回当たり4mg/kg+20mg/kg、175例)、3群目にはST合剤1日1回を5日間投与(1回当たり8mg/kg+40mg/kg、168例)を行った。

 評価者は、患部画像を基に治療0~7日の症状の評価を行った。主要アウトカムは、治療開始後7日時点の治療成功率だった。

治療成功率は同程度、有害事象の9割はベンザチン群
 分析は、ベンザチン群156例、ST合剤3日投与群173例、同5日投与群161例について行われた。

 治療の成功が認められたのは、ベンザチン群85%(133例)、ST合剤両プール群85%(283例)であり、ST合剤の非劣性が示された(非劣性マージン10%、絶対差:0.5%、95%信頼区間[CI]:-6.2~7.3)。

 ST合剤群については、3日投与群、5日投与群ともに治療効果は同等だった。また、有害事象の発生は被験者の54例で認められたが、そのうち49例(90%)がベンザチン群だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)