若年性アルツハイマー病におけるアミロイドおよびタウPETの陽性率

提供元:ケアネット

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公開日:2023/10/23

 

 米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHanna Cho氏らは、若年性アルツハイマー病患者におけるベースライン時のアミロイドβ(Aβ)およびタウ蛋白のPET検査の評価を目的に、プロスペクティブ観察研究として長期若年性アルツハイマー病研究「LEADS試験」を実施した。その結果、臨床的な若年性アルツハイマー病患者の72%でアミロイドPETとタウPETの両方が陽性であり、アミロイドPETが陽性の患者では皮質領域全体での高いタウPETシグナルが認められた。Alzheimer's & Dementia誌オンライン版2023年9月10日号の報告。

 軽度認知障害(MCI)またはアルツハイマー病と診断された65歳未満の患者を対象に、ベースライン時の18F-florbetabenアミロイドPETおよび18F-florbetapirタウPETの結果を分析した。若年性アルツハイマー病患者のAβ陽性および陰性の評価には、専門家による読影と画像定量化の組み合わせに基づいたフロルベタベン スキャンを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者321例中243例(75.5%)は、アミロイドPETにより若年性アルツハイマー病に割り当てられた。243例のうち231例(95.1%)はタウPET陽性であった。
・タウPETシグナルは、頭頂部優位なパターンで皮質領域全体での上昇がみられ、若年および女性の患者においてより高かった。

 著者らは、「本研究のデータは、若年性アルツハイマー病の診断精度を高めるためのバイオマーカーの重要性を強調するものである」とし、とくに発症年齢のより若い患者や女性ではタウPETシグナルがより高いことなどから、「今後の治療戦略に影響を及ぼす可能性がある」とまとめている。

(鷹野 敦夫)