日本人双極性障害外来患者における離婚の予測因子

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2024/01/19

 

 双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返すことを特徴とする精神疾患であり、社会的障害を引き起こすことが知られている。さらに、双極性障害は、離婚や家族のサポートを失うリスクを高め、予後を悪化させる可能性が明らかとなっている。しかし、リアルワールドにおける双極性障害患者の離婚の予測因子に関するエビデンスは限られている。獨協医科大学の徳満 敬大氏らは、日本人双極性障害患者における離婚の予測因子を特定するため、調査を行った。その結果から、日本人双極性障害患者における離婚の予測因子として、ベースライン時の年齢が若い、BMIが低いことが特定された。Annals of General Psychiatry誌2023年12月12日号の報告。

 日本精神神経科診療所協会の会員クリニック176施設の精神科医を対象に、観察アプローチ研究を実施した。医療記録のレトロスペクティブレビューを実施し、双極性障害と診断された患者に焦点を当てたアンケート調査を行った。2017年9月~10月に、ベースライン時の患者の特徴に関するデータを収集した。さらに、ベースラインから2019年9月~10月までの2年間の離婚率を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・分析対象は、双極性障害外来患者1,071例。
・2年間の離婚率は、2.8%(1,071例中30例)であった。
・双極性障害患者の離婚率は、一般的な日本人の離婚率よりも非常に高かった。
・二項ロジスティック回帰分析では、すべての対象患者における離婚の予測因子は、ベースライン時の年齢が若い、BMIが低いことが統計学的に有意であると確認された。
・離婚の予測因子について性別ごとに評価したところ、男性患者における統計学的に有意な離婚の予測因子は、ベースライン時の年齢が若い、双極II型障害よりも双極I型障害である点であった。
・女性患者における有意な離婚の予測因子は、BMIが低い、抗不安薬の使用であった。

 著者らは「双極性障害患者における離婚の予測因子は、男女間で大きく異なることが明らかとなった。本発見は、実臨床現場における双極性障害患者に対する社会的サポートを検討する際、家族の観点から重要なポイントを提供するものである」とまとめている。

(鷹野 敦夫)