COVID-19への初期診療の手引きVer.3.0公開、改訂点は?/日本プライマリ・ケア連合学会

提供元:ケアネット

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公開日:2020/11/19

 

 日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、11月12日の同連合学会のホームページ上で冬季の診療に対応するために改訂した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き Ver.3.0」(ダウンロード可能)を公開した。

新型コロナウイルス感染症でプライマリ・ケア従事者がすべきこと3点

 今回の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」の改訂では、最新の疫学データのほか、PCR検査を希望する患者への説明、各種検査法、医療従事者が暴露した場合の対応、参照資料の充実など変更されたほか、各章の図表などもアップデートされている。

 手引きを作成した同学会の予防医療・健康増進委員会 感染症プロジェクトチームは、新型コロナウイルス感染症に関してプライマリ・ケア従事者がすべきこととして以下の3点と強調するとともに「医療体制の中で、プライマリ・ケアがゲートキーパーとしての役割を担う際に、プライマリ・ケアでの新型コロナウイルス感染症対策として、本手引きを適宜ご活用いただきたい」と期待を寄せている。

〔プライマリ・ケア従事者がすべきこと〕
・地域住民や患者に、感染拡大防止と健康被害を最小限にするための啓発を行う
・発熱などの症状がある患者に、適切に診断検査治療を行う
・私たち医療従事者自身が、新型コロナウイルスに感染しないよう努める

 また、同学会では、本手引きは重要な情報更新があり次第、できるだけ迅速な改訂を予定している。

■主な改訂・追記点
・新型コロナウイルスPCR検査を希望する患者への説明について
「検査適応がないと判断した場合は患者に対して自宅療養の継続を適切に指導します」などプライマリ・ケアでの視点で記述。また、具体的な患者への説明内容を記載。

・新型コロナウイルスの各種検査法について
現在行われている「核酸増幅検査」「抗原定量検査」「抗原定性検査」の概要の説明のほか、検体として「鼻咽頭拭い液」「鼻腔拭い液」「唾液」の特徴と検体管理の注意点などの説明を記載。

・医療従事者が新型コロナウイルスに曝露した可能性があるときについて
適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護した場合、または新型コロナウイルス感染症を疑う症状を自覚した場合は、就業を制限し自宅隔離および健康監視を開始。観察期間および就業制限中の検査についてはリスクや症状に応じて実施するとし、職場復帰の基準も感染が確定している場合(発症後8日以降経過または解熱後および症状消失後3日以上経過)と確定していない場合(一定の退院基準を満たす)に分けて示している。

(ケアネット 稲川 進)