不安症・強迫症・PTSDの薬物治療ガイドライン(WFSBP)第3版:不安症編

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/19

 

 ドイツ・University Medical Center GottingenのBorwin Bandelow氏らは、2002年に発行、2008年に改訂された、世界生物学的精神医学会連合(WFSBP)タスクフォースによる不安症・強迫症・PTSDの薬物治療のためのガイドライン第3版に関する報告(パート1)を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2022年7月28日号の報告。

 22ヵ国を代表する33人の国際的専門家で構成されたコンセンサスパネルにより、治療の有効性および受容性に基づき推奨事項が作成された。各疾患を有する成人、青年、小児を対象とした、薬物治療、心理療法、その他の非薬理学的介入についてのランダム化比較試験(RCT)合計1,007件を評価した。心理療法やその他の非薬理学的介入については、薬物治療の標準的な評価と同様の厳格な方法を適用とした。

 主な内容は以下のとおり。

・本論文(パート1)には、パニック症/広場恐怖症、全般不安症、社交不安症、特定の恐怖症、小児および青年の混合不安症、分離不安症、選択性緘黙(かんもく)の治療に関する推奨事項が含まれる。
・SSRIおよびSNRIが、第1選択薬とされる。
・認知行動療法(CBT)は、不安症に対する精神療法の第1選択肢である。
・標準治療に反応しない患者やエビデンスが不十分な介入についても、専門家パネルからの推奨事項が設けられた。

(鷹野 敦夫)