治療抵抗性片頭痛に対するフレマネズマブの有効性

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/26

 

 既存の片頭痛予防の2~4つのクラスを用いた治療に奏効しなかった慢性片頭痛または反復性片頭痛患者に対するフレマネズマブの月1回または四半期ごと投与の有効性を評価するため、チェコ・Vestra ClinicsのLadislav Pazdera氏らは、検討を行った。Cephalalgia誌オンライン版2021年5月14日号の報告。

 既存の片頭痛予防の2~4つのクラスを用いた治療に奏効しなかった慢性片頭痛または反復性片頭痛患者をフレマネズマブ四半期ごと投与群、フレマネズマブ月1回投与群、プラセボ群にランダムに割り付けられ、12週間の二重盲検治療を実施したランダム化二重盲検プラセボ対照第IIIb相臨床試験であるFOCUS試験のデータを分析した。既存の片頭痛予防薬による治療に奏効しなかったクラス数により事前に定義したサブグループについて、12週間の二重盲検期間中における1ヵ月当たりの片頭痛日数のベースラインからの変化および有害事象を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・奏効しなかったクラス数ごとの患者数の内訳は、2クラス414例、3クラス265例、4クラス153例であった。
・いずれのサブグループにおいても、12週間における1ヵ月当たりの片頭痛日数のベースラインからの変化は、プラセボ群と比較し、有意な改善が認められた。それぞれの、対プラセボ最小二乗平均差および95%信頼区間(CI)は以下のとおりであった。
 【2クラス】
 ●フレマネズマブ四半期ごと投与:-2.9(95%CI:-3.83~-1.98)、p<0.001
 ●フレマネズマブ月1回投与:-3.7(95%CI:-4.63~-2.75)、p<0.001
 【3クラス】
 ●フレマネズマブ四半期ごと投与:-3.3(95%CI:-4.65~-1.95)、p<0.001
 ●フレマネズマブ月1回投与:-3.0(95%CI:-4.25~-1.66)、p<0.001
 【4クラス】
 ●フレマネズマブ四半期ごと投与:-5.3(95%CI:-7.38~-3.22)、p<0.001
 ●フレマネズマブ月1回投与:-5.4(95%CI:-7.35~-3.48)、p<0.001
・いずれのアウトカムにおいても、サブグループと治療の交互作用(treatment-by-subgroup interaction)は観察されなかった(各々:p interaction>0.20)。
・有害事象は、プラセボ群と同等であった。

 著者らは「4つのクラスの既存の片頭痛予防薬を用いた治療に奏効しなかった片頭痛患者の場合でも、フレマネズマブは、プラセボと比較し、統計学的に有意な効果が認められた」としている。

(鷹野 敦夫)