全身性硬化症に有用な新たなバイオマーカー/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2014/01/10

 

 全身性硬化症の発症リスクや進行予測および合併症有無のバイオマーカーとして、形質細胞様樹状細胞に発現するCXCL4値の測定が有用であることが、米・ボストン大学のL. van Bon氏らによる検討の結果、示された。形質細胞様樹状細胞は、I型インターフェロン産生を事前に示唆するという機序により、全身性硬化症の病因に関連することが知られていた。研究グループは、健常者および臨床像が異なる全身性硬化症患者の形質細胞様樹状細胞を用いて、同細胞の役割を特定することを試みた。NEJM誌オンライン版2013年12月18日号掲載の報告より。

全身性硬化症と血漿CXCL4値との関連を調査
 検討は、タンパク質の発現差を解析するのに用いられるプロテオームワイド解析により、全身性硬化症患者の5つの大規模コホートにおいて、臨床像と形質細胞様樹状細胞との関連を観察した。次いで、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、肝線維症の患者においても観察を行い、結果を比較した。

 具体的には、全身性硬化症の所見と血漿CXCL4値を関連させて、in vitroin vivoにおけるCXCL4の直接的効果について調べた。

CXCL4値は、全身性硬化症患者で有意に高値
 プロテオームワイド解析および検証の結果、CXCL4は、全身性硬化症患者の循環血液および皮膚の形質細胞様樹状細胞で分泌される主要なタンパク質であることが示された。

 全身性硬化症患者におけるCXCL4の平均値(±SD)は、25,624±2,652pg/mLであった。その値は、対照健常者(92.5±77.9pg/mL)、および全身性エリテマトーデス患者(1,346±1,011pg/mL)、強直性脊椎炎患者(1,368±1,162pg/mL)、肝線維症患者(1,668±1,263pg/mL)と比べて有意に高かった。

 また、CXCL4値は、皮膚・肺線維症、肺動脈性肺高血圧症との間で相関性があった。

 ケモカインの中ではCXCL4だけが、全身性硬化症のリスクおよび進行を予測した。

 in vitroにおいてCXCL4は、転写因子FLI1の発現を減少させ、内皮細胞活性化のマーカーを誘導し、Toll様受容体の応答を強化した。一方in vivoにおいてCXCL4は、全身性硬化症のように炎症細胞の流入と、皮膚トランスクリプトームの変化を誘発した。

(武藤まき:医療ライター)